ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [10月2日(金)~10月4日(日)]と人気順位 ►今年の秋夕連休の勝者は「担保」 ►注目のブータン映画「ブータン 山の教室」、日本では半年後に公開

2020-10-07 13:05:49 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶韓国では9月30日(水)~10月4日(日)の5連休に合わせて新作が一挙に公開。観客の入りも悪くはなかったようです。(決してよかったとは言えませんが。) その中で圧倒的に観客動員数1位の座を勝ち取ったのは「担保」。アクションよりも人情ドラマでしたね、今回は。内容詳細は後述しますが、子役の女の子パク・ソイの演技が注目されているようです。

▶今回初登場の作品中で個人的注目作は「ブータン 山の教室」。これはめずらしい、ブータンの映画です。内容は後述。これはぜひ観たい!と思ったら来年4月岩波ホーメで公開とのこと。しかしなんで韓国より半年も遅くなるんだろ? まあ毎度のことになりますが・・・。それに日本公開作品の事前情報を仕入れるのもこの記事を続けている大きな理由でもありますが・・・。

▶この1週間で観た映画の短評。「肉体の門(1964年)」★★★★★(物語だけでなく宍戸錠・野川由美子・松尾嘉代等の俳優陣もパワー全開! 鈴木清順監督さすが。) 「れいこいるか」★★★☆(期待しすぎたか? 阪神淡路大震災の被災者を変化球で描くが・・・)  阪神淡路大震災関係の映画で印象に残っているのは「その街のこども」(2010)。NHKのドラマの映画化作品で、先週の記事で書いた「ワンダーウォール 劇場版」と同じ、・・・とここで気づいたのはどちらも渡辺あやさんの脚本ということ。「ジョゼと虎と魚たち」も良かったな。「天然コケッコー」は観てなくて悔やまれます。残念なのは何と言っても朝ドラ史上最高傑作とされている「カーネーション」を再放送等を含め全然見てないことなんですけどね・・・。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月6日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(3) チア・アップ!  9.60(15)
②(2) カイラスへ行く道(韓国)  9.55(137)
③(新) ブータン 山の教室  9.52(46)
④(-) フォードvsフェラーリ  9.49(8,168)
⑤(1) 転がる車輪(韓国)  9.48(23)
⑥(6) 私を救わないでください(韓国)  9.46(83)
⑦(7) 少年の君  9.40(1,326)
⑧(4) 帰郷[落葉帰根]  9.37(19)
⑨(8) BREAK THE SILENCE: THE MOVIE(韓国)  9.36(439)
⑩(5) 再び出会った日々(韓国)  9.36(129)
 ③「ブータン 山の教室」が新登場です。物語の舞台だけでなく制作国もブータンのドラマです。幸福度1位というブータンの首都ティンプーで新任教師として働くユゲンは教師としての適性がゼロなのか? 教育省はオーストラリアに行ってミュージシャンになりたいという夢を抱く彼を人口わずか56人の人里離れた秘境ルナナ村の学校に転任させます。電気もなく、すべてが不便な高度4,800mの奥地の村でユゲンは冬が来るまで生徒を指導しなければなりません。事ごとに不平不満の彼でしたが、手つかずの美しい自然の景観と純粋な村の住民のもてなし、そして学びたいという子供の情熱に直面して、徐々に変わり始めます・・・。韓国題は原題「Lunana: A Yak in the Classroom」に沿って「교실 안의 야크(教室の中のヤク)」。日本公開は来年の4月3日岩波ホール。すでに公式サイトができています。(→コチラ) また日本版ポスターもすでに完成しています。(右)

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(2) 恐怖分子  8.22(9)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(-) フォードvsフェラーリ  7.63(8)
⑤(4) その手に触れるまで  7.50(4)
⑥(-) トムボーイ  7.33(9)
⑦(6) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑧(7) ボーダー 二つの世界  7.29(7)
⑨(8) TENET テネット  7.18(11)
⑩(9) 水の中のつぼみ  7.14(7)

 今回新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月2日(金)~10月4日(日) ★★★
        秋夕連休の<かせぎ時>を制したのは「担保 -2位「国際捜査」は遠く及ばず

