ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [7月5日(金)~7月7日(日)]

2019-07-10 21:23:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸右画像は7日名古屋の中心部<オアシス21>で食べた菜飯田楽。これで約千円とはオトク感あり、でした。
 このすぐ近くにある愛知芸術文化センターが<花開くコリア・アニメーション2019+アジア>(花コリ)の会場。私ヌルボ、これまで東京会場には毎度スケジュールが合わず行ったことはありません。が、名古屋には2016、18年に続き3回目。生まれ故郷でもあるし、この催しだけでなく初回は名古屋ドーム、昨年はリニア・鉄道館と別分野の趣味に走り、今回は名古屋在住の学生時代の友人と久しぶりの歓談。ということで、今回も充実した2日間でした。

▸その<花コリ>のプログラムや会場のようす等は→公式ツイッター参照。今回は長編アニメがあってよかったです。で、その作品というのが「半島で生きたい~演技派おやじの奮闘記」。2017年の<富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭>での上映作で、18年1月一般劇場公開されたようです。内容はというと、主人公は大学で時間講師として演劇を教えている中年のハゲアタマのオジサンで、ふつうアニメの主人公にはなりそうもないキャラクター。彼がホントにやりたいのは俳優なのですが、大学教授の誘いがあって迷ったり、それにいろんな人間関係がからんだり奥さんが勝手に家を買っちゃったりと、いろいろ猥雑な要素があって・・・と、これは韓国社会の風刺なのか単なる現実描写なのか?等々考えさせられました。まあ、おもしろいといえばおもしろいけど・・・。それにしても、どんな観客をターゲットにしてるんだろ?
 左画像は「フェルーザの夢とともに」の監督キム・イェヨン(左)キム・ヨングンご夫妻。タイトルのフェルーザとは、2013年夏お2人が新婚旅行中にエチオピアの村の民宿で出会った少女の名前。
 驚いたことに、彼女は韓国語が話せる!というのはTVで韓ドラ「花より男子」を見て覚えたんですと! ということが契機となって彼女が韓国に来られるようにとか、教育が受けられるようにとか、ご夫妻や他の旅行客とかも尽力して・・・という話で、ハプニング的に(?)作られたドキュメンタリー。つまり、たまたまお2人が宿泊したことでフェルーザの人生が変わった!ということ。いやー、こういう縁というのもあるんですねー。
 なお上映終了後のトークの最後で、監督さんが「質問をされた方に・・・」と本作品のDVDのプレゼント。で私ヌルボもいただいちゃいました。(右画像) やったね、ラッキー!
 この作品、下北沢トリウッドで7月26日まで上映中の<世界のアニメーションシアター WAT 2019>の< Cプログラム>に含まれているのでオススメします。詳しくは→コチラ

▸先週の記事でちょっとふれたイタリア映画「幸福なラザロ」を4日渋谷アップリンクで観てきました。世の中が現代になっていることを知らず80年代まで(だまされて)封建時代の生活をしていた村人たちが実際にいたとはオドロキ! クストリッツァ監督の傑作「アンダーグラウンド」を思い出すとともに、規模ははるかに大きいですが閉鎖社会・北朝鮮に相通じるものがあると思いました。そんなことを考えた韓国サラムがいるかなとハングル検索しましたが見当たらず。そんな突飛な発想でもないと思ったんですけどねー・・・。

         ★★★ NAVERの人気順位(7月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-) 星の庭園(韓国)  9.76(157)
②(1) 痛いほど愛する(韓国)  9.71(141)
③(-) 師範(韓国)  9.54(13)
④(2) アラジン  9.45(19,836)
⑤(3) アベンジャーズ/エンドゲーム  9.39(67,507)
⑥(7) 遠回りの道(韓国)  9.33(39)
⑦(9) 教会のお兄さん(韓国)  9.30(1,419)
⑧(4) ゴーイング・バーティカル  9.30(282)
⑨(8) ポロロ劇場版 宝島大冒険  9.29(2,376)
⑩(-) えいがのおそ松さん(日本)  9.22(94)

