ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月12日(金)~2月14日(日)]

2016-02-16 19:37:02 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 今日2月16日は福岡刑務所で尹東柱(ユン・ドンジュ)が満27歳で獄死した日(1945年)です。たぶんそれに合わせて明日17日韓国では映画「동주(東柱)」が公開されます。私ヌルボ、3月末に韓国に行く予定ですが、はたして観られるかどうか? 日本では一般の劇場公開はむずかしい、かな? ただ、「聯合ニュース」(日本語版)のイ・ジュンイク監督のインタビュー記事(→コチラ)を見ると、「京都の同志社大にある尹東柱の詩碑を見て、「自分たちで殺しておいて、詩だけは愛する? 詩人の人生にはわれ関せずというのは、不道徳なのではないか」と疑問を持った」という発言もあって、ヌルボとしては<歴史意識>といったものに日韓間のズレといったものがあるように思いました。(昔の歴史との連続性とか、民族としてのアイデンティティとか・・・。)

 12日「キャロル」を観ました。「シネ21」のソン・ギョンウォン記者が「(早いが)今年最高のエンディング」と書いていたのには同感! しかし<ぴあ映画生活>の読者レビューにはそのことを書いたものがないのはなぜ? また大方のレビューが「美しい」というばかりで、1950年代の社会の(同性愛についての)「常識」の問題性にふれたものがほとんどないのもなんだかなー、です。<DAUM映画>のネチズンの平均評点が7.9ですが、専門家11人は全員8.0以上で平均9.0。私ヌルボも(早々と)今年のベスト10入り確実といったところ。上記の<DAUM映画>のネチズンの寸評を見ると、たまに「子供もいるのに勝手だ、ケシカラン!」と5点以下るいは0点をつけている人もいて、まあそんなところでしょう。この作品にしても、「チョコレートドーナツ」等にしても、時代がここまできたから映画も作れて採算も取れるというわけです。しかし、今でもまだ「タブー」はありそう・・・。

 全然タブーでさえもないのに、政治権力が権威をカサにきてメディアの規制をもくろむというのは一体なんという了見(←死語?)なんでしょうか? (一応)民主国家という日本の「美点」を、日本に誇りを持っていると自分では思い込んでいる人たちがないがしろにするというのは困ったものです。
 同じように、韓国では釜山国際映画祭に釜山市や政府が政治的に介入して、これに抗議する国際世論が高まっています。<シネマトゥデイ>の関連記事「行政からの圧力受ける釜山国際映画祭 ベルリン国際映画祭で共同声明集会決行!」は→コチラ。また「中央日報」(日本語版)のサイトでも「中央SUNDAY」の「残念な釜山映画祭議論」と題した記事(→コチラ)を掲載しています。(社内記者でなく「タイム」の首席評論家Stephanie Zacharek氏の寄稿という点が保守紙としての限界?)

「朝鮮日報」2月12日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ドレスメイカー」
   復讐、華麗にして優雅に ★★★☆


 「ポンゲマン」

   子供が好きならいいか ★★★


 「劇場版アイカツ!」

   子供とマニアのために ★★★

 「メリス」

   実話を読む方を勧める ★★

 この4作品についてはいずれも下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(2月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.0(914)
②時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1195)
③悪い国(韓国)  8.9(156)
④Love letter(日本)  8.8(775)
⑤エターナル・サンシャイン  8.8(531)
⑥アーロと少年  8.4(186)
⑦兄への想い(韓国)  8.3(981)
⑧ロボット、ソリ(韓国)  8.3(196)
⑨ボーダーライン  8.2(332)
⑩海街diary(日本)  8.0(84)

 順位変動はありましたが、新登場はありません。日本映画が3作入っているのはめずらしい。前にもあったかな?

