ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 週末の興行成績 [2月7日(金)~2月9日(日)]と、人気順位 ►時空を隔てて「羅小黒戦記」に「白蛇伝。「あすなろ物語」にはうるうる・・・。

2020-02-11 23:05:16 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸3週間ほど前、「パラサイト 半地下の家族」を観てない知人に「オススメですか?」と問われ、「あまり好きではなく特に感動もしなかった、とはいえ、観るべき映画」と答えました。つまり、「自分が感動したか否か?と、薦めるか否か?は別」で、たとえば「象は静かに座っている」は感動しましたが、人に薦めようとは思いません。いや、相手によって薦めることはあるかも・・・。今回のアカデミー作品賞受賞も長年の韓国映画ファンとして喜ばしいことではありますが、3週間前に書いたように歴代のアカデミー賞で「コレは感動した! みんな観てね!」という作品はあまりないという点では芥川賞にも共通するなー、ということを考えたりしてます。(つまり、かなりさめてるということ。)

▸一昨日~昨日はオタクっぽい映画3本鑑賞。一昨日はシネマ・ジャック&ベティで「羅小黒(ロシャオヘイ)戦記」。いやあ、この中国アニメ、思いのほか認知度高そうですね。17:35の回の25分前に行ったらもう41番目。で感想は、昨年観た「流転の地球」同様、どんな形態でもやっぱり中国。当然技術面は如実に進歩してます。ただ動きが速すぎて、(たぶん)動体視力の衰えてる年寄りにはツライわい、けほけほ。
 昨日10日は、その関連といえば関連で、歴史的東映アニメの「白蛇伝」(1958)を観にユジク阿佐ヶ谷へ。これも意外と混んでたなー。「白蛇伝」は最初に観たのは小学校の団体鑑賞(!)。すごく感動した記憶が残ってます。その後1度観たことがあったかどうか、全然わからず。ハッピーエンドだったかどうかも・・・。今のふつうのアニメと大きく異なるのは、専門の声優たちが大勢というのではなく、森繁久弥と宮城まり子の2人だけで全部やっちゃうのですね。歌を歌ったりとか、森繁はナレーションやったりとか・・・。ヌルボ個人としてはいろいろ懐かしかったけど、今の子供たちにどうなんだろ? そういえばこの映画館でも8日からずっと「羅小黒戦記」を上映しているのですが、2月中はすでに完売だそうです。
 そしてユジク阿佐ヶ谷から軽いランチを挟んで今度はラピュタ阿佐ヶ谷へ。この建物の佇まいは特筆モノ。ぜひ多くの映画ファンに来てほしい、・・・といっても、ほとんど満員だったですが。で、観た映画は「あすなろ物語」(1955)ですがな。タイトルだけでもググッときます。井上靖の原作小説を読んだのは中学3年の頃だったかな? 「冴子」という名前の読みをその時初めて知りました。「漲ろう」とかも・・・。映画は今回が初めて。その冴子は岡田茉莉子か。そして久我美子、木村功と、好きな俳優が何人も出演してます。小説も良かったけど、映画も良かった! 何が良いのかというと、小説にしろ映画にしろ、作品に真摯に向かい合ってるから。ウケをねらうようなさもしい根性の対極。登場人物も作品を作る人も真摯に生きていたということが感じられるのです。(昔の人皆がそうだったとは思いませんが、この作品については、ということです。)
▸キネマ旬報2月下旬号の<戯画日誌>で、増冨竜也さんが2019年度のアニメベスト・テンを上げていました。その外国映画の方は私ヌルボ、2位「幸福路のチー」等4作品を観ていました。1位は「ブレッドウィナー」なのですが、何これ? ・・・と思って検索したところ、ポスターの画像(右)を見て思い出しました。デボラ・エリス「生きのびるために」(さ・え・ら書房)が原作の、カナダ=アイルランド=ルクセンブルク合作作品。(あの「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」(2014)と同じとこで作ったそうです。) 2017年制作で、外国サイトだかで紹介記事を読んで、これは観なくてはと思ってたのが、暮れにYEBISU GARDEN CINEMAで上映していたことに気づきませんでした。しかし今後シネマ・ジャック&ベティやユジク阿佐ヶ谷、それに決して多くはないものの関東~九州で上映の予定ということで皆さんにもお知らせしておきます。(→公式サイト)。

▸キネマ旬報2月下旬号で2019年のベスト・テンを見て、個人的に「これは画期的だゾ!」と思ったのは、外国映画の1~14位まで全部観ていた作品だったということ。ふふふ。ただ、そのベスト・テンの中で→<★2019年 ヌルボの個人的映画ベスト10>と重なっているのが8位の「象は静かに座っている」だけだったとはねー(笑)。ちなみにヌルボが4位に入れた「バジュランギおじさんと、小さな迷子」、10位の韓国映画「リトル・フォレスト 春夏秋冬」は、70人を超える選考委員の誰も10位までも入れてないし・・・。まあ、そんなものかも。日本映画のベスト・テンの方は、観た作品が2位「半世界」等4作品でした。