 ①③⑩の3作品が新登場です。
 ①「星の庭園については後述します。
 ③「師範」は、韓国のドキュメンタリー。テコンドーだけを愛する父と娘。彼らが夢見るテコンドーとは一体何か? 父親のカン・シンチョル館長は30年前、身一つで戦争の真っ最中だったイランに渡って数千人の弟子を育て、現在世界最強のイランのテコンドーを作り出したテコンドーの英雄です。韓国に帰って水原に開設したナムチャン道場には毎年1500人以上の外国人たちが彼に会いに来ています。娘のカン・ユジン師範は身長154cmで扁平足の28歳。まだ中学生のように見えるあどけないルックスですが、自責の念が強くはにかみ屋だった少女はたゆまず日々訓練を積み、ついには世界大会を制覇して韓国の第一人者となりました。このような厳しい父と、父よりも完全になりたい根気強い娘は、よい父娘ですが、道場ではつまらないことで争ったりもします。厳格な父は弟子たちを叱り飛ばした後、娘の顔色をうかがい、娘はそのような指導方式の父残念に思います。そんな父娘が示す真のテコンドーの道を撮ったドキュメンタリーです。原題は「사범」です。
 ⑩「えいがのおそ松さん」は、日本では3月公開でなかなか好評だったようで、観に行くかなと思いつつ行かずじまい。韓国のネチズン評を見て、やっぱり行こうと今心を決めました。首都圏の上映館はEJアニメシアター新宿1館残すだけか。韓国題は「극장판 오소마츠 6쌍둥이(劇場版 おそまつ六つ子)」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) 幸福なラザロ  8.40(5)
③(3) トイ・ストーリー4  8.09(11)
④(4) アニエスによるヴァルダ  8.00(6)
⑤(5) アベンジャーズ/エンドゲーム  7.62(13)
⑥(6) キム君(韓国)  7.57(7)
⑦(7) サスペリア  7.40(5)
⑧(8) チェ 28歳の革命  7.25(4)
⑨(9) アマンダと僕  7.00(5)
⑩(10) ポロロ劇場版 宝島大冒険  7.00(3)