     【専門家による順位】

①キャロル  9.0(11)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③黒衣の刺客  8.1(6)
④暗殺の森  8.0(2)
⑤ボーダーライン  7.8(6)
⑥時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑦ザ・ロブスター  7.6(6)
⑧アスファルト  7.5(4)
⑨リトルプリンス 星の王子さまと私  7.3(3)
⑨女たちの影  7.3(3)

 順位・評点とも前回と同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月12日(金)~2月14日(日)] ★★★
         「検事外伝」が早くも800万人突破

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・検事外伝(韓国)・・・・・・・・・・2/03 ・・・・・・・・・・1,363,015・・・・・・・・8,075,013・・・・・・・・・64,786・・・・・・・1,648
2(2)・・カンフーパンダ3 ・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・367,929・・・・・・・・3,693,170・・・・・・・・・29,224 ・・・・・・・・737
3(新)・・デッドプール・・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・88,000 ・・・・・・・・・・88,585 ・・・・・・・・・・・795・・・・・・・・・128
4(新)・・劇場版アイカツ!(日本)・・2/11・・・・・・・・・・・・79,282 ・・・・・・・・・101,434 ・・・・・・・・・・・753・・・・・・・・・254
5(4)・・キャロル ・・・・・・・・・・・・・・・・2/04・・・・・・・・・・・・・75,340 ・・・・・・・・・220,717 ・・・・・・・・・1,858・・・・・・・・・283
6(3)・・アルビン/歌うシマリス3兄弟・・2/04・・・・・・・・61,160 ・・・・・・・・・266,779 ・・・・・・・・・1,949・・・・・・・・・327
       :悪ガキ アドベンチャー
7(26)・・ポンゲマン(韓国)・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・・45,077 ・・・・・・・・・・53,343 ・・・・・・・・・・・406・・・・・・・・・393
8(19)・・ドレスメイカー ・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・31,353 ・・・・・・・・・・41,168 ・・・・・・・・・・・331・・・・・・・・・176
9(5)・・最強戦士 ミニ特攻隊・・・・2/04 ・・・・・・・・・・・・21,929 ・・・・・・・・・109,324 ・・・・・・・・・・・823・・・・・・・・・222
       :英雄の誕生(韓国)
10(7)・・兄への想い(韓国) ・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・・19,045・・・・・・・・1,059,900 ・・・・・・・・・・7,993 ・・・・・・・・230

