この1週間、映画は観てないなと考えながらこの記事を作成していたら、<DAUM>の人気順位中に「あなたを抱きしめる日まで」があるのを発見。まだ観ていなかったことに気づき、横浜ブルクに直行。ありきたりのラブロマンスっぽいタイトルだから見過ごしていたのですよねー。
で、観に行って大正解。今年に入って観た20本の中で1番かも。以前はなんとなくよく見る脇役のオバサンだったジュディ・デンチ、観るごとにその演技の深さがわかってきます。
内容はというと、1952年アイルランドで10代で未婚のまま妊娠したフィロミナはカトリックの修道院に入れられ、生まれた男の子は修道院によってアメリカに養子に出されてしまうのですが、60年近く経ってフィロミナがジャーナニストと2人でアメリカに息子を探しに行くという実話に基づいた話。観終わって思ったのは、この話は韓国にも共通するということ。つまり海外への<入養児(입양아.イビャンア)>の問題。韓国が外国に送り出した多くの養子の問題については、本ブログ゛でも映画「冬の小鳥」(→コチラ)や「はちみつ色のユン」(→コチラ)についての記事で取り上げてきました。
というわけで、韓国の映画ファンはどう受けとめたのかなと思い<DAUM映画>で見てみると、映画評論家のファン・ジンミさんだけがこのことに触れていました。「孤児輸出国韓国の観客が見るには、この映画の告発は薬菓でしょう★★☆5.0」との評です。
しかし、この朝鮮戦争とその戦後の頃、多くの養子を外国から受け入れたアメリカ側の事情についても気になるところです。また、こんなとこでもアイルランドと韓国の共通項があるのかということも。
・・・と、思わぬところで韓国がらみの問題と遭遇。
先週16日に起こった旅客船セウォル号の沈没事故以来、韓国社会は日本の東日本大震災後にも近いようなTVの娯楽番組や芸能関係の公演等の中止の波が広がりました。プロ野球やサッカーも応援自粛です。20日の「朝鮮日報」の記事(→コチラ.韓国語)によると、映画もその影響で週末の興行成績は半分、1日33万人の落ち込みで、歴代最低レベルだそうです。そのためか、18日の「朝鮮日報」には映画欄なし。「ぴったり10字評」もありませんでした。
その他「朝鮮日報」の映画関連の記事でとくに注目は、その1が「ハン・ゴンジュ」と「さまよう刃」に共通する問題について。(→コチラ.韓国語。) 見出しは「10代少女の残酷史・・・それでも希望を」です。「ハン・ゴンジュ」については後述します。
その2は「5月15日公開予定の「ゴジラ」、旭日旗を活用したポスターで論乱」という見出しの記事。(→コチラ.韓国語。)
【背景はもろ「旭日旗」。あえてコメントは致しません。】
★★★ Daumの人気順位(4月22日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①ハン・ゴンジュ(韓国) 9.5(87)
②弁護人(韓国) 9.5(30474)
③貪欲の帝国(韓国) 9.4(46)
④アーネストとセレスティーヌ 9.1(55)
⑤リバー・ランズ・スルー・イット 9.1(120)
⑥あなたを抱きしめる日まで 9.1(37)
⑦怪しい彼女(韓国) 9.0(2688)
⑧イングリッシュ、ヴィングリッシュ 9.0(84)
⑨ベルとセバスチャン 8.9(53)\t
⑩舟を編む(日本) 8.9(46)
①「ハン・ゴンジュ」と⑥「あなたを抱きしめる日まで」が初登場です。
①位「ハン・ゴンジュ」はいろんな意味で大注目作。昨年の第18回釜山国際映画祭でCGVムービーコラージュ賞と市民評論家賞を受賞、その他第43回ロッテルダム国際映画祭等多くの映画祭での受賞が相次いでいます。(→コチラ参照。) タイトルの「ハン・ゴンジュ(한공주)」は主人公の女子高生の名前。「ある(1人の)お姫様」とも読めますが・・・。予期せぬ事件で友人を失い、地方の小都市から逃げるように都会の高校に転校することになった彼女が直面する痛みとその傷を癒しながら克服していく過程を淡々と描く・・・と、ぼやかした説明が多く見られますが、実は2004年に起きた「密陽女子中学生事件」がモチーフとなった作品です。この何ともひどいとしか言いようのない事件については、本ブログの<韓国映画「ビー・デビル」の感想と、モチーフとなった3つの事件のこと等>と題した記事(→コチラ)で書きました。(ウィキペディアにも項目あり。)
