ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (5)

2015-07-16 23:51:50 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
 <定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (4)>の続きです。

 [ヌルボより] 前回の記事の末尾で、トウミが案内してくれたという美術館は云々・・・といったことを書きました。しかし、S氏とトウミの人がその美術館に行った日は今回の最初の4月18日です。前回字数が長くなりすぎたので最後に18日の分を削ったのですが、そのことを失念し、そのまま載せてしまったことに今気づきました。その末尾の部分は削除して、以下に同内容の文章を載せておきます。
 すなわち、下記の最初の4月18日に行ったという美術館は、私ヌルボも昨年夏美術オタクのI氏というガイド役付きでソウルの美術館めぐりをした時に行ってきたサムスン美術館Leeumです。関係記事は→コチラです。ここは韓国文化に関心があるという方にはぜひお薦め! 昔から今までの絵画・工芸品等の名作がたくさん展示されています。美術館関係では、ここと国立現代美術館果川館、そして国立中央博物館はゼッタイですね。あと澗松(カンソン)美術館が開いていればこれも必ず。
 このトウミ氏、本当に面倒見のいい、また韓国風にいえば「概念のある」トウミですね。

◎4月18日(土)
 トウミと9時30分に駅で待ち合わせ、梨泰院の近くにある美術館に行く。天気はよく暑いくらい。この美術館(サムスン美術館リウム)はサムスン財閥が経営しているらしい。青磁、白磁をはじめとする焼き物のほか、書画や仏像、現代絵画が展示してある。中には国宝も展示してあり、なかなか見ごたえがある。10時半から1時半過ぎまでたっぷり見学をする。けっこう疲れる。
 梨泰院で食事と散策をして、4時ごろ別れた。次回は会って何をしたいのかと気を遣ってくれる。発音のできない単語があるとボイスメモを入れてくれる。 結局次回は中間試験のアドバイスをしてくれることになった。彼の話していることの半分は聞き取れない。歩き疲れたので帰ってからちょっと昼寝をした。

◎4月19日(日)
 今日は朝から雨。疲れたせいか9時ごろまで寝てしまう。掃除と洗濯をする。出かける気にはならない。勉強しかない。
 昨日ダイソーで包丁を買ってみた。安いエノキを買っておいたので、昼には刻んでラーメンを作った。
 午後は部屋でタンソの練習。カラオケにも行くことにした。こちらのカラオケは少々高いが、空いている時間に行くと時間延長のサービスがある。残り時間は画面に表示される。最初1時間で申し込んだが、30分ずつ2回延長があり、結局2時間練習できた。
 昨日トウミから軍人専用の乾パンを2種類もらった。普通では手に入らないものだという。賞味期限は昨年12月に切れていたが食べてみた。寝酒のつまみになった。

◎4月20日(月)
 朝は昨日からの続きの雨で肌寒い。学校へ行く時寮のエレベーターで同じクラスのスウェーデン人と会う。傘を持っていないようだ。相合傘で学校まで一緒に行く。あまり話さないタイプだが、なんとか話しながら学校へ着く。雨の中に映える新緑がみずみずしい。桜から主役が交代したようだ。ツツジも咲き出し彩を添えている。
 今日は会話の授業だが、上手く言葉が出てこない。簡単な会話だが意外と言葉が詰まる。情けない。
 今日はチョモ(점호.点呼)という部屋の点検があった。すぐに終わったが一応「きれいにしてますね」とほめられた。
 晩はカンさんと西江大の人と夕食。チョンガク(鐘閣)のがってん寿司にする。西江大の人は聞き取りがうまい。カンさんとフェギ(回基)で飲みなおし。帰ったのは結局1時を過ぎていた。

◎4月.21日(火)
 今日の授業は残念ながら先生の言っていることがイマイチ理解できなかった。しかしながら文法に関しては予備知識があるため何とかなっているが、クラスメートは本当に大丈夫なのかと思う。でも皆,意外と理解しているようだ。感心する。
 午後はタンソの授業がある。今日はヌルボさんと4時に鐘閣で待ちあわせたが、この授業のことをすっかり忘れてしまっていた。授業が終わってからの連絡では間に合わない。二日酔いの中7時に目が覚めたので、待ち合わせ時間の変更をメールする。何とか連絡はついたようだ。
 タンソの授業では簡単な曲を練習しているが、先生から上手いとほめられる。ヒョッチギ(혀치기.タンギング)というテクニックがあり、これは曲の節目に舌を上の歯に当てて演奏するというものだが、なかなか難しいらしい。これが自然にできているし、音色もすばらしいとほめちぎられた。まあ、始めたばかりなので、たまたま上手くいったと思うが、そこまで言われるとその気になってしまう。悪いくせだ。できれば韓国語でほめられたい。
 5時半にヌルボさんと会うことができた。今日は来てから一番暑い。ヌルボさんが暖かさを連れてきたようだ。今日の1日の行動を聞くと、江南にある国立中央図書館に行ってきたらしい。さすがにやることが違う。お土産をいただいてしまう。その後「眼鏡を作りたい」とのことでカンさんの店を紹介した。
 眼鏡を作り終えたのは8時過ぎ。3人でサムギョプサルを食べに行ったが、ここで話が盛り上がる。カンさんの奥さんは韓国の南にある青山島(チョンサンド)が実家なのだが、ここは辺境の地にあるため韓国人でも行く人は滅多にいないらしい。映画やドラマの撮影地としては有名だが、カンさんは「日本人が行くことはない」と思っていたらしい。そこへヌルボさんが2年前に行ったといったら驚くことしきり。ヌルボさんが韓国の薀蓄や、韓国内をあちこち回っていると話すとさらに驚く。今日は軽く焼酎1本だけにしましょう、という話が、終わってみると3本空いていた。それに加えヌルボさんからいただいたお土産も忘れてきてしまった。結局帰宅は11時55分。

