▶今回の記事で注目の韓国映画その1は「ソン・ヘ 1927」です。韓国KBSの長寿番組「全国歌自慢(のど自慢)」(→ウィキペデイア)のMCとして知られるソン・ヘ[宋海]さんについてのドキュメンタリーです。私ヌルボ、彼が90歳を超える今も現役で活躍していることは知っていましたが、タイトルにあるように1927年、それも現在は北朝鮮の黄海道出身で朝鮮戦争中に単身越南して来たということは知りませんでした。
下左の画像は私ヌルボが2018年11月のソウル旅行の折にタプコル公園北の楽園楽器商街のビルの下でたまたま撮った写真です。後で知ったことですが、その辺りはソン・へさんにとって<第二の故郷>ともいうべき縁がある所で、楽園商街の東側から南のユギジョンビルに至る240mの道は2016に<ソン・ヘの道(송해길)>と命名され、近辺には彼の胸像(地下鉄5号線鍾路3街駅の5番出口の前)の他、ソンヘサウナといった彼の名を冠したサウナ等の商業施設や店舗もあります。下右画像のクッパ専門店<ウワサの店(소문난집 국밥전문)>は上の看板に<ソン・ヘの店(송해의 집)>の文字と彼の似顔が描かれていますが、実際彼の行きつけの店のようです。うーむ、ソン・ヘさんのこととか全国歌自慢のことだけで優に1つの記事になるな・・・。
注目の韓国映画その2は、これもドキュメンタリーの「幸福の速度」。タイトルからは全然わかりませんが、パク・ヒョクジ監督が偶然目にした尾瀬で70~80kgもの荷物を背負って運ぶ歩荷(ボッカ)の写真に強い衝撃を受け、その後歩荷の仕事をしている五十嵐さんと石高さんを中心に取材し撮影した作品ですが、単にその仕事の紹介ではなく、監督が自身の人生を考えるということを意識しつつ制作したとのことで、観客にもそれが伝わっているようです。日韓間の政治的な葛藤を引き起こしている人たちにはぜひ観てほしいとふと思いました。もちろんその前に観てみたいですが・・・。
▶外国映画ではウェス・アンダーソン監督の新作「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」に期待! それにしてもタイトル長すぎ。意味もわからん!
★★★ NAVERの人気順位(11月23日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) 往十里 キム・ジョンブン(韓国) 9.54(26)
②(3) 若い盛りのソンニョさん(韓国) 9.52(40)
③(新) ソン・ヘ 1927(韓国) 9.47(43)
④(新) 君に行く道(韓国) 9.39(159)
⑤(4) 玆山魚譜 チャサンオボ(韓国) 9.33(2,951)
⑥(7) コーダ 9.24(651)
⑦(9) 奇跡(韓国) 9.19(4,277)
⑧(-) 休暇(韓国) 9.06(63)
⑨(-) 最後の決闘裁判 9.03(871)
⑩(-) 花束みたいな恋をした(日本) 9.00(514)
③と④が新登場です。
③「ソン・ヘ 1927」は韓国のTVでおなじみのソン・ヘ[宋海]さんについてのドキュメンタリーです。現役最高齢の芸能人であり、歌手、喜劇人、DJでもあり、そして何よりも韓国一の長寿番組「全国歌自慢」のMCとして1988年以来(途中半年のブランクはありましたが)国民と喜怒哀楽を共にしてきたソン・ヘ[宋海]さん。タイトル中の<1927>は1927年生まれということ。つまり現在満94歳です。→ウィキペディア等によると、彼は現北朝鮮の黄海道に生まれ、その後朝鮮戦争中の1951年に延坪島から単身アメリカの軍艦に乗って脱北し釜山に到着したとか。「今は私の人生もピンポ~ン(大正解)です!」と語るソン・ヘさんですが、そんな彼の人生の裏話から30年ぶりに出会った<特別な贈り物>(なんだろ?)まで。誰もが知っているが誰も知らなかったソン・ヘさんの人生の物語がいろいろ盛り込まれています。原題は「송해 1927」です。