「何ともひどいとしか・・・」というのは、事件そのものも残酷であるばかりか、その後の警察の対応や、彼女を取り巻く「世間」のどうしようもなさに言葉を失います。それだけでもすでに彼女がかわいそうなのと義憤で涙が・・・。この上、映画まで視たらぐちゃぐちゃになりそう。この作品が作られたこと、そして高評価を受けていることが1つの希望ではあります。こうした韓国の現実を、嫌韓のネタにしないことを望みます。(なぜこんな事件が多く起こるのか、についてはヌルボなりに考えてみます。)
⑥「あなたを抱きしめる日まで」については上述しました。韓国題は「필로미나의 기적(フィロミナの奇跡)」です。日本では3月15日から劇場公開されています。
【専門家による順位】
①インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 8.8(7)
②ゼロ・グラビティ 8.2(5)
③罪の手ざわり(中国・日本) 8.1(8)
④ミヒャエル・コールハース 8.0(4)
④ミス・ヴァイオレンス 8.0(4)
⑥グランド・ブダペスト・ホテル 7.8(7)
⑦萬神(韓国) 7.7(4)
⑧そして父になる(日本) 7.6(6)
⑨アメリカン・ハッスル 7.6(5)
⑩物語る私たち 7.5(4)
今回の新登場はありません。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月18日(金)~20日(日)] ★★★
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」が4週連続1位だが、数字は大幅減
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・キャプテン・アメリカ/ ・・・・・・・・3/26・・・・・・・・・・・・242,938 ・・・・・・・3,705,395 ・・・・・・・29,735・・・・・・・・558
ウィンター・ソルジャー
2(18)・・ダイバージェント・・・・・・・・・・・・4/16 ・・・・・・・・・・・・212,933・・・・・・・・・278,424 ・・・・・・・・2,195・・・・・・・・507
3(2)・・さまよう刃(韓国) ・・・・・・・・・・・・4/10 ・・・・・・・・・・・・189,515・・・・・・・・・801,763 ・・・・・・・・6,371・・・・・・・・489
4(4)・・サン・オブ・ゴッド ・・・・・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・・・・・67,940・・・・・・・・・258,437・・・・・・・・1,888・・・・・・・・348
5(新)・・ニード・フォー・スピード ・・・・・・4/16 ・・・・・・・・・・・・・・60,654 ・・・・・・・・・81,887・・・・・・・・・・657・・・・・・・・349
6(64)・・ハン・ゴンジュ(韓国) ・・・・・・・・4/17・・・・・・・・・・・・・・47,467 ・・・・・・・・・60,931・・・・・・・・・・486・・・・・・・・225
7(6)・・グランド・ブダペスト・ホテル ・・・3/20・・・・・・・・・・・・・・43,051・・・・・・・・・613,912・・・・・・・・4,811・・・・・・・・182
8(37)・・フェイス・オブ・ラブ・・・・・・・・・・・4/16・・・・・・・・・・・・・・28,649 ・・・・・・・・・46,097・・・・・・・・・・348・・・・・・・・222
9(7)・・ミニスキュル 劇場版・・・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・・・・・27,935 ・・・・・・・・・88,260・・・・・・・・・・635・・・・・・・・236
10(3)・・ザ・レジェンド・オブ・ヘラクレス・・4/10 ・・・・・・・・・・・・18,847 ・・・・・・・・212,557 ・・・・・・・・1,603・・・・・・・・240
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
冒頭に書いたように、今回は数字がどかっと落ち込んでいます。4週連続トップの「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」も24万人強ですからねー。
今回の新登場は2・5・6・8位の4作品です。
