前々回の記事<ハンセン病の元患者、歌人・金夏日さんと、舌読と、ハングル点字のこと>で、金夏日さんが視力を失った後、ハングルを学び、さらにハングル点字を習得したことを書きました。
しかし、実は私ヌルボ、これまでハングル点字がどのようなものか、知識は全然ありませんでした。
そこで手っ取り早く、ウィキペディアの「ハングル点字」の項目を見てみると、次のような表が載っています。
説明にあるように「多くの言語の点字とは異なり、一つの点字に一つの文字を対応させる方式は使用しない。その代わり、ハングルの初声、中声、終声にそれぞれ一つの点字を対応させる方式を採っている」というわけです。
つまり、たとえば한국(韓国)の場合、「한」と「국」の2字ではなく、ㅎ・ㅏ・ㄴ・ㄱ・ㅜ・ㄱと6つに分けて打ち込むということです。
また、「한」の場合のㄴは終声ですが、하나の나のように初声になる場合も当然あるので、ㅎ・ㅏの次のㄴがそのどちらかも区別をつけておく必要がある、ということですね。
文字の特性上やむをえないことでしょうが、日本語点字に比べると分量が多くならざるをえず、読む視覚障碍者も、点字翻訳者も大変だなあ、と思いました。
一般の文字表記では、日韓の書き言葉の長さにはほぼ同じくらいといっていいと思います。
※たとえば、google翻訳で何か日本語の文を入力して、自動翻訳された韓国語と字数を比べてみればわかります。
それが点字だとどれくらい違ってくるか、例をあげてみます。
とくに理由はありませんが、次のような文で比較してみました。( )は字数です。
卵をゆでる (5)
계란을 삶는다(6)
これを点字にすると・・・。
たまこ ゛をゆて ゛る (9) ※濁点は1文字分。
ㄱㅖㄹㅏㄴㅇㅡㄹ ㅅㅏㄹㅁㄴㅡㄴㄷㅏ(17)
このように、ハングルだとずっと長くなってしまいます。(삶다なんてメンドーな動詞にしたこともありますが・・・。)
ちなみにローマ字だと・・・。
tamagoo yuderu (13)
・・・ということもあって、でしょう。ハングル点字では、よく使う接続詞等は略字の点字があるんですね。下の表は韓国ウィキの「한글 점자(ハングル點字)」にありました。
では、ハングル点字の歴史はいつからなんだろう、というのが次の疑問。ウィキ日本版には記述はありませんが、同じく韓国ウィキに載っていました。それによると、現在のハングル点字は、パク・ドゥソン(朴斗星.박두성.1888~1963)という教育者が1926年に発表した「訓盲正音(훈맹정음)」に基づくもので、それが戦後数度の改正を重ねて、1994年に現在の標準のハングル点字統一案がハングル点字研究委員会により発表されたということです。
※「訓盲正音」は、もちろん「訓民正音」から。
※パク・ドゥソンは仁川出身で、現在仁川に記念館があります。(→コチラ。)
日本の点字は「1890年石川倉次の考案した日本語の6点式点字が、東京盲唖学校で採用される」、「1901年日本式点字が官報に公表される」ということですから、ここでもはからずも私ヌルボの持論(?)の「日韓を分ける24年差の歴史」があてはまるようです。
→ <ハンセン病の元患者、歌人・金夏日さんと、舌読と、ハングル点字のこと>
→ <2005年毎日新聞・萩尾信也記者が連載記事「人の証し」で金夏日さんの軌跡を記す>
→ <韓国の「ピョンシンチュム(病身舞)」のこと等>
→ <韓国のタルチュム(仮面舞)とハンセン病者のこと>
→ <ハンセン病と韓国文学①>
→ <ハンセン病と韓国文学② 高銀・韓何雲・徐廷柱・・・、韓国の著名詩人とハンセン病のこと>
しかし、実は私ヌルボ、これまでハングル点字がどのようなものか、知識は全然ありませんでした。
そこで手っ取り早く、ウィキペディアの「ハングル点字」の項目を見てみると、次のような表が載っています。
説明にあるように「多くの言語の点字とは異なり、一つの点字に一つの文字を対応させる方式は使用しない。その代わり、ハングルの初声、中声、終声にそれぞれ一つの点字を対応させる方式を採っている」というわけです。
つまり、たとえば한국(韓国)の場合、「한」と「국」の2字ではなく、ㅎ・ㅏ・ㄴ・ㄱ・ㅜ・ㄱと6つに分けて打ち込むということです。
また、「한」の場合のㄴは終声ですが、하나の나のように初声になる場合も当然あるので、ㅎ・ㅏの次のㄴがそのどちらかも区別をつけておく必要がある、ということですね。
文字の特性上やむをえないことでしょうが、日本語点字に比べると分量が多くならざるをえず、読む視覚障碍者も、点字翻訳者も大変だなあ、と思いました。
一般の文字表記では、日韓の書き言葉の長さにはほぼ同じくらいといっていいと思います。
※たとえば、google翻訳で何か日本語の文を入力して、自動翻訳された韓国語と字数を比べてみればわかります。
それが点字だとどれくらい違ってくるか、例をあげてみます。
とくに理由はありませんが、次のような文で比較してみました。( )は字数です。
卵をゆでる (5)
계란을 삶는다(6)
これを点字にすると・・・。
たまこ ゛をゆて ゛る (9) ※濁点は1文字分。
ㄱㅖㄹㅏㄴㅇㅡㄹ ㅅㅏㄹㅁㄴㅡㄴㄷㅏ(17)
このように、ハングルだとずっと長くなってしまいます。(삶다なんてメンドーな動詞にしたこともありますが・・・。)
ちなみにローマ字だと・・・。
tamagoo yuderu (13)
・・・ということもあって、でしょう。ハングル点字では、よく使う接続詞等は略字の点字があるんですね。下の表は韓国ウィキの「한글 점자(ハングル點字)」にありました。
では、ハングル点字の歴史はいつからなんだろう、というのが次の疑問。ウィキ日本版には記述はありませんが、同じく韓国ウィキに載っていました。それによると、現在のハングル点字は、パク・ドゥソン(朴斗星.박두성.1888~1963)という教育者が1926年に発表した「訓盲正音(훈맹정음)」に基づくもので、それが戦後数度の改正を重ねて、1994年に現在の標準のハングル点字統一案がハングル点字研究委員会により発表されたということです。
※「訓盲正音」は、もちろん「訓民正音」から。
※パク・ドゥソンは仁川出身で、現在仁川に記念館があります。(→コチラ。)
日本の点字は「1890年石川倉次の考案した日本語の6点式点字が、東京盲唖学校で採用される」、「1901年日本式点字が官報に公表される」ということですから、ここでもはからずも私ヌルボの持論(?)の「日韓を分ける24年差の歴史」があてはまるようです。
→ <ハンセン病の元患者、歌人・金夏日さんと、舌読と、ハングル点字のこと>
→ <2005年毎日新聞・萩尾信也記者が連載記事「人の証し」で金夏日さんの軌跡を記す>
→ <韓国の「ピョンシンチュム(病身舞)」のこと等>
→ <韓国のタルチュム(仮面舞)とハンセン病者のこと>
→ <ハンセン病と韓国文学①>
→ <ハンセン病と韓国文学② 高銀・韓何雲・徐廷柱・・・、韓国の著名詩人とハンセン病のこと>
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