④「君に行く道」は韓国のドキュメンタリー。今春開催の<第22回全州国際映画祭>韓国コンペ部門で審査委員特別言級賞・ドキュメンタリー賞を受賞し、第23回ソウル国際女性映画際等々に公式招待される等、注目されている作品です。制作主体は女性主義メディア共同体の<性的少数文化人権連帯 薄桃チマ(연분홍치마)>。その10番目の作品で、「3XFTM」「レズビアン政治挑戦」「鍾路の奇跡」に続くカミングアウトシリーズ第4作です。今作でスポットが当てられたのは性少数者の両親、消防公務員34年目のナビと航空乗務員27年目のビビアン。ピョン・ギュリ監督は「彼らが話したい話を語り終えるまで記録しました。性少数者の両親もまた日常的なことを侵害されており、社会が彼らを人格体として尊重しているのか疑問です」と言います。原題の「너에게 가는 길」は「君に行く道」は「君のところに行く道」「君の方に行く道」「君に近づく道」等にする方が自然な日本語ですね。監督によれば「道は未完成のイメージ。両親が性少数者の当事者に近づく旅程であり、同時に自分がすすんであなたの方に行く道という意味を込めました」とのことです。
です。
【記者・評論家による順位】
①(1) ファースト・カウ 8.40(10)
②(-) サマ 8.25(4)
③(-) 水を抱く女 8.00(6)
④(-) スパイの妻(日本) 8.00(5)
⑤(4) あの日のように抱きしめて 7.80(5)
⑥(-) アイダよ、何処へ? 7.67(3)
⑦(5) プチ・ママン 7.63(8)
⑧(6) DUNE/デューン 砂の惑星 7.50(8)
⑨(7) アネット 7.44(9)
⑩(-)モガディシュ(韓国) 7.27(11)
新登場の作品はありません。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月19日(金)~11月21日(日) ★★★
2ヵ月ぶりの韓国映画、「ジャンルだけロマンス」が1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(9)・・ジャンルだけロマンス(韓国)・・11/17 ・・・233,081・・・・・・・・331,653・・・・・・3,407・・・・・1,192
2(1)・・エターナルズ・・・・・・・・・・・・・・・11/03 ・・・・220,512 ・・・・・2,846,428・・・・・29,754 ・・・・1,257
3(3)・・DUNE/デューン 砂の惑星 ・・・10/20 ・・・・・91,314・・・・・・1,344,613・・・・・14,485 ・・・・・・674
4(2)・・江陵[カンヌン](韓国) ・・・・・・・11/10 ・・・・・42,156 ・・・・・・・280,937・・・・・・2,922・・・・・・・606
5(新)・・ディア・エヴァン・ハンセン ・・11/17 ・・・・・41,023・・・・・・・・・73,170・・・・・・・・745・・・・・・・621
6(23)・・フレンチ・ディスパッチ ・・・・・11/17・・・・・24,783・・・・・・・・・37,882・・・・・・・・420・・・・・・・273
ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
7(4)・・アダムス・ファミリー2 ・・・・・・11/10・・・・・21,136・・・・・・・・102,961・・・・・・・・926・・・・・・・378
アメリカ横断旅行!