<大阪アジアン映画祭>の→公式サイトを見たら、注目の韓国映画「はちどり」や、気になってるドキュメンタリー「ポーランドへ行った子どもたち」等が《祝・韓国映画101周年:社会史の光と陰を記憶する》という特集企画で上映されるとのことです。(大阪まで観に行くってか?? うーむ・・・。)

         ★★★ NAVERの人気順位(2月11日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 泣くな、トンズ2:シュクラン ババ(韓国)  9.68(136)
②(2) モンマルトルのパパ(韓国)  9.66(97)
③(新) 劇場版 ミニ特攻隊: 恐竜王 ディノ(韓国)  9.57(137)
④(3) フォードvsフェラーリ  9.52(7,669)
⑤(4) ヘロニモ(韓・米)  9.46(236)
⑥(5) 遠回りの道(韓国)  9.43(46)
⑦(新) ジョジョ・ラビット  9.40(440)
⑧(7) 2人のローマ教皇  9.37(531)
⑨(8) スパイズ・イン・ディズガイズ  9.33(1,341)
⑩(10) 家族を想う時  9.32(371)

 ③と⑦の2作品が新登場です。
 ③「劇場版 ミニ特攻隊: 恐竜王 ディノ」については後述します。
 ⑦「ジョジョ・ラビット」は、日本ではすでに1月17日に公開されています。韓国題は「조조 래빗」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(2) アイリッシュマン  9.11(9)
③(3) パラサイト 半地下の家族[寄生虫](韓国)  9.06(16)
④(4) 小さな光(韓国)   8.67(3)
⑤(5) マリッジ・ストーリー  8.50(2)
⑥(6) はちどり(韓国)  8.38(13)
⑦(新) ペイン・アンド・グローリー  8.00(7)
⑧(7) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド  7.90(10)
⑨(8) ジョーカー  7.64(11)
⑩(9) フォードvsフェラーリ  7.63(8)