◎4月22日(水)
 今日の文法の授業は少しこんがらがって来た。後半は書き取りの授業。苦手な授業で文法を駆使しなければならないが、スペルのミスがなくなってくれば何とかなるかと思う。
 3時にヌルボさんと回基駅で待ち合わせた後喫茶店へ。その後慶熙大を案内する。立派な建物があり景色もきれいなので感心してくれる。構内を散策した後ヌルボさんの友人の女性と会うため景福宮駅へ向かう。
 私は昨日の忘れ物をとりに昨日の店へと向かった。教保文庫という大きな本屋さんで待ち合わせることにした。博識だけあって本当に本が好きだ。待ち合わせの本屋で私の友人の作家の著書が韓国語に翻訳されて出版されたと聞いていたので、ヌルボさんに店内の端末で検索してもらったら陳列されていることが判明。その本の写真を撮って帰宅後メールで送ると、えらく喜んだ内容の返事がすぐ届いた。
 ヌルボさんの友人の女性とは待ち合わせの駅のそばでばったり出会う。近所のシクタン(食堂)で食事をする。韓国ではポピュラーな食べ物だが味は良い。焼き魚の塩加減がなんとも程よい。40歳前後の既婚の方で、なかなかの知性と教養をにじませる方だった。出版に関する仕事をされているようで、これもヌルボさんとのご縁なんだろう。食事代を払おうとしたが固辞される。食事後お茶を飲みに行ったが、ここの支払いも持ってくれた。しかも韓国語の本を下さった上、私まで韓国のお菓子をいただいた。なんともすまない気持ちになる。こちらの方は一途なところが日本より強い。おかげで食料は豊富。しばらく飢え死にせずにすみそうだ。
 チョナ(電話)カードを買ったが使えなかったとN先生(鎌倉のハングルサークルの先生)に報告したら「Tマネーカードが良い」との連絡を受ける。自分はそのカードは持っていないと思っていたが、ヌルボさんにカードを見せたら「それがTマネーカードですよ」と教えてくれた。自分はただの交通カードとばかり思っていた。ずいぶん時間を損したと思った。地下鉄を乗り継いで11時帰宅。

◎4月23日(木)
 今日はいい天気。ヌルボさんが来てから良い天気が続きとても暖かい。晴れ男だった。
 このところ授業は中だるみの感がある。しかし今日は休みが多く、5人くらい休んでいる。聞くところではINFINITE(インフィニティ)とかいうグループのコンサートがあるらしく、それに出かけてしまったらしい。文法はややこんがらがっているところがあるが、聞き取りは問題ない。
 夕方はヌルボさんが持って来てくれた崎陽軒のシウマイを、買ってきたキンパプ(のり巻き)とともにパクつく。試験が近いので試験勉強をしようと思うが眠気が襲う。やはり疲れが溜まってきたのだろう。結局宿題を少々やって一日は終わり。

 [ヌルボより]  他の人の文章で自分が登場する場面を読むのはなんだかこそばゆい感じです。眼鏡屋のカンさんと飲んだ時のことは→コチラ、慶熙大学校のキャンパス内ハイキングについては→コチラの過去記事で書きました。
 カンさんの奥さんが青山島出身の方だったとはオドロキでした。カンさんがその場でスマホで奥さんに電話し、私ヌルボと直接話をすることとあいなりました。(笑) なお青山島は映画「風の丘を越えて~西便制」の韓国映画史上レベルのといっていいほどの名場面の撮影地でした。またドラマ「春のワルツ」のロケ地としても知られています。
 4月20日にS氏がそのカンさんと入ったという鐘閣のがってん寿司は、私ヌルボ、昨年12月にたまたま写真(下の画像)だけ撮ってきました。青春の通り(젊음의 거리.若さの街)にあります。ヌルボが入ったかつ屋等、日本関係の店も多く、日本語の看板が目につく街です。→<ソウルナビ>に関係記事があります。

 ヌルボが旅行に出発した20日の日本は小雨の降る寒い日でしたが、このS氏の日記にもあるようにソウルに着いたとたんに春が来たという感じで、街の至る所でツツジが一斉に咲いていました。これも22日にたまたま撮った鐘閣のツツジの写真を貼っておきます。鐘閣の建物よりもツツジの花の方が主役といった感がありました。

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2 コメント

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サムスン美術館 (katikati)
2015-07-17 16:26:10
遅まきながらドラマ「英雄時代」を見ています。 サムスン創業者・イ・ビョンチョル氏が、若い時から美術品、骨董を愛し、収集し、国の混乱期、家庭の困窮期にも、それらを守り抜いた様子が見られます。
なるほど、これが美術館に結集したのか・・と納得、でした。
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「英雄時代」 (ヌルボ)
2015-07-17 18:46:37
 現代の鄭周永氏、サムスンの李秉氏という両創業者を美化している点は当然あるとしても、困難な時代を果敢に生きた2人の人生と、韓国現代史がよくわかるドラマですね。
 実は本ブログでも「英雄時代」についてはコチラ →
http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/9a947ce56e784d2c47f8bb766f1c455a
から始まって15回までいろいろ関係記事を書いたのですが、その後中断したままになっているのです。ずっと気にはなっているので、いつか再開しようとは思っているのですが・・・。
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