→ <安倍能成がうるさがった「メコン蛙」の正体とその現在[1] メコン川は関係ナシ>
→ <安倍能成がうるさがった「メコン蛙」の正体とその現在[2] 歌を2つ紹介します>
朴婉緒(パク・ワンソ)の小説「그 많던 싱아는 누가 다 먹었을까(たくさんあったあのイタドリ(スイバ?)は誰が食べたのか)」や、あるいは文貞姫(ムン・ジョンヒ)の詩「그 많던 여학생들은 어디로 갔을까(大勢いたあの女学生たちは皆どこへ行ったのか)」の表現を借りれば、「그 많던 맹꽁이들는 지금 어디로 갔을까(たくさんいたあのメンコンイは今どこへ行ったのか)」・・・というのが今回のテーマです。
⑥メンコンイは都市化の進行、水質汚染、農薬の害等によって棲息地がどんどん減少して絶滅危機動植物に指定されるに至ったが、そんな中で近年生態環境のマスコットとなって復活した。
日本では、1960年代高度経済成長が進展する一方、とくにその後半から公害が大きな社会問題となりました。そして70年代に入り、「環境・自然・健康」等をスローガンにしたさまざまな運動が展開されるようになりました。
韓国の場合も、私ヌルボの持論(笑)の<日韓を分ける24年差の歴史>(→コチラとコチラ参照)にこれまた合致しているようですが、やはり産業・経済の急速な発展の時期を経て、2000年前後あたりから「環境・自然・健康」への関心が一気に高まったのではないかと思います。
メンコンイについても、それまでどんどん棲息地が減少していって、今世紀に入って気がついた時には環境部指定の絶滅危機野生動植物Ⅱ級になっていた、というところでしょうか。
※II級は、絶滅の危機に瀕しているⅠ級レベルに次ぐもので、現在の脅威要因が除去されたり緩和されない場合に、近い将来に絶滅の危機に処するおそれのある種のこと。
先の2回の記事で「中央日報」(日本語版)の記事(→コチラ)を紹介しましたが、その見出しは<ジムグリガエル(メンコンイ)の集団移住>というものです。つまり、宅地造成等でメンコンイの棲息地の湿地等が埋め立てられる時、メンコンイたちも無慈悲に(笑)生き埋めにしたりせず、事前にそこのメンコンイを採集し、他の安全な所に移すというもの・・・、いやそれでオシマイではなく、元の地に新たに湿地を造成し、完成後にまたメンコンイたちを戻す。これでメデタシメデタシとなるわけです。この2010年の記事によると、最初のメンコンイ移住プロジェクトは2006年で、開発業社自らが上記の作業を行ったそうです。「2年間で117匹のメンコンイを採集し「ソウルの森」に移した。移住費だけで3億ウォン。これらジムグリガエルは50億ウォンをかけて造成する再建築湿地に2011年帰ってくる予定」とか、まあずいぶん多額の負担ですね。(移住費だけでも1匹当たり日本円で30万円!?) また労力も・・・。 それ以外にも、仁川の桂陽山ではメンコンイ保護のためゴルフ場開発が阻止されたようだし、またこの記事が載った頃、漢江ノドゥル島のメンコンイがノウル公園の生態湿地に移住し、漢江芸術島の工事が終わる2014年6月に戻る予定なのだとか・・・、もう戻っているのでしょうね。
さて、メンコンイ関係の画像の中にあったのがたとえば右のポスターです。2013年ソウル近郊の河南(ハナム)市による<2013メンコンイ学校 メンコンイ救助団募集>のお知らせ。家族単位で120人募集し、市庁の大講堂で室内教育を受け、なんと6月中50㎜の雨が降ったら夜7時から救助活動を行うんですと! →コチラの記事によると同市では環境団体が公園内のマンホールに落ちて溺死寸前のメンコンイや道を横断中のメンコンイの救助活動もしていますよ。
このようにメンコンイの種の保存が自然環境保全との関連で関心が高まる中、韓国最大の
メンコンイ棲息地として宣伝(?)しているのが大邱市の大明川遊水地で、下画像のような掲示板を設けたり、またここでも子供たちによるメンコンイ救助活動が行われています。
※この大明川遊水地のすぐ近くに、琴湖江と洛東江が合流する地点に位置する大邱達成湿地があります。韓国最大の内陸湿地で、多様な植物が見られるほか、アオサギなどの渡り鳥が訪れる所で、なかなか眺望が良さそう。行ってみたくなりました。
最近の情報では、上述のような保護活動の成果があったためか、メンコンイを絶滅危機野生動植物から除外する動きも出ているようですが、反対の声も強いので今後どうなるかはわかりません。
