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「朝鮮日報」の記事にビックリ! 秘密のはずの高校別成績を公開

2009-10-16 22:45:07 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 いやー、驚いた! 驚きましたよ~。
 何がって、12日の「朝鮮日報」のトップ記事。今日図書館で見たんですがね・・・。

 見出しはこうです。

 「修能 国英数」 大元外高1位、民史高2位
  2002余高校の昨年の成績入手・・・ 数理領域100点以上の差、学力格差深刻」

 <修能>とは<大学修学能力試験>のことで、日本のセンター試験に相当します。
 つまり、「朝鮮日報」では全国の高校別の成績を入手して、国・英(外国語)・数3科目の平均点合計点上位30校と、各教科別の平均点上位100校の実名を表にして紙面に載せたのです。

 日本に置き換えて説明すると、センター試験の平均点の高い高校を順位づけして実名で載せた、というようなものです。
 韓国の各高校の生徒や教員、中高生の親等で、月曜の朝この記事を見てびっくりした人はたくさんいたのではないでしょうか?

 この試験は1994年に始まりましたが、高校別の成績が外部に公開されたのは初めてです。
 記事によると、政府が公式に発表した資料ではなく、国会の教育科学委員会で教育科学技術部(日本の文科省に相当)が所属議員に内部資料として提出したもので、それをハンナラ党のチョ・ジョンヒョク議員が<学校間・地域間・所得階層間の格差が予想を越えて深刻>と分析し、あえて「朝鮮日報」を通じて公開したとのことです。
 さらに「朝鮮日報」は、12日に続き13・14日にも関係資料と分析記事を連続して掲載しました。

 この記事の前提として、現在の韓国の高校制度をめぐる論議があります。
 とくに<高校平準化制度>。これは苛酷な受験競争の弊害を是正する目的で1970年代から進められているもので、日本でも1970年頃から各県で進められていった<学校群制度>、<総合選抜制度>のようなものです。
 この<高校平準化制度>はまずソウルをはじめとする大都市では実施されたのですが、地方では住民の反対等もあって未実施の所も多いようです。
 今回の資料によると、「<平準化>といいながらも非常に大きな格差があることがわかった」ということですが、それなら特に上位校を実名で載せる必然性はないし、私ヌルボとしては、やっぱり<別の意図>があると勘繰らざるをえません。「特ダネで新聞を売ろう」だけじゃなくて・・・。

 日本での学力テスト結果の公開の是非をめぐる議論と同じ図式で、韓国でも概して保守系のメディアは<名門校の維持>や<成績公表に賛成>の立場で、進歩系のメディアは<学校間格差の解消>と<成績公表に反対>の立場をとっています。

 今回の「朝鮮日報」の抜き打ち的・抜け駆け的公表に対して、案の定、反政府的な「京郷新聞」等は、即座に「高校の入口からすでに差がある」「学力格差の要因は多様」等々の批判記事を掲載しました。
 またネット上でも「「朝鮮日報」は正気か!?」とか、「「朝鮮日報」は<パンドラの匣>をあけてしまった」等、激しい憤りの意見も見られます。
 一方、「この記事の何が悪いの?」という反応もあって、論争となっているサイトもあります。

 当然反対の側の教員の組合に対し、「朝鮮日報」連載の「朝鮮漫評」では下のように冷笑的に非難しています。

     
(全教組)「学校に序列をつけるな~」 (親たち)「ダメだったら、もっとちゃんと教えようと考えないで・・・・」

 ある筋では、この<情報流出>はチョ議員と「朝鮮日報」だけの話でなく、背後に政府・教育科学部の意図がある、と推察しています。

 さまざまな問題を抱える韓国の教育の状況と、それに対する考え方の違いを象徴する問題といえるかもしれません。

 次回は、肝心のこの資料の内容(高校制度と大学進学の状況について見てみます。

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