先週「王の涙 -イ・サンの決断-」を観てきました。観て損をしたということでは全然ないものの、なぜか全体的にイマイチの感が残るというか・・・。原題の「逆鱗」ではなく、ドラマでおなじみのイ・サンの名を邦題に入れたのは妥当なところ。ヒョンビンの時代劇初出演作というのもそれなりに注目かもしれないし、内容的にも目立ったマイナス点があったわけでもないんですけどねー。
2014年公開の前評判から高かった時代劇4つ、つまり「逆鱗」「群盗:民乱の時代」「海賊:海へ行った山賊」「鳴梁」を観客動員数で比べると「逆鱗」384万人・「群盗:民乱の時代」477万人・「海賊:海へ行った山賊」866万人・「鳴梁」1761万人と差がつきました。符号をつけると、順に×・△・○・◎といったところでしょうか。観客動員数がそのまま作品としての「質」とか「格」を表しているわけではないのですけど、「商業映画」としては重要なモノサシであることはいうまでもないことです。
「群盗」と「海賊」を観てないのではっきりとは言えませんが、「逆鱗」はオーソドックスでよくできてはいるものの、たとえていえばそこそこ勉強はできるが光るものに欠ける生徒といった感じですかねー。この数年観た時代劇の中でも「王になった男」には全然及ばず、「観相師」のような素材のおもしろさもなかったし、スケール感はないものの楽しめた「風と共に去りぬ!?」にも負けていたかもしれません。
人気スターを起用して、大がかりなアクション等々を盛り込んで・・・だけではダメなことはわかるとして、じゃあどうすればいいのか?というのが作り手としてはむずかしく、またそこが肝心なとこなんでしょうね。いわくいいがたし。うーむ。
★★★ Daumの人気順位(2月3日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①その人、その愛、その時代(韓国) 10.0(20)
②クォ・ヴァディス(韓国) 9.5(144)
③犬どろぼう完全計画(韓国) 9.3(723)
④いのち(韓国) 9.3(106)
⑤ユー・アー・ノット・ユー 9.1(30)
⑥ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑦ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー 9.0(26)
⑧ハウルの動く城(日本) 9.0(881)
⑨アクト・オブ・キリング 9.0(48)
⑩あなた、あの川を渡らないで(韓国) 8.9(1130)
若干の順位変動はありましたが、新登場の作品はありません。
【専門家による順位】
①6才のボクが、大人になるまで。 9.5(8)
②サンドラの週末 8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア 8.3(6)
④鉄の夢(韓国) 8.0(5)
⑤アクト・オブ・キリング 7.8(6)
⑥自由が丘で(韓国) 7.7(4)
⑦インターステラー 7.6(9)
⑧アメリカン・スナイパー 7.5(2)
⑨マップ・トゥ・ザ・スターズ 7.4(5)
⑨ワイルド 7.4(5)
順位・評点とも前回と同じです。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月30日(金)~2月1日(日)] ★★★
「ベイマックス」がトップの座に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・611,389・・・・・・・・・・1,739,760・・・・・・・・13,821・・・・・・・・787
2(3)・・国際市場(韓国) ・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・420,456・・・・・・・・・12,719,606・・・・・・・・98,876 ・・・・・・・606
3(1)・・江南 1970(韓国) ・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・403,414 ・・・・・・・・・1,769,027・・・・・・・・13,341・・・・・・・・691
4(54)・・私の心臓を撃て(韓国)・・・・・1/28 ・・・・・・・・・・・168,686 ・・・・・・・・・・・273,620・・・・・・・・・2,019・・・・・・・・452
5(4)・・今日の恋愛(韓国)・・・・・・・・・・1/14 ・・・・・・・・・・・116,396・・・・・・・・・・1,801,832・・・・・・・・14,230・・・・・・・・374
6(5)・・ナイト ミュージアム ・・・・・・・・・1/14・・・・・・・・・・・・81,816 ・・・・・・・・・・1,056,542・・・・・・・・・7,841・・・・・・・・301
/エジプト王の秘密
7(20)・・ウォーター・ディヴァイナー・・1/28・・・・・・・・・・・・61,118 ・・・・・・・・・・・101,129・・・・・・・・・・・749・・・・・・・・324
8(55)・・イコライザー・・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・37,368 ・・・・・・・・・・・・62,869・・・・・・・・・・・488・・・・・・・・255