2位「ダイバージェント」は、アメリカの10代に人気の作家ベロニカ・ロスのベストセラー「ダイバージェント 異端者」(翻訳あり)を映画化したSFファンタジーアクション。舞台は、世界が崩壊してから100年後のシカゴ。そこでは住民を「無欲」「高潔」等の5つの派閥に振り分けることで争いのない社会を維持しています。主人公の少女トリスは16歳になった年に所属する派閥を選ぶ儀式を迎えますが、適性テストで下された診断結果は5つの派閥のどこでもない存在=ダイバージェント(異端者)。彼女はそのことを書くして「勇敢」派閥に加わるためのハードな入会儀式に挑みますが、やがて派閥間の争いに飲みこまれていきます・・・。韓国題は「다이버전트」。日本公開は7月です。
5位「ニード・フォー・スピード」は、人気レーシングカー・ゲームを映画化したアメリカのアクション。レーサーのトビー(アーロン・ポール)は、かつてパートナーだったディーノ(ドミニック・クーパー)により無実の罪を負わされていまいます。その復讐を胸に、公道を走る危険なストリート・レースに挑みますが、勝つためには手段を選ばないライバルたちや、彼の逮捕に執念を燃やす警察に追われながらトビーはゴールを目指します・・・。韓国題は「니드 포 스피드」。日本公開は6月7日です。
6位「ハン・ゴンジュ」については前述しました。
8位「フェイス・オブ・ラブ」は、アメリカのドラマ、なのかロマンスなのか・・・。5年前に最愛の夫を亡くした女性が、その彼と瓜二つの男性に出会って、親切なところやユーモアなども共通していてたちまちトムに魅了され・・・、というところまではわかるのですが、はたしてその先には幸せが待っているのか、それとも・・・。どうも彼女の愛の一人よがりな点がカギみたいだぞ。韓国題は「페이스 오브 러브」、日本公開は未定です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・あなたを抱きしめる日まで・・・・・・・・・・・4/16 ・・・・・・・・・・・・12,595・・・・・・・・・・・・・・23,494・・・・・・・・・173・・・・・・・・192
2(10)・・グランドピアノ ~狙われた黒鍵~・・4/17 ・・・・・・・・・・・・・7,343・・・・・・・・・・・・・・13,140・・・・・・・・・・94・・・・・・・・・88
3(新)・・渚にて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,702 ・・・・・・・・・・・・・・・1,702・・・・・・・・・・・3・・・・・・・・・・1
4(新)・・SHORT PEACE(日本)・・・・・・・・・・・・・4/17・・・・・・・・・・・・・・・536・・・・・・・・・・・・・・・・・713・・・・・・・・・・・5・・・・・・・・・・5
5(新)・・避暑地の出来事・・・・・・・・・・・・1972/8/19・・・・・・・・・・・・・・・452・・・・・・・・・・・・・・・5,888・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・・1
めずらしく、全部新登場です。
1位「あなたを抱きしめる日まで」については冒頭でいろいろ書きました。
2位「グランドピアノ ~狙われた黒鍵~」は、日本では3月8日から公開されています。韓国題は「그랜드 피아노」です。
3位「渚にて」は、1959年のアメリカ映画の再上映。グレゴリー・ペックとか、エヴァ・ガードナーとか懐かしいなー。韓国題は「그 날이 오면(その日が来れば)」で原題「On the Beach」とは全然違います。
4位「SHORT PEACE」は、大友克洋等4人のアニメ作品のオムニバスですが、日本での反応は今ひとつだったかな? ヌルボも観てません。韓国で評点をつけてるネチズンは2人だけ。一応どちらも10.0なんですけどね。韓国題は「쇼트피스」です。
5位「避暑地の出来事」もアメリカ映画の旧作の再上映。1959年の作品なんだけどな。トロイ・ドナヒューとかサンドラ・ディーとか、これまた懐かしい名前。映画は見てませんが、パーシー・フェイス楽団による主題曲「夏の日の恋」なんてのもよく聴いたもんだ。(&ハーモニカで吹いたりもしていた。) 韓国題は「피서지에서 생긴 일(避暑地で起こったこと)」です。
で、観に行って大正解。今年に入って観た20本の中で1番かも。以前はなんとなくよく見る脇役のオバサンだったジュディ・デンチ、観るごとにその演技の深さがわかってきます。
内容はというと、1952年アイルランドで10代で未婚のまま妊娠したフィロミナはカトリックの修道院に入れられ、生まれた男の子は修道院によってアメリカに養子に出されてしまうのですが、60年近く経ってフィロミナがジャーナニストと2人でアメリカに息子を探しに行くという実話に基づいた話。観終わって思ったのは、この話は韓国にも共通するということ。つまり海外への<入養児(입양아.イビャンア)>の問題。韓国が外国に送り出した多くの養子の問題については、本ブログ゛でも映画「冬の小鳥」(→コチラ)や「はちみつ色のユン」(→コチラ)についての記事で取り上げてきました。