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・担保(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・9/29 ・・・・・・・・508,974 ・・・・・・・821,466・・・・・・7,093 ・・・・・1,342
2(28)・・国際捜査(韓国) ・・・・・・・・・・・9/29 ・・・・・・・・181,669 ・・・・・・・449,366・・・・・・3,754 ・・・・・1,041
3(新)・・グリーンランド・・・・・・・・・・・・9/29 ・・・・・・・・130,431 ・・・・・・・238,955・・・・・・2,044 ・・・・・・・779
4(1)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・・67,643 ・・・・・1,827,159・・・・・16,814 ・・・・・・・573
5(11)・・死なない人間たちの夜(韓国)・・9/29 ・・・・・・・34,789・・・・・・・・・88,021・・・・・・・・722 ・・・・・・・551
6(新)・・ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(日本・・9/29・・33,853・・・・・・・・68,175・・・・・・・・547 ・・・・・・・554
7(69)・・きみ、ありがとう・・・・・・・・・・・9/23 ・・・・・・・・・28,109・・・・・・・・・59,349・・・・・・1,837 ・・・・・・・106
       :キム・ホジュン 生涯初のファンミーティングムービー(韓国)
8(2)・・剣客(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・9/23 ・・・・・・・・・27,771 ・・・・・・・174,151・・・・・・1,494 ・・・・・・・454
9(新)・・劇場版 ミニ特攻隊・・・・・・・・・・9/30 ・・・・・・・・・23,125・・・・・・・・136,774・・・・・・・・298 ・・・・・・・413
       :ハンバーガー怪物の襲撃(韓国)
10(新)・・鋼鉄の雨2・・・・・・・・・・・・・・・・9/30・・・・・・・・・・12,037 ・・・・・・・・16,693・・・・・・・・・・80 ・・・・・・・126
      :首脳会談[拡張版](韓国)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週の記事で予想したように秋夕(チュソク)の5連休を期してこれぞという新作が一挙に登場。その結果4位と8位以外の8作品が新登場となりました。
 1位「担保」は韓国のドラマ。舞台は1993年の仁川。情け無用の貸金業者ドゥソク(ソン・ドンイル)とジョンベ(キム・ヒウォン)は借金の取り立てに行った時、9歳の女の子スンイ(パク・ソイ.成長後ハ・ジウォン)を担保として預かることになります。「タンポって何なの?」。わけもわからないまま担保になったスンイとその母親の事情によって、ドゥソクとジョンベは養子に出すことまで責任を取ることになります。しかし金持ちの家に行くと思っていたスンイがとんでもない所にいると知った2人はスンイを連れ戻して世話することになります。予告なくやって来た子に人生を担保にされたドゥソクとジョンベ。借金のせいでおじさんたちに預けられたスンイ。ドゥソクとジョンベ、そしてソンイの3人はいつしかお互いにとって特別な存在になっていきますが・・・。原題は「담보」です。あらすじだけでうるうる・・・、って借金のカタに子供を云々という設定が現代もあるのか ??
 2位「国際捜査」は韓国の犯罪・アクション・ドラマ。テチョン[大川]警察署凶悪事件担当チームのホン・ビョンス(クァク・ドウォン)は人生初の海外旅行でフィリピンに向かいます。ところが旅行の甘い夢も束の間、ビョンスは犯罪組織キラーのパトリック(キム・ヒウォン)のセットアップ犯罪(→コチラや→コチラ参照)に巻き込まれて殺人事件の容疑者となり、濡れ衣を晴らすため現地のガイドで故郷の後輩マンチョル(キム・デミョン)と共に捜査を始めます。しかし刑事の本能が煮えたぎる心とは違ってビョンスの体と英語がついてこず、フィリピンで再会したカタキのような旧友ヨンベ(キム・サンホ)が関わったせいで捜査は意図しない方向に流されていきます・・・。原題は「국제수사」です。
 3位「グリーンランド」はアメリカ・イギリス合作のディザスタームービー。強力な破壊力を持つ彗星が地球に衝突することが報じられましたが、ジョン(ジェラルド・バトラー)の一家は気にも留めずに日常を過ごしていました。ところがやがて鳥が一斉に羽ばたき、ジョンが家から飛び出すとすさまじい爆風に襲われてしまいます。全世界がパニックに陥る中、ジョンはグリーンランドに地下シェルターが存在するという噂に望みを託して妻アリソン(モリーナ・バッカリン)、息子ネイサン(ロジャー・デール・フロイド)と共に北へと旅立ちます。彗星の破片が降り注ぎ、世界の都市は崩壊して民衆は暴徒化するという最悪の状況下、ギャリティ一家は壮絶な旅を続けます・・・。韓国題は「그린랜드」です。