8(新)・・鬼滅の刃 那田蜘蛛山編(日本)・・11/10・・・・17,411・・・・・・・・・29,665・・・・・・・・290・・・・・・・310
9(新)・・BanG Dream! FILM LIVE・・・・11/18・・・・・・5,582・・・・・・・・・・9,672・・・・・・・・102・・・・・・・・90
2nd Stage(日本)
10(5)・・鬼滅の刃 兄妹の絆(日本) ・・・・11/10・・・・・・4,621・・・・・・・・・60,315・・・・・・・・597・・・・・・・228
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
久しぶりに韓国映画が1位。その「ジャンルだけロマンス」はそんなに抜きん出た数字というわけでもないので来週までもつかは疑問。内容は最初ドタバタめいた恋愛コメディか?と思いましたがそうでもないみたいな・・・。少なくとも主演のリュ・スンリョンの演技は観客・評論家を問わず好評のようです。
新登場は5・6・8・9位の4作品です。
5位「ディア・エヴァン・ハンセン」はアメリカのドラマ。日本でも11月26日公開で予告編等々諸情報が流されているので説明は省略します。韓国題は「디어 에반 핸슨」です。
6位「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」はアメリカのコメディ。今年の<第74回カンヌ国際映画祭>コンペ部門で初上映されました。そして監督は「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014)や「犬ヶ島」(2018)のウェス・アンダーソン監督となると、それだけで私ヌルボの期待が高まります。(・・・と書きながらも、ジツは<東京国際映画祭2021>で9月末からチケット先行抽選販売してたことに気づかず見逃してしまさったんですけど。) タイトル中の<フレンチ・ディスパッチ>とは20世紀初頭のフランスの架空の都市で発行されたアメリカの雑誌「ザ・フレンチ・ディスパッチ」のこと。(そのモデルはザ・ニューヨーカーだそうです。) その編集長がある日突然に急死し、最精鋭のジャーナリストが一堂に会することに。遺言によって追悼かつ最終号が発行されることになりますが、それに載せる4つの特ダネについての話がオムニバス形式で紹介されていきます。韓国題は「프렌치 디스패치」。日本公開は来年の1月28日です。もうウェス・アンダーソンらしさが凝縮されている→予告編ができてます。待ち遠しいなー!
8位「鬼滅の刃 那田蜘蛛山編」も「兄妹の絆」と同様9月にTV放映されていたのですね。ただコチラは劇場公開はされてないようですね。いずれにしてもTVも漫画も見てないので私ヌルボとしては何とも言えませんが・・・。韓国題は「귀멸의 칼날: 나타구모산 편」です。
9位「BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage」、このシリーズは日本アニメの中で私ヌルボにとって一番遠くて疎い部類かもしれません。一応YouTubeにあったロングPV(→コチラ)を見てみましたが、女ノコたちの顔の見分けがつかん! ファンの人たちは髪の色&髪型で区別しているのかな ?? 韓国題は「뱅드림! 필름 라이브 세컨드 스테이지」です。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・恋の病・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/17・・・・・・・・・1,612・・・・・・・・3,234・・・・・・・・・・・29 ・・・・・・133
~潔癖なふたりのビフォーアフター~
2(2)・・アネット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/27 ・・・・・・・・1,509 ・・・・・・37,829 ・・・・・・・・・333・・・・・・・・20
3(1)・・ファースト・カウ ・・・・・・・・・・・11/04・・・・・・・・・1,171 ・・・・・・10,437・・・・・・・・・・・96・・・・・・・・24
4(11)・・ソ・ンヘ 1297(韓国)・・・・・・・11/18・・・・・・・・・1,041・・・・・・・・2,360・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・60