というわけで、韓国の映画ファンはどう受けとめたのかなと思い<DAUM映画>で見てみると、映画評論家のファン・ジンミさんだけがこのことに触れていました。「孤児輸出国韓国の観客が見るには、この映画の告発は薬菓でしょう★★☆5.0」との評です。
しかし、この朝鮮戦争とその戦後の頃、多くの養子を外国から受け入れたアメリカ側の事情についても気になるところです。また、こんなとこでもアイルランドと韓国の共通項があるのかということも。
・・・と、思わぬところで韓国がらみの問題と遭遇。
先週16日に起こった旅客船セウォル号の沈没事故以来、韓国社会は日本の東日本大震災後にも近いようなTVの娯楽番組や芸能関係の公演等の中止の波が広がりました。プロ野球やサッカーも応援自粛です。20日の「朝鮮日報」の記事(→コチラ.韓国語)によると、映画もその影響で週末の興行成績は半分、1日33万人の落ち込みで、歴代最低レベルだそうです。そのためか、18日の「朝鮮日報」には映画欄なし。「ぴったり10字評」もありませんでした。
その他「朝鮮日報」の映画関連の記事でとくに注目は、その1が「ハン・ゴンジュ」と「さまよう刃」に共通する問題について。(→コチラ.韓国語。) 見出しは「10代少女の残酷史・・・それでも希望を」です。「ハン・ゴンジュ」については後述します。
その2は「5月15日公開予定の「ゴジラ」、旭日旗を活用したポスターで論乱」という見出しの記事。(→コチラ.韓国語。)
【背景はもろ「旭日旗」。あえてコメントは致しません。】
★★★ Daumの人気順位(4月22日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①ハン・ゴンジュ(韓国) 9.5(87)
②弁護人(韓国) 9.5(30474)
③貪欲の帝国(韓国) 9.4(46)
④アーネストとセレスティーヌ 9.1(55)
⑤リバー・ランズ・スルー・イット 9.1(120)
⑥あなたを抱きしめる日まで 9.1(37)
⑦怪しい彼女(韓国) 9.0(2688)
⑧イングリッシュ、ヴィングリッシュ 9.0(84)
⑨ベルとセバスチャン 8.9(53)\t
⑩舟を編む(日本) 8.9(46)
①「ハン・ゴンジュ」と⑥「あなたを抱きしめる日まで」が初登場です。
①位「ハン・ゴンジュ」はいろんな意味で大注目作。昨年の第18回釜山国際映画祭でCGVムービーコラージュ賞と市民評論家賞を受賞、その他第43回ロッテルダム国際映画祭等多くの映画祭での受賞が相次いでいます。(→コチラ参照。) タイトルの「ハン・ゴンジュ(한공주)」は主人公の女子高生の名前。「ある(1人の)お姫様」とも読めますが・・・。予期せぬ事件で友人を失い、地方の小都市から逃げるように都会の高校に転校することになった彼女が直面する痛みとその傷を癒しながら克服していく過程を淡々と描く・・・と、ぼやかした説明が多く見られますが、実は2004年に起きた「密陽女子中学生事件」がモチーフとなった作品です。この何ともひどいとしか言いようのない事件については、本ブログの<韓国映画「ビー・デビル」の感想と、モチーフとなった3つの事件のこと等>と題した記事(→コチラ)で書きました。(ウィキペディアにも項目あり。)
「何ともひどいとしか・・・」というのは、事件そのものも残酷であるばかりか、その後の警察の対応や、彼女を取り巻く「世間」のどうしようもなさに言葉を失います。それだけでもすでに彼女がかわいそうなのと義憤で涙が・・・。この上、映画まで視たらぐちゃぐちゃになりそう。この作品が作られたこと、そして高評価を受けていることが1つの希望ではあります。こうした韓国の現実を、嫌韓のネタにしないことを望みます。(なぜこんな事件が多く起こるのか、についてはヌルボなりに考えてみます。)
⑥「あなたを抱きしめる日まで」については上述しました。韓国題は「필로미나의 기적(フィロミナの奇跡)」です。日本では3月15日から劇場公開されています。
【専門家による順位】
①インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 8.8(7)
②ゼロ・グラビティ 8.2(5)
③罪の手ざわり(中国・日本) 8.1(8)
④ミヒャエル・コールハース 8.0(4)
④ミス・ヴァイオレンス 8.0(4)