     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「検事外伝」が公開から12日目の昨日(15日)観客動員800万人を超えました。少し勢いは鈍ったとはいえ、もう現時点で1000万人超えは確実です。ただ、先週も書きましたが他の作品がそのあおりで上映館数の確保さえ大変な状態。以前とは別の形で「スクリーン・クォーター制」を実施すべきとの声も出ているとか・・・。
 今回の新登場は3・4・7位の3作品です。
 3位「デッドプール」は、マーベルコミックスの同名キャラクターを基としたアメリカのSFアクション。ニューヨークで10代の女性の用心棒をしながら生活している元特殊部隊出身の傭兵ウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は末期がんと診断され、その治療と引き換えに極秘の人体実験の被験者となります。施設でフランシス(エド・スクライン)から謎の薬品を投与され、拷問のような実験を受ける中、彼は超人的な治癒力を身に付けますが、暴走したがん細胞の影響で全身が火傷を負ったようになり、顔も醜く歪んでしまいます。その姿を自分でも受け入れられない彼はマスクを付けたスーパーヒーローの<デッドプール>として生まれかわります。そして彼は自分の身体と人生を壊した上ガールフレンドのストリッパーであるヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)を拉致して去ったフランシスとその組織の後を追います・・・。うーむ、相当にキテレツだなー。韓国題は「데드풀 」。日本公開は6月です。
 4位「劇場版アイカツ!」については、日本アニメといっても例のごとく私ヌルボに語る資格ナシ。「2012年にデジタルカードゲームとしてリリースされ、テレビアニメ版も子どもたちから人気を集めている」とか。ふうん・・・。韓国題は「극장판 아이엠스타 : 꿈의 오디션!(劇場版 アイアムスター:夢のオーディション)」です。
 7位「ポンゲマン」は、直訳すれば「イナズママン」。子供向けの実写ヒーロー物。そういえば、1970年代石森章太郎の漫画が原作のイナズマンというのがあったな。ポンゲマンとは制服(というのか?)の色合いは似てます。青地に黄色で・・・って稲妻だから当然か。サンダーマンというのはアメリカ製か。ポンゲマンはEBSの番組「集まれディンドンデン」で2000年に初登場。イナズマパワーという特殊能力がありながらも、バッテリーが切れてくると力が弱まるという弱点はありますが、子供たちの応援の力を集めて復活するみたいですよ。さてこの映画は、番組でもおなじみのおもちゃの国ジョイランドを狙う悪党チャルナン魔王たちをポンゲマンがやっつける! そうそう、「잘난(チャルナン)」=「偉そうな(ろくでもない)」ヤツはやっつけないとな。(笑) 原題は「번개 맨」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(4)・・ドレスメイカー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・31,353・・・・・・・・・・・・41,168・・・・・・・・・・・・・331・・・・・・・・・176
2(新)・・メリス(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・・5,107・・・・・・・・・・・・・8,132・・・・・・・・・・・・・・64・・・・・・・・・132
3(2)・・ユース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・・1,929 ・・・・・・・・・・・81,977 ・・・・・・・・・・・・638 ・・・・・・・・・・19
4(3)・・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります・・1/21・・・・・・・・・1,577 ・・・・・・・・・・・33,713・・・・・・・・・・・・・253 ・・・・・・・・・・13
5(5)・・海街diary(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・・・・797・・・・・・・・・・・・95,308・・・・・・・・・・・・・781 ・・・・・・・・・・・7

 2位の「メリス」だけが新登場。韓国のスリラーです。学生時代家計が苦しくなり、社会から見放されたまま徹底的に自分を隠して生きてきたチェ・ガイン(ホン・スア)は、ある日偶然に女子高時代の親友パク・ウンジョン(イム・ソンオン)と出会います。幸せな家庭と安定した職場で暮らすウンジョンを見て、ガインは自分にないすべてのものを持っているように感じ、激しい嫉妬を覚えます。何も持っているものがない自分の姿にみすぼらしさを感じた彼女は、徐々に自分がウンジョンだという妄想にかられていき、ついにはウンジョンの生活をまるごと盗もうとしますが、その残酷な計画の結末ははたして・・・。原題は「멜리스」です。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-02-18 00:10:14
1995年2月16日、尹東柱没後50周年に同志社キャンパスに尹東柱の詩碑が出来たそうですね。この間同志社に行って見てきました。隣にも名前を失念しましたが半島出身の方の詩碑がありました。日本でもこの映画公開されるといいのですが、旬のカン・ハヌルにも期待。
ブサンの映画祭どうなるのか、韓国映画人の心意気を見せて欲しいと思います。あわせて日本の映画人もメディア規制には毅然たる態度をとってほしいですね。
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鄭芝溶 (ヌルボ)
2016-02-18 21:50:02
 もう1つの詩碑は鄭芝溶(チョン・ジヨン)の「鴨川」という詩ですね。この詩人は尹東柱の15歳年上の有名な詩人で、東柱も敬愛していました。東柱が在学していた同志社大学文学部英文科を卒業し、また1948年刊行された『空と風と星と詩』には序文を書いています。そのように彼とはとても縁の深い人物です。 
 ※詩碑についての記事はコチラ。 →
http://www.kyotofukoh.jp/report299.html
 そして、コチラ。 →
http://japanese.joins.com/article/812/70812.html?sectcode=&servcode=

 映画「東柱」は、日本でもそれなりに関心を集めているのではないでしょうか? ミニシアターか、せめてマイナーな鑑賞会ででも上映してほしいものですね。
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