9(75)・・ビッグ・アイズ・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・36,468 ・・・・・・・・・・・・54,973・・・・・・・・・・・422・・・・・・・・289
10(6)・・許三観(ホ・サムグァン)(韓国)・・1/14・・・・・・・・・・32,365・・・・・・・・・・・939,359 ・・・・・・・・・7,289・・・・・・・・208
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
「国際市場」は先週の予測通り「王の男」、「王になった男」を抜いて韓国映画歴代5位に。今日「7番房の奇跡」(1281万人)を抜き、近々「10人の泥棒たち」(1298万人)、「グエムル –漢江の怪物-」(1301万人)も抜いて2位に上がるでしょう。ちなみに昨年の大ヒット作「鳴梁」は1761万人と図抜けています。
今回の新登場は4・7・8・9位の4作品です。
4位「私の心臓を撃て」は、女性人気作家チョン・ユジョンの同名小説の映画化。私ヌルボ、彼女の「7年の夜」(→コチラ)と「28」(→コチラ)はとてもおもしろく読み、記事にも書きましたが、この「私の心臓を撃て」は未読。しかし読んだ2作品はどちらも迫真のストーリー展開でイッキ読みしました。(といっても数ヵ月かかりましたが。) この作品の舞台はある精神病院。幼いころのトラウマのせいで過去6年間入退院を繰り返している模範的患者スミョン(ヨ・ジング)。一方、スンミン(イ・ミンギ)は家族との遺産争いの過程で無理やりに精神病院に入れられた患者。「動く時限爆弾」というあだ名を持つそのスンミンと関わるようになってスミョンの平和な病院生活は揺らいでいきます。病院での理不尽な監禁から抜け出そうと、スンミンは同じ部屋のスミョンをそそのかして脱出を図ろうとしますが・・・。君は2013年「ファイ:悪魔に育てられた少年」で青龍映画賞の新人賞を受賞したし、映画でも快調ですね。この作品では、1997年8月生まれ(17歳)の彼が1985年1月生まれ(30歳)のイ・ミンギと25歳の同い年の青年を演じるそうです。そういえば今日読んだ「韓流ぴあ」の記事によるとパク・ボヨンが彼と共演したいと言った(→関連記事)とか、少女時代のサニーがその件でヨ・ジングを追及した(?)(→関連記事)とか「太陽を抱く月」で共演したキム・ユジョンが彼にラブコールを送った(→関連記事)とか、おねーさま方にエライもてているようですね。ハハハ。あ、この作品の原題は「내 심장을 쏴라」です。しかし、ずいぶん前から映画化の話が出ている「7年の夜」はその後どうなってるんだろ? 「私の心臓を撃て」が刊行後6年目の映画完成だから、まだまだ先のことかな?
7位「ウォーター・ディヴァイナー」(仮)は豪・米・トルコ合作の戦争ドラマで、俳優ラッセル・クロウの監督デビュー作。時代背景は第1次世界大戦中のガリポリの戦い(1915~16)。ガリポリはトルコのダーダネルス海峡西側の半島です。そこで上陸作戦を展開する英・仏・豪・ニュージーランド等に対し、オスマン帝国軍が頑強に抵抗し、結局は連合国軍が撤退を余儀なくされた戦いで、双方とも多くの戦死者を出しました。(→ウィキペディア。) この物語は、オーストラリア人のコナー(ラッセル・クロウ)がその戦いに参戦して行方不明になった3人の息子を探すためトルコへ向かうというもので、実話に基づいているとのことです。そういえばラッセル・クロウはニュージーランド出身。そして今年はガリポリの戦いから100年目ということで、彼は「この節目にトルコ側から見たガリポリの戦いを描いてもいいのではないか」と考えたそうです。で、トルコも制作に関わっているのですね。※「オーストラリアとニュージーランドは1901年と1907年にそれぞれ英国の植民支配から解放されたが、英国連合軍として第1次世界大戦に動員された」とのことです。タイトルの「ウォーター・ディヴァイナー」は「水の占い師」の意? 韓国題も「워터 디바이너」です。日本公開は未定のようです。
8位「イコライザー」は、日本では2014年10月公開済みです。韓国題は「더 이퀄라이저」。「ド・イクォルライジョ」ね。
9位「ビッグ・アイズ」も、日本では1月23日に公開されています。韓国題は「빅 아이즈」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・13,196 ・・・・・・・・・・・・109,534・・・・・・・・・・・・889 ・・・・・・・・・46
三ツ星フードトラック始めました
2(2)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27・・・・・・・・・・・・5,392・・・・・・・・・・・4,787,405・・・・・・・・・・37,274・・・・・・・・・70
3(新)・・ビヨンド・ザ・ライツ・・・・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・5,338・・・・・・・・・・・・・・10,517・・・・・・・・・・・・・78 ・・・・・・・・129
4(3)・・サンドラの週末・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・・・1,018・・・・・・・・・・・・・・38,250・・・・・・・・・・・・311 ・・・・・・・・・15