5(21)・・幸福の速度(韓国)・・・・・・・・・・11/18 ・・・・・・・・・・835・・・・・・・・3,120・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・18
1・4・5位の3作品が新登場です。
1位「恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~」は台湾のラブロマンス。奇跡的に出会うラブコメ。日本では8月20日に公開されています。韓国題は「괴짜들의 로맨스(変人たちのロマンス)」です。
4位「ソンヘ 1297」については上述しました。
5位「幸福の速度」は韓国のドキュメンタリー。2人で暮らす特別な縁(正妻と2号さん)を持つ2人のおばあさんの日々を描いた「チュニ、マギ」で<第16回全州国際映画祭>(2015)のCGVアートハウス賞を受賞して長編デビューしたパク・ヒョクジ監督の3作目のドキュメンタリーの舞台は右のポスターを見てみて下さい。どこかわかりますか? 日本の、尾瀬です。尾瀬では車が入れないため、必要な物資は人が背負って運ぶしかありません。その仕事に携わっている人が歩荷(ボッカ)で、背負子(しょいこ)に70~80kg(あるいは100kg以上)の荷物を積み重ね、担いで山道を歩いて運びます。(参考記事→コチラ。)
2016年、忘れられた昔の職業にスポットを当てるドキュメンタリーを依頼された監督が企画中に偶然目にしたのがそんな巨大な荷物を背負った歩荷の写真でした。その強烈な第一印象をきっかけに歩荷をテーマにした放送番組を演出します。その後も監督は尾瀬と歩荷が持つ魅力に導かれ、とくに2人の歩荷に焦点を絞って本作の制作に取り組みます。歩荷24年目のベテラン五十嵐さんは山小屋の主人や後輩の歩荷たちから厚い信任を受けている人物です。その仕事に誇りを持ち、毎日同じ道を歩く中でも毎瞬間新しい楽しさを感じているようです。尾瀬の冬は長いため歩荷の働ける日は半年ほどですが、彼はひたすら歩荷として働くために長い冬を黙々と待ちます。一方、石高さんは歩荷という職業を広く知らせるために物心両面で努力しています。大阪出身ですが歩荷をするために尾瀬に来たという彼は<日本青年ボッカ隊>を作って活動し、尾瀬の外にも出るなど五十嵐さんとは対照的な姿を見せます。本作はこのような2人の対比を軸に展開していくように見えますが、それによって人の生き方をより深く考えることになるという狙いとのことです。人生の省察は監督自身の思いに止まらず、観客の多くも彼らの姿から、あるいは尾瀬の自然や動植物からも、自分の人生を振り返る契機となりそうな作品、というのは観客のレビューからもうかがわれます。原題は「행복의 속도」です。
下左の画像は私ヌルボが2018年11月のソウル旅行の折にタプコル公園北の楽園楽器商街のビルの下でたまたま撮った写真です。後で知ったことですが、その辺りはソン・へさんにとって<第二の故郷>ともいうべき縁がある所で、楽園商街の東側から南のユギジョンビルに至る240mの道は2016に<ソン・ヘの道(송해길)>と命名され、近辺には彼の胸像(地下鉄5号線鍾路3街駅の5番出口の前)の他、ソンヘサウナといった彼の名を冠したサウナ等の商業施設や店舗もあります。下右画像のクッパ専門店<ウワサの店(소문난집 국밥전문)>は上の看板に<ソン・ヘの店(송해의 집)>の文字と彼の似顔が描かれていますが、実際彼の行きつけの店のようです。うーむ、ソン・ヘさんのこととか全国歌自慢のことだけで優に1つの記事になるな・・・。
注目の韓国映画その2は、これもドキュメンタリーの「幸福の速度」。タイトルからは全然わかりませんが、パク・ヒョクジ監督が偶然目にした尾瀬で70~80kgもの荷物を背負って運ぶ歩荷(ボッカ)の写真に強い衝撃を受け、その後歩荷の仕事をしている五十嵐さんと石高さんを中心に取材し撮影した作品ですが、単にその仕事の紹介ではなく、監督が自身の人生を考えるということを意識しつつ制作したとのことで、観客にもそれが伝わっているようです。日韓間の政治的な葛藤を引き起こしている人たちにはぜひ観てほしいとふと思いました。もちろんその前に観てみたいですが・・・。
▶外国映画ではウェス・アンダーソン監督の新作「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」に期待! それにしてもタイトル長すぎ。意味もわからん!
