ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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平松洋子「韓国むかしの味」(新潮社.とんぼの本) は韓国各地の食を興味深く紹介してくれる

2011-06-25 09:55:06 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
    

 平松洋子「韓国むかしの味」(新潮社)を読了しました。
 <とんぼの本>は内容も装丁も上品で、ヌルボの趣味と人となりにピッタリ、なんてね(汗笑)。
 パラッと開いて見たら、以前の記事で紹介したヨン様の本に載っていた光陽の青梅農園にも行ってるし、平松さんお上品、と思って他のページを見ると、あにはからんや、実にいろんな所に行って、いろんなモノを召し上がっていらっしゃる! 

 平松洋子さんが行った所。ソウル広蔵市場のコマキムパプは、先日そごう横浜で八田靖史さんも話していた有名な店。その他、ヌルボも何度か行った武橋洞プゴククチプじゃなく、その隣りの白飯定食だけの小さな店内江や、南漢山城のおにぎり豆腐、ここらへんは「よし、今度行ってみよう」レベル。
 さらには忠北・槐山でオルゲンイ(올갱이.カワニナ科の巻き貝)を食べたり幻の魚ソガリの刺身を味わったり・・・。
 オルゲンイといえば、偉大な韓国オタクブロガーの先達Morris.さんの2010年8月9日の日記に、釜山チャガルチ市場あたりの「朽ちかけた倉庫みたいないい感じの建物」の韓電職員食堂(!)で食べたククの中にオルゲンイを発見し、「カ・ン・ゲ・キッ!!」していらっしゃいます。

※NAVER辞典によると올갱이はタスリギ(다슬기)の方言(江原・忠北)とあります。また上記のMorris.さん、オルゲンイのことをコディ(고디)とも記していますが、これは다슬기の慶尚道方言だそうです。

 そして平松さんが釜山の機張郡で「奇天烈な味に遭遇した」と記しているのは深海魚の一種コムジャンオ(ヌタウナギ)。ご存知ない方は写真を見るとちょっと引いてしまうかも・・・。これを火をつけたワラの中に放り入れ、黒焦げになった皮をぴーっと剥いで、胡麻油をつけて口に放りこむ。噛むと弾力があって、「じわーっとうまみが湧く」、「イカにも似ている・・・モツっぽい感じもする・・・不思議な食感と味」なのだそうですが、ヌルボは未経験。

 これらの他にも江原道から全羅道までいろんな所へ行っていろんなモノを食べて、大した行動力&好奇心です。食べた感想だけでなく、調べた上でちゃんと話を聞いて取材し、詳しく記述している点がよい。
 2006年には「買えない味」でドゥマゴ文学賞を受賞しているんてすね。山田詠美との受賞対談を読むと、山田詠美は「平松さんの文章を読むためだけにdancyuを買いに毎月コンビニに走った。それが書籍になり、この賞の選考とが重なり、本当にラッキー!と思った」と語ってます。

 写真もきれいで豊富。できあがった料理の写真だけでなく、作っているところも撮っていたりして
いるのも○。
 1500円は高いと思うかもしれませんが、内容等を考えると高過ぎることはないと思いました。

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