⑥グランド・ブダペスト・ホテル 7.8(7)
⑦萬神(韓国) 7.7(4)
⑧そして父になる(日本) 7.6(6)
⑨アメリカン・ハッスル 7.6(5)
⑩物語る私たち 7.5(4)
今回の新登場はありません。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月18日(金)~20日(日)] ★★★
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」が4週連続1位だが、数字は大幅減
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・キャプテン・アメリカ/ ・・・・・・・・3/26・・・・・・・・・・・・242,938 ・・・・・・・3,705,395 ・・・・・・・29,735・・・・・・・・558
ウィンター・ソルジャー
2(18)・・ダイバージェント・・・・・・・・・・・・4/16 ・・・・・・・・・・・・212,933・・・・・・・・・278,424 ・・・・・・・・2,195・・・・・・・・507
3(2)・・さまよう刃(韓国) ・・・・・・・・・・・・4/10 ・・・・・・・・・・・・189,515・・・・・・・・・801,763 ・・・・・・・・6,371・・・・・・・・489
4(4)・・サン・オブ・ゴッド ・・・・・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・・・・・67,940・・・・・・・・・258,437・・・・・・・・1,888・・・・・・・・348
5(新)・・ニード・フォー・スピード ・・・・・・4/16 ・・・・・・・・・・・・・・60,654 ・・・・・・・・・81,887・・・・・・・・・・657・・・・・・・・349
6(64)・・ハン・ゴンジュ(韓国) ・・・・・・・・4/17・・・・・・・・・・・・・・47,467 ・・・・・・・・・60,931・・・・・・・・・・486・・・・・・・・225
7(6)・・グランド・ブダペスト・ホテル ・・・3/20・・・・・・・・・・・・・・43,051・・・・・・・・・613,912・・・・・・・・4,811・・・・・・・・182
8(37)・・フェイス・オブ・ラブ・・・・・・・・・・・4/16・・・・・・・・・・・・・・28,649 ・・・・・・・・・46,097・・・・・・・・・・348・・・・・・・・222
9(7)・・ミニスキュル 劇場版・・・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・・・・・27,935 ・・・・・・・・・88,260・・・・・・・・・・635・・・・・・・・236
10(3)・・ザ・レジェンド・オブ・ヘラクレス・・4/10 ・・・・・・・・・・・・18,847 ・・・・・・・・212,557 ・・・・・・・・1,603・・・・・・・・240
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
冒頭に書いたように、今回は数字がどかっと落ち込んでいます。4週連続トップの「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」も24万人強ですからねー。
今回の新登場は2・5・6・8位の4作品です。
2位「ダイバージェント」は、アメリカの10代に人気の作家ベロニカ・ロスのベストセラー「ダイバージェント 異端者」(翻訳あり)を映画化したSFファンタジーアクション。舞台は、世界が崩壊してから100年後のシカゴ。そこでは住民を「無欲」「高潔」等の5つの派閥に振り分けることで争いのない社会を維持しています。主人公の少女トリスは16歳になった年に所属する派閥を選ぶ儀式を迎えますが、適性テストで下された診断結果は5つの派閥のどこでもない存在=ダイバージェント(異端者)。彼女はそのことを書くして「勇敢」派閥に加わるためのハードな入会儀式に挑みますが、やがて派閥間の争いに飲みこまれていきます・・・。韓国題は「다이버전트」。日本公開は7月です。
5位「ニード・フォー・スピード」は、人気レーシングカー・ゲームを映画化したアメリカのアクション。レーサーのトビー(アーロン・ポール)は、かつてパートナーだったディーノ(ドミニック・クーパー)により無実の罪を負わされていまいます。その復讐を胸に、公道を走る危険なストリート・レースに挑みますが、勝つためには手段を選ばないライバルたちや、彼の逮捕に執念を燃やす警察に追われながらトビーはゴールを目指します・・・。韓国題は「니드 포 스피드」。日本公開は6月7日です。