 新登場の作品はありません。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績7月5日(金)~7月7日(日) ★★★
           「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」、圧倒的数字で1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(24)・・スパイダーマン・・・・・・・・・・・・・7/02 ・・・・・・・2,857,880・・・・・・4,521,700・・・・・・・・39,005 ・・・・・・2,141
       ファー・フロム・ホーム
2(1)・・アラジン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/23 ・・・・・・・・・603,924・・・・・・9,222,673・・・・・・・・78,655・・・・・・・・841
3(2)・・トイ・ストーリー4・・・・・・・・・・・・6/20 ・・・・・・・・・347,141・・・・・・2,783,705・・・・・・・・23,657・・・・・・・・813
4(4)・・寄生虫[パラサイト](韓国) ・・・・・5/30 ・・・・・・・・・・89,878・・・・・・9,774,309・・・・・・・・83,504・・・・・・・・471
5(3)・・ジョン・ウィック:パラベラム・・6/26 ・・・・・・・・・65,952 ・・・・・・・853,608・・・・・・・・・7,293・・・・・・・・517
6(5)・・アナベル 死霊博物館 ・・・・・・・・・6/26 ・・・・・・・・・・53,186 ・・・・・・・398,494・・・・・・・・・3,313・・・・・・・・254
7(8)・・天路歴程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・・18,958 ・・・・・・・228,365・・・・・・・・・1,731・・・・・・・・115
8(6)・・Long Live the King・・・・・・・・・・・・6/19・・・・・・・・・・・15,060・・・・・・1,076,588・・・・・・・・・9,098・・・・・・・・185
       :木浦の英雄(韓国)
9(13)・・富川国際ファンタスティック映画祭2019 ・・・・・・7,100 ・・・・・・・・25,000 ・・・・・・・・・・150・・・・・・・・・・5
       ファンタスティック短編傑作選1
10(新)・・星の庭園(韓国) ・・・・・・・・・・・・7/04・・・・・・・・・・・・5,362 ・・・・・・・・・8,125・・・・・・・・・・・・62・・・・・・・・210
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・9・10位の3作品です。
 1位「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」は、日本でも(めずらしく)4日早い6月28日に公開、順調にヒットしているようですが、1位は依然として「アラジン」なんですね。韓国題は「스파이더맨: 파 프롬 홈」です。
 9位は、「富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭(略称BIFAN)」は今年が第23回。6月27日~7月7日の11日間開催されました。<ファンタスティック短編傑作選1>はその中の1部門です。この映画祭、日本映画関係では2017年にあの「この世界の片隅に」が長編コンペティション部門で大賞を受賞してますね。今回の大賞はフランスの「ザ・ルーム」、また観客賞は韓国の「真犯(真犯人)」が受賞しました。原題は「BIFAN2019 판타스틱 단편 걸작선 1」です。
 10位「星の庭園」は、韓国のアニメ。この作品も富川国際ファンタスティック映画祭の中で上映されましたが、7月4日から一般劇場での上映も始まっています。主人公は都会暮らしで暗がりを怖がる思春期の少女スハ。母親との仲がよくない彼女は、夏休みを母の実家のスハ里で過ごすことになります。「星が見られない所」と言われるそのスハ里で、スハはは宇宙の星が込められた<闇の石>を通して星の庭園に入るようになり、庭師のオムと共に消失する危機にある宇宙を救うために旅に出ます。父と母への思い、そして自分が抱いていた闇の秘密と向き合うことになったスハはオム共に奪われた闇を取り戻し、宇宙の星を救うことができるでしょうか・・・。このアニメの絵柄は→こんな感じ。原題は「별의 정원」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・天路歴程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・18,958・・・・・・・228,365・・・・・・・・1,731・・・・・・・・・・115
2(36)・・未成年[ザ・チルドレン・アクト]・・7/04 ・・・・・・・・・5,064・・・・・・・・・8,041 ・・・・・・・・・・70・・・・・・・・・・・56
3(2)・・魔女の宅急便(日本)・・・・・・・2007/11/22・・・・・・・・・・4,779・・・・・・・・55,230・・・・・・・・・・402 ・・・・・・・・・・40
4(5)・・ブック・クラブ ・・・・・・・・・・・・・・・・6/20 ・・・・・・・・・・2,554・・・・・・・・20,945・・・・・・・・・・158 ・・・・・・・・・・24
5(4)・・ビリーブ 未来への大逆転 ・・・・・6/13 ・・・・・・・・・・2,732・・・・・・・・44,596・・・・・・・・・・352・・・・・・・・・・・27

 2位「未成年[ザ・チルドレン・アクト]」(仮)が新登場です。イアン・マキューアンの小説「未成年」(新潮社)を原作としたイギリスのドラマ。尊敬されているロンドン高等法院の裁判官フィオナ(エマ・トンプソン)は結婚生活の危機を迎えた中で、信仰から輸血治療を拒んでいる白血病の少年アダム(フィン・ホワイトヘッド)の生死がかかった裁判を引き受けることになります。2日以内に治療を強行しなければ命が危うい状況でアダムの気持ちを確認したかったフィオナは病院を直接訪ねます。その日の出会いは、2人の人生に思いもよらなかった波長を引き起こすのですが・・・。タイトルの意味は<1989年児童法>というイギリスで制定された法律のこと。それによると治療の拒否権を持つのは18歳からということなのですが、アダムはその3ヵ月前という設定になっているのがビミョーなところ・・・。韓国題は「칠드런 액트」。日本公開は未定のようです。