★★★ NAVERの人気順位(11月23日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) 往十里 キム・ジョンブン(韓国) 9.54(26)
②(3) 若い盛りのソンニョさん(韓国) 9.52(40)
③(新) ソン・ヘ 1927(韓国) 9.47(43)
④(新) 君に行く道(韓国) 9.39(159)
⑤(4) 玆山魚譜 チャサンオボ(韓国) 9.33(2,951)
⑥(7) コーダ 9.24(651)
⑦(9) 奇跡(韓国) 9.19(4,277)
⑧(-) 休暇(韓国) 9.06(63)
⑨(-) 最後の決闘裁判 9.03(871)
⑩(-) 花束みたいな恋をした(日本) 9.00(514)
③と④が新登場です。
③「ソン・ヘ 1927」は韓国のTVでおなじみのソン・ヘ[宋海]さんについてのドキュメンタリーです。現役最高齢の芸能人であり、歌手、喜劇人、DJでもあり、そして何よりも韓国一の長寿番組「全国歌自慢」のMCとして1988年以来(途中半年のブランクはありましたが)国民と喜怒哀楽を共にしてきたソン・ヘ[宋海]さん。タイトル中の<1927>は1927年生まれということ。つまり現在満94歳です。→ウィキペディア等によると、彼は現北朝鮮の黄海道に生まれ、その後朝鮮戦争中の1951年に延坪島から単身アメリカの軍艦に乗って脱北し釜山に到着したとか。「今は私の人生もピンポ~ン(大正解)です!」と語るソン・ヘさんですが、そんな彼の人生の裏話から30年ぶりに出会った<特別な贈り物>(なんだろ?)まで。誰もが知っているが誰も知らなかったソン・ヘさんの人生の物語がいろいろ盛り込まれています。原題は「송해 1927」です。
④「君に行く道」は韓国のドキュメンタリー。今春開催の<第22回全州国際映画祭>韓国コンペ部門で審査委員特別言級賞・ドキュメンタリー賞を受賞し、第23回ソウル国際女性映画際等々に公式招待される等、注目されている作品です。制作主体は女性主義メディア共同体の<性的少数文化人権連帯 薄桃チマ(연분홍치마)>。その10番目の作品で、「3XFTM」「レズビアン政治挑戦」「鍾路の奇跡」に続くカミングアウトシリーズ第4作です。今作でスポットが当てられたのは性少数者の両親、消防公務員34年目のナビと航空乗務員27年目のビビアン。ピョン・ギュリ監督は「彼らが話したい話を語り終えるまで記録しました。性少数者の両親もまた日常的なことを侵害されており、社会が彼らを人格体として尊重しているのか疑問です」と言います。原題の「너에게 가는 길」は「君に行く道」は「君のところに行く道」「君の方に行く道」「君に近づく道」等にする方が自然な日本語ですね。監督によれば「道は未完成のイメージ。両親が性少数者の当事者に近づく旅程であり、同時に自分がすすんであなたの方に行く道という意味を込めました」とのことです。
です。
【記者・評論家による順位】
①(1) ファースト・カウ 8.40(10)
②(-) サマ 8.25(4)
③(-) 水を抱く女 8.00(6)
④(-) スパイの妻(日本) 8.00(5)
⑤(4) あの日のように抱きしめて 7.80(5)
⑥(-) アイダよ、何処へ? 7.67(3)
⑦(5) プチ・ママン 7.63(8)
⑧(6) DUNE/デューン 砂の惑星 7.50(8)
⑨(7) アネット 7.44(9)
⑩(-)モガディシュ(韓国) 7.27(11)
新登場の作品はありません。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月19日(金)~11月21日(日) ★★★
2ヵ月ぶりの韓国映画、「ジャンルだけロマンス」が1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(9)・・ジャンルだけロマンス(韓国)・・11/17 ・・・233,081・・・・・・・・331,653・・・・・・3,407・・・・・1,192
2(1)・・エターナルズ・・・・・・・・・・・・・・・11/03 ・・・・220,512 ・・・・・2,846,428・・・・・29,754 ・・・・1,257
3(3)・・DUNE/デューン 砂の惑星 ・・・10/20 ・・・・・91,314・・・・・・1,344,613・・・・・14,485 ・・・・・・674
4(2)・・江陵[カンヌン](韓国) ・・・・・・・11/10 ・・・・・42,156 ・・・・・・・280,937・・・・・・2,922・・・・・・・606
5(新)・・ディア・エヴァン・ハンセン ・・11/17 ・・・・・41,023・・・・・・・・・73,170・・・・・・・・745・・・・・・・621
6(23)・・フレンチ・ディスパッチ ・・・・・11/17・・・・・24,783・・・・・・・・・37,882・・・・・・・・420・・・・・・・273
ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
7(4)・・アダムス・ファミリー2 ・・・・・・11/10・・・・・21,136・・・・・・・・102,961・・・・・・・・926・・・・・・・378
アメリカ横断旅行!