 5位「死なない人間たちの夜」は、韓国のコメディ&スリラー。新婚の甘い夢にふけっていたソヒ(イ・ジョンヒョン)は、1日21時間休まずに活動する、到底人間らしくない夫マンギル(キム・ソンオ)が自分を殺そうとしていることを知ります。高校で同窓のセラ(ソ・ヨンヒ)と、偶然合流したヤンソン(イ・ミド)、そしてミステリー研究所の所長ドクター・チャン(ヤン・ドングン)と力を合わせて反撃に出ます。マンギルの正体が地球を奪いに来た宇宙人アンブレイカブルだということが明らかになり、政府の要員まで加勢して対決はどんどん前代未聞の状況にまで大きくなりますが・・・。原題は「죽지않는 인간들의 밤」です。
 6位「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」は、私ヌルボ、ポケモン関係はゲーム、アニメ、漫画&絵本等を含めて全然見てないので、なんとも書きようがありません。すみませんです、はい・・・。韓国題は「극장판 포켓몬스터 뮤츠의 역습 EVOLUTION」と、原題の前に「劇場版 ポケットモンスター」が付きます。
 7位「きみ、ありがとう:キム・ホジュン 生涯初のファンミーティングムービー」は韓国のトロット(演歌)歌手キム・ホジュンの公演実況。この映画の原題は「그대, 고맙소 : 김호중 생애 첫 팬미팅 무비」なのですが、その中の「고맙소(コマプソ)」が「ありがとう」で、彼の代表曲の1つなのです。歌詞の訳は→コチラのブログ記事参照。またコチラ(→YouTube)で実際に聴くとトロットにしてはずいぶん声量があるなーと驚くのでは? 実は彼、韓国映画「パパロッティ」(2013)のモデルになった歌手なのですね。(→コチラ参照。) つまり大学で声楽を専門に学んだ経歴があるのです。そんな彼が今年8月、38歳にして初めてのファンミーティング現場での撮影で、そのための特別のステージで全10曲を披露します。
 9位「劇場版 ミニ特攻隊:ハンバーガー怪物の襲撃」は韓国のアニメ。2014年9月からEBSで放映されている韓国アニメの劇場版シリーズの新作です。動物仲間が暮らすブルーシティを守るために結成されたのがこのミニ特攻隊で、リーダーがボルトという名のリス。ピーナツが大好物です。今回の物語の発端はブルーシティ最高のグルメ店Mr.Jバーガーでボルトがハンバーガーを食べる姿を偶然撮影されたところから。SNSで大ヒットを記録したこの映像のおかげでボルトはMr.Jバーガーの広告モデルに抜擢されます。これでスーパースターになったボルトは多忙なスケジュールで友だちとケンカし、最終的にはミニ特攻隊を脱退してしまいます。そんな中、ハンバーガーだけ食べる世界を作ろうと企むブレーカーJとハンバーガーモンスター軍団が現れ、平和だったブルーシティは危険にさらされます。ボルトが抜けたミニ特攻隊はお手上げ状態になってしまいますが・・・。うーむ、この仮想世界も実際の世界をそのまま反映してますなー・・・。原題は「극장판 미니특공대: 햄버거괴물의 습격」です。
 10位「鋼鉄の雨2:首脳会談[拡張版」は、新作というにはムリがありすぎ(笑)。潜水艦の中で繰り広げられるアクションとドラマだけではなく、公開当時好評を受けた韓国大統領(チョン・ウソン)と北朝鮮の核潜水艦兵長(シン・ジョングン)の話がより強化されたとのこですが、追加されたのがわずか11分なんですけどね。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(13)・・海獣の子供(日本) ・・・・・・・・・・・・・・9/30・・・・・・・4,808・・・・・・・・・・・8,361 ・・・・・・・・・76 ・・・・・・・・72
2(新)・・ブータン 山の教室・・・・・・・・・・・・・・9/30・・・・・・・1,387・・・・・・・・・・・2,460 ・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・30
3(1)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・・1,164 ・・・・・・・・・90,881 ・・・・・・・・803 ・・・・・・・・30
4(2)・・フランシス・ハ・・・・・・・・・・・・・2014/7/17 ・・・・・・・・863 ・・・・・・・・・81,604 ・・・・・・・・636 ・・・・・・・・34
5(26)・・ザ・レスト・オブ・アス・・・・・・・・・・・9/30・・・・・・・・・743・・・・・・・・・・・1,363・・・・・・・・・・11 ・・・・・・・・35

 1・2・5位の3作品が新登場です。
 1位「海獣の子供」は私ヌルボは未見。韓国ではネチズンよりも記者・評論家の評価が高いようです。韓国題は「해수의 아이」ですが、韓国人の多くは「海水の子供」と思うのでは?
 2位「ブータン 山の教室」については上述しました。
 5位「ザ・レスト・オブ・アス」(仮)はカナダのドラマ。女性たちがメインのインディ映画です。カミィ(ヘザー・グラハム)は元夫の死後、娘のアスター(ソリー・ネリッセ)と住む家での同居を後妻のレイチェル(ジョディ・バルフォー)に提案します。レイチェルにもタルーラ(アビゲイル・プニョウスキ)という娘がいます。突然の別れに直面したこの4人の女性、一緒に暮らすことになる? 彼女たちが別れの後に知ることになったものとは・・・。韓国題は「우리가 이별 뒤에 알게 되는 것들(私たちが別れの後に知ること)」。日本公開は未定のようです。
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