ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国ドラマ「英雄時代」を読み解く[1]

2010-04-08 23:48:41 | 韓国ドラマ
 ドラマ「英雄時代」は、韓国を代表する企業グループの<現代><サムスン>の創業者=鄭周永(チョン・ジュヨン)李秉(イ・ビョンチョル)の一代記というべき大河ドラマです。

 1915年生まれの鄭周永(ドラマではチョン・テサン)が満15歳だった1930年から、現代に至るまでのさまざまな歴史・文化の勉強になります。
 今後、時々その中からテーマを拾って記事にしていきます。
 日本放映が2007年ということで、すでに多くのブログでこのドラマを取り上げていますが、本ブログではあまりフツーの人が注目しない細部にこだわる等、独自の視点で書くことを心がけます。

 さて、ドラマの始まりは1930年からではなく、現代。
 第1話でまず驚いたのは、世紀グループ(現代グループのドラマでの名称)の会長チョン・サグクの自社社屋からの飛び降り自殺からこのドラマが始まっていることです。
 役名チョン・サグク、実は鄭周永の5男・現代峨山(アサン)会長の鄭夢憲(チョン・モンホン)が現代峨山のオフィスから飛び降り自殺したのが2003年8月4日。彼は金剛山観光事業推進の中心人物だったのですが、2003年2月5億ドルの対北朝鮮秘密支援が明らかになり、検察から厳しく追及されていたということです。

 このドラマが韓国MBCで放映されたのは2004年7月5日~2005年3月1日。自殺事件から約1年後に、出来事も登場人物もほとんど現実とそのまんまのドラマを作っちゃったんですねー。
「驚いた」というのはそういうことです。

 第1話の冒頭は、大雨の中、車に乗っているチョン・サグク会長が兄のチョン・イグク世紀自動車会長と日本(新宿)に出張中のパク・テチョル国会議員に無言電話をする場面です。
 チョン・イグク世紀自動車会長は鄭夢九(チョン・モング)現代自動車会長、そしてパク・テチョル議員は李明博現大統領(2008~)のことで、ますますもって日本ではありえない内容です。
※実際は2003年当時李明博はソウル市長だった。

 2001年に世を去った老チョン・テサン(=鄭周永)会長が、チョン・オグク(=鄭夢準.チョン・モンジュン)世紀重工業社長、パク・テチョル議員と話す場面(回想シーン)もありました。
ますますもって日本ではありえない内容です。また、現代グループとしても創始者の一代記はいいとして、2代目会長の自殺から始まるというのは見過ごせないと思うのですが・・・。

※ドラマ中のチョン・テサンの息子たちの名前を漢字で書いて実在のモデルと対照させると、
 グク(二国) =次男:鄭夢九
 グク(四国) =五男:鄭夢憲
 グク(五国) =六男:鄭夢準
 ・・・と、下の2人の数字がずれています。三男の現代百貨店会長鄭夢根がなぜかドラマではとばされているようです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国内の映画 Daumの人気順... | トップ | 韓国ドラマ「英雄時代」を読... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国ドラマ」カテゴリの最新記事