8(新)・・鬼滅の刃 那田蜘蛛山編(日本)・・11/10・・・・17,411・・・・・・・・・29,665・・・・・・・・290・・・・・・・310
9(新)・・BanG Dream! FILM LIVE・・・・11/18・・・・・・5,582・・・・・・・・・・9,672・・・・・・・・102・・・・・・・・90
2nd Stage(日本)
10(5)・・鬼滅の刃 兄妹の絆(日本) ・・・・11/10・・・・・・4,621・・・・・・・・・60,315・・・・・・・・597・・・・・・・228
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
久しぶりに韓国映画が1位。その「ジャンルだけロマンス」はそんなに抜きん出た数字というわけでもないので来週までもつかは疑問。内容は最初ドタバタめいた恋愛コメディか?と思いましたがそうでもないみたいな・・・。少なくとも主演のリュ・スンリョンの演技は観客・評論家を問わず好評のようです。
新登場は5・6・8・9位の4作品です。
5位「ディア・エヴァン・ハンセン」はアメリカのドラマ。日本でも11月26日公開で予告編等々諸情報が流されているので説明は省略します。韓国題は「디어 에반 핸슨」です。
6位「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」はアメリカのコメディ。今年の<第74回カンヌ国際映画祭>コンペ部門で初上映されました。そして監督は「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014)や「犬ヶ島」(2018)のウェス・アンダーソン監督となると、それだけで私ヌルボの期待が高まります。(・・・と書きながらも、ジツは<東京国際映画祭2021>で9月末からチケット先行抽選販売してたことに気づかず見逃してしまさったんですけど。) タイトル中の<フレンチ・ディスパッチ>とは20世紀初頭のフランスの架空の都市で発行されたアメリカの雑誌「ザ・フレンチ・ディスパッチ」のこと。(そのモデルはザ・ニューヨーカーだそうです。) その編集長がある日突然に急死し、最精鋭のジャーナリストが一堂に会することに。遺言によって追悼かつ最終号が発行されることになりますが、それに載せる4つの特ダネについての話がオムニバス形式で紹介されていきます。韓国題は「프렌치 디스패치」。日本公開は来年の1月28日です。もうウェス・アンダーソンらしさが凝縮されている→予告編ができてます。待ち遠しいなー!
8位「鬼滅の刃 那田蜘蛛山編」も「兄妹の絆」と同様9月にTV放映されていたのですね。ただコチラは劇場公開はされてないようですね。いずれにしてもTVも漫画も見てないので私ヌルボとしては何とも言えませんが・・・。韓国題は「귀멸의 칼날: 나타구모산 편」です。
9位「BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage」、このシリーズは日本アニメの中で私ヌルボにとって一番遠くて疎い部類かもしれません。一応YouTubeにあったロングPV(→コチラ)を見てみましたが、女ノコたちの顔の見分けがつかん! ファンの人たちは髪の色&髪型で区別しているのかな ?? 韓国題は「뱅드림! 필름 라이브 세컨드 스테이지」です。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・恋の病・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/17・・・・・・・・・1,612・・・・・・・・3,234・・・・・・・・・・・29 ・・・・・・133
~潔癖なふたりのビフォーアフター~
2(2)・・アネット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/27 ・・・・・・・・1,509 ・・・・・・37,829 ・・・・・・・・・333・・・・・・・・20
3(1)・・ファースト・カウ ・・・・・・・・・・・11/04・・・・・・・・・1,171 ・・・・・・10,437・・・・・・・・・・・96・・・・・・・・24
4(11)・・ソ・ンヘ 1297(韓国)・・・・・・・11/18・・・・・・・・・1,041・・・・・・・・2,360・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・60