5(新)・・学生王子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・775・・・・・・・・・・・・・・・7,602・・・・・・・・・・・・・15・・・・・・・・・・・1
3位と5位の2作品が新登場です。
3位「ビヨンド・ザ・ライツ」(仮)は、トップスターに上り詰めた女性シンガーのノニ(ググ・ンバータ=ロー)が、プレッシャーと戦う中で出会った恋人との時間を通して自らを取り戻していくというアメリカ映画。ノニは10歳の頃母親(ミニー・ドライバー)に連れられてタレントショーに出演し、ニーナ・シモンの「ブラックバード」を歌って2位のトロフィーをもらい、自分でも満足だったが、母は1番目を取れなかったことでこっぴどく怒られたこともあった。成長した彼女はビルボードアワードいう大舞台で賞を受賞した。キッド・カルプリット(マシンガン・ケリー)の曲に客演したことが評価されたのだ。キッド・カルプリットとのゴシップもあり、レコードデビュー前から人気の彼女だったが、その夜、彼女はホテルのベランダから落ちそうになる。彼女を救ったのはたまたまその日の警備を担当していたLA市警のカズ(ネイト・パーカー)で、メディアには単に酔って落ちそうになったと説明してくれ、以後2人は恋に落ちていくのだったが・・・。韓国題は「블랙버드(ブラックバード)」。日本公開は未定です。
5位「学生王子」は往年の名作ュージカルの再上映。1954年のアメリカ作品で、あの「アルト・ハイデルベルク」2度目の映画化。作曲は「朝日のごとくさわやかに」「恋人よ我に帰れ」等で有名なシグマンド・ロンバーグ。韓国題は「황태자의 첫사랑(皇太子の初恋)」なんですね。
2014年公開の前評判から高かった時代劇4つ、つまり「逆鱗」「群盗:民乱の時代」「海賊:海へ行った山賊」「鳴梁」を観客動員数で比べると「逆鱗」384万人・「群盗:民乱の時代」477万人・「海賊:海へ行った山賊」866万人・「鳴梁」1761万人と差がつきました。符号をつけると、順に×・△・○・◎といったところでしょうか。観客動員数がそのまま作品としての「質」とか「格」を表しているわけではないのですけど、「商業映画」としては重要なモノサシであることはいうまでもないことです。
「群盗」と「海賊」を観てないのではっきりとは言えませんが、「逆鱗」はオーソドックスでよくできてはいるものの、たとえていえばそこそこ勉強はできるが光るものに欠ける生徒といった感じですかねー。この数年観た時代劇の中でも「王になった男」には全然及ばず、「観相師」のような素材のおもしろさもなかったし、スケール感はないものの楽しめた「風と共に去りぬ!?」にも負けていたかもしれません。
人気スターを起用して、大がかりなアクション等々を盛り込んで・・・だけではダメなことはわかるとして、じゃあどうすればいいのか?というのが作り手としてはむずかしく、またそこが肝心なとこなんでしょうね。いわくいいがたし。うーむ。
「朝鮮日報」1月30日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。) | |
「ビッグ・アイズ」 ティムだから全て良し ★★★ 「劇場版 進撃の巨人 前編~紅蓮の弓矢~」 原作のファンは満足ね ★★ 「私の心臓を撃て」 何か少しずつ足りない ★★ 「ビヨンド・ザ・ライツ」 「ボディガード」そっくり ★★☆ | 「ウォーター・ディヴァイナー」 親父の話がはやりかも ★★☆ 「イコライザー」 創意性なき殺人の行進 ★★ 「西遊記~はじまりのはじまり~」 周星馳西遊記、自己複製 ★★ 「AFFLICTED アフリクテッド」 ゲームと映画、異種交配 ★★☆ |
※「劇場版 進撃の巨人 前編~紅蓮の弓矢~」については説明省略。「AFFLICTED アフリクテッド」はカナダ・アメリカ合作のホラー。旅先で出会った女性と一夜を共にした男が身体を蝕まれていく一方で得た超人的な能力とは? 今ヒューマントラストシネマの【未体験ゾーンの映画たち2015】で上映中。(2月6日まで。) 他の6作品は以下の記事中で紹介しています。 |
★★★ Daumの人気順位(2月3日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①その人、その愛、その時代(韓国) 10.0(20)
②クォ・ヴァディス(韓国) 9.5(144)
③犬どろぼう完全計画(韓国) 9.3(723)
④いのち(韓国) 9.3(106)
⑤ユー・アー・ノット・ユー 9.1(30)
⑥ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑦ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー 9.0(26)
⑧ハウルの動く城(日本) 9.0(881)
⑨アクト・オブ・キリング 9.0(48)
⑩あなた、あの川を渡らないで(韓国) 8.9(1130)
若干の順位変動はありましたが、新登場の作品はありません。
【専門家による順位】
①6才のボクが、大人になるまで。 9.5(8)
②サンドラの週末 8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア 8.3(6)
