以前文京区白山のコリアブックセンターで購入した北朝鮮本を読んでいます。
「홍의장군 곽재우(紅衣将軍郭再祐)」という、壬辰倭乱の時の将軍・郭再祐(クァク・ジェウ)の物語です。
約200ページですが、各ページの3分の2は絵で、活字も大きめの子ども向きの本なので、すいすい読み進められます。
と言っても、会話は時代劇風だし、用語・用字は北朝鮮風なので、今のフツーの韓国語に慣れている私ヌルボ(と、たぶん大方の韓国語学習者)にとっては目が留まってしまうこともしばしば。
たとえば・・・・
이곳은 녀진들이 둥지를 틀고 있는 곳과 가까왔으므로
ここは女真どもが住み家を構えている所と近いので
・녀진(北朝鮮)→여진(韓国)
・가까왔으므로(北朝鮮)→가까웠으므로(韓国)
아버님,나라에 왜적들이 쳐들어와 큰 란리가 났소이다. 소자는 기어이 왜적과 싸우려고 하오이다.
父上、国に倭敵が攻め込んで大きな戦乱となりました。私はなんとしても倭敵と戦おうと存じます。
・란리(北朝鮮)→난리(韓国)
※소자(小子)は、王や父母等に対して自分を指して言う謙譲語。
別の所で、소녀(小女)という言葉も出てきます。女性が目上の人に対して自分を指して言う謙譲語。もちろん少女と同じスペルです。
[5月12日の訂正]※왜적は倭賊と思って最初そのように記しましたが、たまたま別の言葉を<NAVER辞典>で調べたら、この語が倭敵という漢字とともに出てきました。同音なので紛らわしいです。よくあることですが・・・。
そして、実はこの本を読むまで私ヌルボが知らなかったのが안해という北朝鮮の言葉。
発音してみると「아내」となるので、前後の脈絡からも韓国語の아내(妻)ということはすぐにわかるのですが・・・。
この語を「朝鮮語辞典」(小学館)の電子辞書で引くと「<共和国で>家内,妻.→아내.」とあります。<NAVER辞典>(→コチラ)にも아내の北韓語または古語とあります。やはり、北朝鮮の表記が本来の形ということですね。
韓国ウィキペディアの「아내」の項目には、さらに詳しい説明があります。
それによると、語源には次のような諸説があります。
①안(內)+해(物)。つまり「(家の)内の物」。
※慶尚道方言では「おまえの物だ(네 것이다)」という意味で「니 해라」と言うことが今もあるそうです。
②안ㅎ(內)+에(方向を示す先格助詞)。つまり「(家の)内の方」。
③안(內)+해(人を意味する接尾辞)。つまり「(家の)内の人」。
これ以外に、妻は「家の中の해(太陽)」だと主張する意見等もありますが、これは妻をより尊重しようという考え方によるもので、語源とは関係がないとのことです。
ついでに、エンハウィキにも아내についておもしろい説明がありました。(→コチラ。) ちょっと抜粋。
결혼을 한
結婚した男性
統一部(!)のFASEBOOK(→コチラ)にも、次のような例文がありました。
다시 태어나면 안해와 결혼 안해!!
もう一度生まれたら、妻とは結婚しない!!
たしかに안해はやらないと同義なので、実はヌルボも誤解しかけました(笑)。
「紅衣将軍郭再祐」の内容等については、読み終えたら書きます。たぶん。
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