以上でメンコンイについての3回続きのシリーズはおしまいですが、第1回の記事でちょっと気になったのが同じ安倍能成のエッセイに出てきた南山蛙というカエルのこと。これもよくわかりませんが、2005年の「東亜日報」に<カエルやサンショウウオを南山に放す>といった内容の記事が見つかりました。(→コチラ.韓国語。) それによると「ソウル市は、生態系が断絶した南山に池など小規模生物の棲息地を造成し、山カエル(サンケグリ.산개구리)5000匹、ヒキガエル(두꺼비)5000匹、サンショウウオ(도롱뇽)100匹等、両生類や爬虫類約1万匹、またリス(다람쥐)も50匹を放した」とのことです。また担当のムン課長は「今後は人工繁殖技術により金カエル(クムケグリ.금개구리)(右画像)まで放す対象にしたい」とも語っています。(※このクムケグリというカエルもメンコンイ同様絶滅危機野生動植物Ⅱ級に指定されています。) もしかしたら、かつて京城にい日本人たちが南山蛙といっていたのはこのサンケグリ、またはクムケグリのことなのかもしれません。
→ <安倍能成がうるさがった「メコン蛙」の正体とその現在[2] 歌を2つ紹介します>
朴婉緒(パク・ワンソ)の小説「그 많던 싱아는 누가 다 먹었을까(たくさんあったあのイタドリ(スイバ?)は誰が食べたのか)」や、あるいは文貞姫(ムン・ジョンヒ)の詩「그 많던 여학생들은 어디로 갔을까(大勢いたあの女学生たちは皆どこへ行ったのか)」の表現を借りれば、「그 많던 맹꽁이들는 지금 어디로 갔을까(たくさんいたあのメンコンイは今どこへ行ったのか)」・・・というのが今回のテーマです。
⑥メンコンイは都市化の進行、水質汚染、農薬の害等によって棲息地がどんどん減少して絶滅危機動植物に指定されるに至ったが、そんな中で近年生態環境のマスコットとなって復活した。
日本では、1960年代高度経済成長が進展する一方、とくにその後半から公害が大きな社会問題となりました。そして70年代に入り、「環境・自然・健康」等をスローガンにしたさまざまな運動が展開されるようになりました。
韓国の場合も、私ヌルボの持論(笑)の<日韓を分ける24年差の歴史>(→コチラとコチラ参照)にこれまた合致しているようですが、やはり産業・経済の急速な発展の時期を経て、2000年前後あたりから「環境・自然・健康」への関心が一気に高まったのではないかと思います。
メンコンイについても、それまでどんどん棲息地が減少していって、今世紀に入って気がついた時には環境部指定の絶滅危機野生動植物Ⅱ級になっていた、というところでしょうか。
※II級は、絶滅の危機に瀕しているⅠ級レベルに次ぐもので、現在の脅威要因が除去されたり緩和されない場合に、近い将来に絶滅の危機に処するおそれのある種のこと。
先の2回の記事で「中央日報」(日本語版)の記事(→コチラ)を紹介しましたが、その見出しは<ジムグリガエル(メンコンイ)の集団移住>というものです。つまり、宅地造成等でメンコンイの棲息地の湿地等が埋め立てられる時、メンコンイたちも無慈悲に(笑)生き埋めにしたりせず、事前にそこのメンコンイを採集し、他の安全な所に移すというもの・・・、いやそれでオシマイではなく、元の地に新たに湿地を造成し、完成後にまたメンコンイたちを戻す。これでメデタシメデタシとなるわけです。この2010年の記事によると、最初のメンコンイ移住プロジェクトは2006年で、開発業社自らが上記の作業を行ったそうです。「2年間で117匹のメンコンイを採集し「ソウルの森」に移した。移住費だけで3億ウォン。これらジムグリガエルは50億ウォンをかけて造成する再建築湿地に2011年帰ってくる予定」とか、まあずいぶん多額の負担ですね。(移住費だけでも1匹当たり日本円で30万円!?) また労力も・・・。
さて、メンコンイ関係の画像の中にあったのがたとえば右のポスターです。2013年ソウル近郊の河南(ハナム)市による<2013メンコンイ学校 メンコンイ救助団募集>のお知らせ。家族単位で120人募集し、市庁の大講堂で室内教育を受け、なんと6月中50㎜の雨が降ったら夜7時から救助活動を行うんですと! →コチラの記事によると同市では環境団体が公園内のマンホールに落ちて溺死寸前のメンコンイや道を横断中のメンコンイの救助活動もしていますよ。
このようにメンコンイの種の保存が自然環境保全との関連で関心が高まる中、韓国最大の
メンコンイ棲息地として宣伝(?)しているのが大邱市の大明川遊水地で、下画像のような掲示板を設けたり、またここでも子供たちによるメンコンイ救助活動が行われています。
※この大明川遊水地のすぐ近くに、琴湖江と洛東江が合流する地点に位置する大邱達成湿地があります。韓国最大の内陸湿地で、多様な植物が見られるほか、アオサギなどの渡り鳥が訪れる所で、なかなか眺望が良さそう。行ってみたくなりました。
最近の情報では、上述のような保護活動の成果があったためか、メンコンイを絶滅危機野生動植物から除外する動きも出ているようですが、反対の声も強いので今後どうなるかはわかりません。
韓国でもコレは活用できませんかね?
韓国の記事を見ても、やっぱりカエルにとって側溝とか道路の縁石とかは大きな難関のようですね。
はたしてこのシュロ縄のことは韓国の環境保護団体に情報が伝わっているのか気になるところです。