④鉄の夢(韓国) 8.0(5)
⑤アクト・オブ・キリング 7.8(6)
⑥自由が丘で(韓国) 7.7(4)
⑦インターステラー 7.6(9)
⑧アメリカン・スナイパー 7.5(2)
⑨マップ・トゥ・ザ・スターズ 7.4(5)
⑨ワイルド 7.4(5)
順位・評点とも前回と同じです。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月30日(金)~2月1日(日)] ★★★
「ベイマックス」がトップの座に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・611,389・・・・・・・・・・1,739,760・・・・・・・・13,821・・・・・・・・787
2(3)・・国際市場(韓国) ・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・420,456・・・・・・・・・12,719,606・・・・・・・・98,876 ・・・・・・・606
3(1)・・江南 1970(韓国) ・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・403,414 ・・・・・・・・・1,769,027・・・・・・・・13,341・・・・・・・・691
4(54)・・私の心臓を撃て(韓国)・・・・・1/28 ・・・・・・・・・・・168,686 ・・・・・・・・・・・273,620・・・・・・・・・2,019・・・・・・・・452
5(4)・・今日の恋愛(韓国)・・・・・・・・・・1/14 ・・・・・・・・・・・116,396・・・・・・・・・・1,801,832・・・・・・・・14,230・・・・・・・・374
6(5)・・ナイト ミュージアム ・・・・・・・・・1/14・・・・・・・・・・・・81,816 ・・・・・・・・・・1,056,542・・・・・・・・・7,841・・・・・・・・301
/エジプト王の秘密
7(20)・・ウォーター・ディヴァイナー・・1/28・・・・・・・・・・・・61,118 ・・・・・・・・・・・101,129・・・・・・・・・・・749・・・・・・・・324
8(55)・・イコライザー・・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・37,368 ・・・・・・・・・・・・62,869・・・・・・・・・・・488・・・・・・・・255
9(75)・・ビッグ・アイズ・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・36,468 ・・・・・・・・・・・・54,973・・・・・・・・・・・422・・・・・・・・289
10(6)・・許三観(ホ・サムグァン)(韓国)・・1/14・・・・・・・・・・32,365・・・・・・・・・・・939,359 ・・・・・・・・・7,289・・・・・・・・208
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
「国際市場」は先週の予測通り「王の男」、「王になった男」を抜いて韓国映画歴代5位に。今日「7番房の奇跡」(1281万人)を抜き、近々「10人の泥棒たち」(1298万人)、「グエムル –漢江の怪物-」(1301万人)も抜いて2位に上がるでしょう。ちなみに昨年の大ヒット作「鳴梁」は1761万人と図抜けています。
今回の新登場は4・7・8・9位の4作品です。
4位「私の心臓を撃て」は、女性人気作家チョン・ユジョンの同名小説の映画化。私ヌルボ、彼女の「7年の夜」(→コチラ)と「28」(→コチラ)はとてもおもしろく読み、記事にも書きましたが、この「私の心臓を撃て」は未読。しかし読んだ2作品はどちらも迫真のストーリー展開でイッキ読みしました。(といっても数ヵ月かかりましたが。) この作品の舞台はある精神病院。幼いころのトラウマのせいで過去6年間入退院を繰り返している模範的患者スミョン(ヨ・ジング)。一方、スンミン(イ・ミンギ)は家族との遺産争いの過程で無理やりに精神病院に入れられた患者。「動く時限爆弾」というあだ名を持つそのスンミンと関わるようになってスミョンの平和な病院生活は揺らいでいきます。病院での理不尽な監禁から抜け出そうと、スンミンは同じ部屋のスミョンをそそのかして脱出を図ろうとしますが・・・。君は2013年「ファイ:悪魔に育てられた少年」で青龍映画賞の新人賞を受賞したし、映画でも快調ですね。この作品では、1997年8月生まれ(17歳)の彼が1985年1月生まれ(30歳)のイ・ミンギと25歳の同い年の青年を演じるそうです。そういえば今日読んだ「韓流ぴあ」の記事によるとパク・ボヨンが彼と共演したいと言った(→関連記事)とか、少女時代のサニーがその件でヨ・ジングを追及した(?)(→関連記事)とか「太陽を抱く月」で共演したキム・ユジョンが彼にラブコールを送った(→関連記事)とか、おねーさま方にエライもてているようですね。ハハハ。あ、この作品の原題は「내 심장을 쏴라」です。しかし、ずいぶん前から映画化の話が出ている「7年の夜」はその後どうなってるんだろ? 「私の心臓を撃て」が刊行後6年目の映画完成だから、まだまだ先のことかな?