5(21)・・幸福の速度(韓国)・・・・・・・・・・11/18 ・・・・・・・・・・835・・・・・・・・3,120・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・18
1・4・5位の3作品が新登場です。
1位「恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~」は台湾のラブロマンス。奇跡的に出会うラブコメ。日本では8月20日に公開されています。韓国題は「괴짜들의 로맨스(変人たちのロマンス)」です。
4位「ソンヘ 1297」については上述しました。
5位「幸福の速度」は韓国のドキュメンタリー。2人で暮らす特別な縁(正妻と2号さん)を持つ2人のおばあさんの日々を描いた「チュニ、マギ」で<第16回全州国際映画祭>(2015)のCGVアートハウス賞を受賞して長編デビューしたパク・ヒョクジ監督の3作目のドキュメンタリーの舞台は右のポスターを見てみて下さい。どこかわかりますか? 日本の、尾瀬です。尾瀬では車が入れないため、必要な物資は人が背負って運ぶしかありません。その仕事に携わっている人が歩荷(ボッカ)で、背負子(しょいこ)に70~80kg(あるいは100kg以上)の荷物を積み重ね、担いで山道を歩いて運びます。(参考記事→コチラ。)
2016年、忘れられた昔の職業にスポットを当てるドキュメンタリーを依頼された監督が企画中に偶然目にしたのがそんな巨大な荷物を背負った歩荷の写真でした。その強烈な第一印象をきっかけに歩荷をテーマにした放送番組を演出します。その後も監督は尾瀬と歩荷が持つ魅力に導かれ、とくに2人の歩荷に焦点を絞って本作の制作に取り組みます。歩荷24年目のベテラン五十嵐さんは山小屋の主人や後輩の歩荷たちから厚い信任を受けている人物です。その仕事に誇りを持ち、毎日同じ道を歩く中でも毎瞬間新しい楽しさを感じているようです。尾瀬の冬は長いため歩荷の働ける日は半年ほどですが、彼はひたすら歩荷として働くために長い冬を黙々と待ちます。一方、石高さんは歩荷という職業を広く知らせるために物心両面で努力しています。大阪出身ですが歩荷をするために尾瀬に来たという彼は<日本青年ボッカ隊>を作って活動し、尾瀬の外にも出るなど五十嵐さんとは対照的な姿を見せます。本作はこのような2人の対比を軸に展開していくように見えますが、それによって人の生き方をより深く考えることになるという狙いとのことです。人生の省察は監督自身の思いに止まらず、観客の多くも彼らの姿から、あるいは尾瀬の自然や動植物からも、自分の人生を振り返る契機となりそうな作品、というのは観客のレビューからもうかがわれます。原題は「행복의 속도」です。
ミシンの機械の部分と、台と脚の部分と二日で運んできたように覚えています。
雲南省に旅した時は、階段を背負って運んでいる人を見ました。
職場の同僚で、神戸の地震の翌朝には、ペットボトルを何十本も背負って歩き出した人もいました。
登山をする人で、自分が何キロのものを背負えるかが分かっていたんですね。
背負って運ぶ、この原始的なことが何かいろんなことを想起させます。
当時はまだキスリングザックの時代でしたね。高校生は(って私もですが)20㎏でも十分重く、30㎏はとてもムリです。70年代だったか、6月頃に丹沢(たぶん塔ノ岳)に登るとN大探検部のグループが50㎏はありそうなでかいザックを背負ってよろけながら走り下りて来るのを見て驚いたことがありましたが、尾瀬の歩荷さんが運ぶ70~80kgあるいはそれ以上という重さは想像を絶するレベルですね。
尾瀬も行ったことがあります。夏が来ると思い出しますね(笑)…て、何月に行ったのかな?
今は階段を上るのもシンドイですが、いい思い出です。富士山は登ってませんが、日本第2の高峰北岳とか槍ヶ岳とか・・・。高校時代に初めて登った地元徳島の剣山に・・・と思い出をだどるとキリがないなあ・・・。
しかし、お父様がミシンを担いで・・・というお話は(何年頃かはわかりませんが)その時代の生活を感じさせるエピソードといった感じがしますね。
一歩一歩歩いて行く感覚が今でも残っています。
背負って歩く、という行為には何か不思議な力があったんだな、と思います。
子供の頃、知り合いから譲り受けたミシンを母のために父が担いで帰ってきたこともありました。
どんなものも、たいていは担いで運んでいた。
楽しみな映画ですね。