ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

カンプル原作の映画「29年」、再び製作される見通し!? -全斗煥を狙う光州事件の遺児たち-

2012-01-08 00:23:50 | 韓国映画(&その他の映画)
 昨日観た韓国映画「哀しき獣」の韓国ネチズンの評価はどうかな?と<DAWM映画>で<황해(黄海)>を検索してみたら、右側のネチズンの<조해순>のトップに29년とあるのが目にとまりました。もしや、と思い<황해>は後回しにして<29년>で検索してみると、案の定カンプル原作の漫画が原作の映画。
 実は2008年監督イ・ヘヨン、そしてキム・アジュン、リュ・スンボム、ビョン・ヒボン、チョン・ホジン等の出演もニュースで報じられ、同年10月にクランクインする予定だったのが製作中止になってしまった作品です。
 それが再び製作される見通しとのことなんですね。いろんなサイトでこの件が報じられていますが、情報源は韓国のスポーツ芸能メディア<OSEN>の<무산됐던 강풀'29년',다시 만들어진다(霧散となったカンプル「29年」、再びつくられる)>と題した記事。
 それによると、つい先日(1月5日)韓国封切の「ワンダフル・ラジオ」のクォン・チルイン監督がメガホンをとることは決まっているが、キャスティングは進行中とのこと。

 この映画が2008年製作中止になった理由は、他の記事をいくつか見てみると、「投資状況がうまくいかなかった」ことと「政治的外圧」があげられています。

 この原作漫画は、本ブログ昨年10月31日の記事<カンプルの漫画「26年」と5.18光州民主抗争>で記したように、1980年光州民主抗争から26年後、自分の親を殺された当時の子どもが成長して、親の敵(かたき)全斗煥をターゲットとして復讐を企てるという話です。2007年の大ヒット作光州5・18(華麗なる休暇)に比べ、より政治的立場がはっきりしている作品といえると思います。政治性を別にしても、実在の人物を狙うというのは「穏やかではない」ですね。フィクションとしては、緻密に構成された迫真の物語で、私ヌルボは先の記事で書いたようにカンプルの作品中のベスト3に入れているのですが・・・。

 日本でも昨年公開された「戦火の中へ」が保守の側に立脚した反共映画とみられたり(まあそうでしょう)、「小さな池」が左派の側の映画人たちによって作られたり、韓国では映画界にも左右の対立がここかしこに見られます。
 この「29年」も、製作以前からそんな問題がからまっているようで、はたして順当に完成までいくのでしょうか? 今後の成り行きが注目されます。(この典型的な紋切型はずるいけど便利だなー。)
 しかし、もう29年目も過ぎてしまいましたね。かといって「33年」とかにすると、主役たちが皆30代になってしまって魅力が薄れてしまう・・・ということを考えたのかも。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北朝鮮に関心を持つ人の必読... | トップ | 韓国内の映画 Daumの人気順... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国映画(&その他の映画)」カテゴリの最新記事