7位「ウォーター・ディヴァイナー」(仮)は豪・米・トルコ合作の戦争ドラマで、俳優ラッセル・クロウの監督デビュー作。時代背景は第1次世界大戦中のガリポリの戦い(1915~16)。ガリポリはトルコのダーダネルス海峡西側の半島です。そこで上陸作戦を展開する英・仏・豪・ニュージーランド等に対し、オスマン帝国軍が頑強に抵抗し、結局は連合国軍が撤退を余儀なくされた戦いで、双方とも多くの戦死者を出しました。(→ウィキペディア。) この物語は、オーストラリア人のコナー(ラッセル・クロウ)がその戦いに参戦して行方不明になった3人の息子を探すためトルコへ向かうというもので、実話に基づいているとのことです。そういえばラッセル・クロウはニュージーランド出身。そして今年はガリポリの戦いから100年目ということで、彼は「この節目にトルコ側から見たガリポリの戦いを描いてもいいのではないか」と考えたそうです。で、トルコも制作に関わっているのですね。※「オーストラリアとニュージーランドは1901年と1907年にそれぞれ英国の植民支配から解放されたが、英国連合軍として第1次世界大戦に動員された」とのことです。タイトルの「ウォーター・ディヴァイナー」は「水の占い師」の意? 韓国題も「워터 디바이너」です。日本公開は未定のようです。
8位「イコライザー」は、日本では2014年10月公開済みです。韓国題は「더 이퀄라이저」。「ド・イクォルライジョ」ね。
9位「ビッグ・アイズ」も、日本では1月23日に公開されています。韓国題は「빅 아이즈」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・13,196 ・・・・・・・・・・・・109,534・・・・・・・・・・・・889 ・・・・・・・・・46
三ツ星フードトラック始めました
2(2)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27・・・・・・・・・・・・5,392・・・・・・・・・・・4,787,405・・・・・・・・・・37,274・・・・・・・・・70
3(新)・・ビヨンド・ザ・ライツ・・・・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・5,338・・・・・・・・・・・・・・10,517・・・・・・・・・・・・・78 ・・・・・・・・129
4(3)・・サンドラの週末・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・・・1,018・・・・・・・・・・・・・・38,250・・・・・・・・・・・・311 ・・・・・・・・・15
5(新)・・学生王子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・775・・・・・・・・・・・・・・・7,602・・・・・・・・・・・・・15・・・・・・・・・・・1
3位と5位の2作品が新登場です。
3位「ビヨンド・ザ・ライツ」(仮)は、トップスターに上り詰めた女性シンガーのノニ(ググ・ンバータ=ロー)が、プレッシャーと戦う中で出会った恋人との時間を通して自らを取り戻していくというアメリカ映画。ノニは10歳の頃母親(ミニー・ドライバー)に連れられてタレントショーに出演し、ニーナ・シモンの「ブラックバード」を歌って2位のトロフィーをもらい、自分でも満足だったが、母は1番目を取れなかったことでこっぴどく怒られたこともあった。成長した彼女はビルボードアワードいう大舞台で賞を受賞した。キッド・カルプリット(マシンガン・ケリー)の曲に客演したことが評価されたのだ。キッド・カルプリットとのゴシップもあり、レコードデビュー前から人気の彼女だったが、その夜、彼女はホテルのベランダから落ちそうになる。彼女を救ったのはたまたまその日の警備を担当していたLA市警のカズ(ネイト・パーカー)で、メディアには単に酔って落ちそうになったと説明してくれ、以後2人は恋に落ちていくのだったが・・・。韓国題は「블랙버드(ブラックバード)」。日本公開は未定です。
5位「学生王子」は往年の名作ュージカルの再上映。1954年のアメリカ作品で、あの「アルト・ハイデルベルク」2度目の映画化。作曲は「朝日のごとくさわやかに」「恋人よ我に帰れ」等で有名なシグマンド・ロンバーグ。韓国題は「황태자의 첫사랑(皇太子の初恋)」なんですね。
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