 ⑦「ペイン・アンド・グローリー」が新登場です。この作品については後述します。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2月7日(金)~2月9日(日) ★★★
           ハ・ジョンウ主演のミステリー「クローゼット」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(22)・・クローゼット(韓国)・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・489,358・・・・・・・681,181 ・・・・・・・・5,966・・・・・・1,192
2(新)・・ハーレイ・クインの華麗なる覚醒・・2/05・・・・・166,182・・・・・・・260,399 ・・・・・・・・2,340 ・・・・・・・946
       BIRDS OF PREY
3(1)・・南山の部長たち(韓国)・・・・・・・・1/22 ・・・・・・・・・158,760 ・・・・・4,580,109 ・・・・・・・39,797 ・・・・・・・834
4(2)・・ヒットマン(韓国)・・・・・・・・・・・・1/22 ・・・・・・・・・・99,866 ・・・・・2,348,208 ・・・・・・・18,348 ・・・・・・・694
5(26)・・劇場版 ミニ特攻隊・・・・・・・・・・2/06 ・・・・・・・・・・34,090・・・・・・・・42,307・・・・・・・・・・332 ・・・・・・・483
       :恐竜王ディノ(韓国)
6(36)・・ジョジョ・ラビット・・・・・・・・・・2/05・・・・・・・・・24,444・・・・・・・・・36,645・・・・・・・・・・315 ・・・・・・・276
7(5)・・インセプション ・・・・・・・・・2010/7/21・・・・・・・・・・12,730 ・・・・・5,928,845 ・・・・・・・44,263 ・・・・・・・153
8(3)・・スパイズ・イン・ディズガイズ・・1/22・・・・・・・・・・・7,820・・・・・・・446,276 ・・・・・・・・3,660 ・・・・・・・228
9(38)・・ペイン・アンド・グローリー・・・2/05・・・・・・・・・・・7,550・・・・・・・・18,796・・・・・・・・・・146 ・・・・・・・175
10(7)・・燃え立つ若い女性の肖像・・・・・1/16・・・・・・・・・・・6,995・・・・・・・126,844 ・・・・・・・・1,061 ・・・・・・・111
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 1・2・5・6・9位の5作品が新登場です。
 1位「クローゼット」は、韓国のミステリー&ドラマ。突然の事故で妻を失ったサンウォン(ハ・ジョンウ)は、疎遠になっていた娘のイナ(ホ・ユル)との関係を修復するために新しい家に引っ越します。ところが努力はするのですがイナとはなかなかうまくいきません。そんなある日、イナは新しい友達ができたと言って笑うようになります。しかし穏やかな日々もつかの間。イナの部屋の中にあるクローゼットから奇妙な音が聞こえてきて、イナにに異常な症状が現れます。そしてサンウォンまでも奇妙な夢を見るようになり、その後イナはなんの痕跡もなくいなくなってしまいます。その後イナを必死で探し続けるサンウォンのところに、ある日謎の男ギョンフン(キム・ナムギル)が訪ねてきて、「娘の行方を知っている」と指示した場所は、なんとイナのクローゼットでした。10年間行方不明の子供の行方を追ってきて、信じがたい話を聞いたサンウォンは、娘を見つけることができるという思いで開けてはならないクローゼットに手を伸ばしますが・・・。原題は「클로젯」です。
 2位「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」は、アメリカのクライム&アクション。本作の主役は「スーサイド・スクワッド」(2016)で“悪カワヒロイン“として人気を集めたハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)です。長い恋人だったジョーカーと別れたハーレイ・クインは、初めて迎えた解放感に浸っていました。ところが、ジョーカーという後ろ盾が消えて無防備状態に置かれたハーレイ・クインをゴッサムシティの犯罪王ロマン・シオニス(ユアン・マクレガー)とゴッサムのギャングたちが狙います。これに対抗するハーレイ・クインのチームを→公式サイトで見ると、いやあ、翔んでるオネーチャンたちが何人も。(翼がついてる!) こういうの演じる女優サンたち楽しそう(笑)。韓国題は「버즈 오브 프레이(할리 퀸의 황홀한 해방」。日本公開は3月20日です。
 5位「劇場版 ミニ特攻隊:恐竜王ディノ」は、韓国のアニメ。好奇心旺盛な少年」ヤンは恐竜王のカギとしてディノに会い、秘密の友だちになります。そんな中、宇宙悪党のクイーンが地球を脅かします。これに対してミニ特攻隊は恐竜王ディノと一緒に大々的に対決を展開することになりますが、はたしてミニ特攻隊と恐竜王ディノは地球を守ることができるでしょうか・・・。原題は「극장판 미니특공대: 공룡왕 디노」です。
 6位「ジョジョ・ラビット」は、上述のように日本ではすでに公開されています。
 9位「ペイン・アンド・グローリー」は、スペインのドラマ。生きがいを失った映画監督が自身の過去と向き合う物語で、ペドロ・アルモドバル監督の自伝的な要素が織り込まれた作品とのことです。かつて世界的な映画監督として活躍していたサルバドール(アントニオ・バンデラス)は、脊椎の痛みで心身共に疲弊し、引退同然の生活を送っています。彼は母親のことや幼少期に引っ越したバレンシアでの出来事など、過去を回想するようになります。ある時、32年前に撮った作品の上映依頼が舞い込むと、彼は自分の映画を再び見るようになり、憎んでいた主演俳優アルベルトを久しぶりに訪ねて行きます。そして自分の過去と遭遇することになり、新たなインスピレーションを得るのですが・・・。強烈だった初恋、きらびやかた欲望、痛ましい別れ、最も率直な巨匠の世界を窺い見ます・・・。韓国題は「페인 앤 글로리」。日本公開は2020年初夏の予定です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・燃え立つ若い女性の肖像 ・・・・・・・・1/16 ・・・・・・・・・6,995・・・・・・・・126,844・・・・・・・・1,061 ・・・・・・・・111
2(4)・・カザンザキス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/30・・・・・・・・・・・384・・・・・・・・・・2,508 ・・・・・・・・・・19 ・・・・・・・・・12
3(10)・・2人のローマ教皇 ・・・・・・・・・・・・・12/11・・・・・・・・・・・303・・・・・・・・・30,502 ・・・・・・・・・236 ・・・・・・・・・11
4(新)・・ネヴァー・ルック・アウェイ ・・・・・2/20・・・・・・・・・・・290 ・・・・・・・・・・・946 ・・・・・・・・・・・6 ・・・・・・・・・・1
5(5)・・パヴァロッティ ・・・・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・238・・・・・・・・・47,049 ・・・・・・・・・374 ・・・・・・・・・13

 4位「ネヴァー・ルック・アウェイ」(仮)が新登場です。「善き人のためのソナタ」で第79回アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したドイツのフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督によるドラマ&スリラー。芸術家ゲルハルト・リヒターの半生を題材に生まれた作品です。舞台は第2次世界大戦前後のドイツ。東ドイツで生まれの青年クルト(トム・シリング)は芸術家をめざして西ドイツに渡り、芸術学校に入ります。そこで亡き叔母と同じ名前の女性エリー(ポーラ・ビール)と出会って恋に落ちます。愛と芸術が深まるにつれ、クルトは世の中の隠された真実に接近していきますが・・・。愛と政治と芸術と、すべてが混沌としていた瞬間、ひとつの真実が浮かび上がります・・・。韓国題は「작가 미상(作家未詳)」。日本公開は未定のようです。

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