6位「ハン・ゴンジュ」については前述しました。
8位「フェイス・オブ・ラブ」は、アメリカのドラマ、なのかロマンスなのか・・・。5年前に最愛の夫を亡くした女性が、その彼と瓜二つの男性に出会って、親切なところやユーモアなども共通していてたちまちトムに魅了され・・・、というところまではわかるのですが、はたしてその先には幸せが待っているのか、それとも・・・。どうも彼女の愛の一人よがりな点がカギみたいだぞ。韓国題は「페이스 오브 러브」、日本公開は未定です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・あなたを抱きしめる日まで・・・・・・・・・・・4/16 ・・・・・・・・・・・・12,595・・・・・・・・・・・・・・23,494・・・・・・・・・173・・・・・・・・192
2(10)・・グランドピアノ ~狙われた黒鍵~・・4/17 ・・・・・・・・・・・・・7,343・・・・・・・・・・・・・・13,140・・・・・・・・・・94・・・・・・・・・88
3(新)・・渚にて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,702 ・・・・・・・・・・・・・・・1,702・・・・・・・・・・・3・・・・・・・・・・1
4(新)・・SHORT PEACE(日本)・・・・・・・・・・・・・4/17・・・・・・・・・・・・・・・536・・・・・・・・・・・・・・・・・713・・・・・・・・・・・5・・・・・・・・・・5
5(新)・・避暑地の出来事・・・・・・・・・・・・1972/8/19・・・・・・・・・・・・・・・452・・・・・・・・・・・・・・・5,888・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・・1
めずらしく、全部新登場です。
1位「あなたを抱きしめる日まで」については冒頭でいろいろ書きました。
2位「グランドピアノ ~狙われた黒鍵~」は、日本では3月8日から公開されています。韓国題は「그랜드 피아노」です。
3位「渚にて」は、1959年のアメリカ映画の再上映。グレゴリー・ペックとか、エヴァ・ガードナーとか懐かしいなー。韓国題は「그 날이 오면(その日が来れば)」で原題「On the Beach」とは全然違います。
4位「SHORT PEACE」は、大友克洋等4人のアニメ作品のオムニバスですが、日本での反応は今ひとつだったかな? ヌルボも観てません。韓国で評点をつけてるネチズンは2人だけ。一応どちらも10.0なんですけどね。韓国題は「쇼트피스」です。
5位「避暑地の出来事」もアメリカ映画の旧作の再上映。1959年の作品なんだけどな。トロイ・ドナヒューとかサンドラ・ディーとか、これまた懐かしい名前。映画は見てませんが、パーシー・フェイス楽団による主題曲「夏の日の恋」なんてのもよく聴いたもんだ。(&ハーモニカで吹いたりもしていた。) 韓国題は「피서지에서 생긴 일(避暑地で起こったこと)」です。
「冬の小鳥」の監督のウニー・ルコントはフランスへの養子でした。 この国際養子については、7・8年前に徐京植さんが雑誌に書いておられ、その方もやはりフランスへの養子でした。思春期になり、色々悩んだ事が書かれていたと思います。
ちなみに韓国ドラマの「ホテリア」は伏線としてアメリカへの養子問題が触れられています。
やはり黄色人種である日本人はヨーロッパに行くと構えてしまいます。その点韓国への旅は人種を意識しないという面はあるようです。
フランス行きの機内映画は『それでも夜は明ける』を選びました。その中での黒人は動物でした。
牛が殺されても、何も感じないのと同じ視線で人を見ていました。オバマ大統領来日。今はきっと進歩したと思いたいです。
naguneさんが見たという映画のポスターは、次のリンク先にあるものですね。 →
http://en.unifrance.org/directories/company/349088/les-films-de-pierre
国際養子の問題。韓国については、朝鮮戦争とその後の厳しい時代に多かったと思っていましたが、その後もなくなったわけでもなく、世界的に見てもとくにカトリックの団体を中心に昔から今まで広く行われてきているのですね。(韓国についていえば、婚外子や未婚の母への差別等、儒教倫理と関係あるかも、という事情も推測されますが・・・。)
なぜカトリックかというと、中絶の否定等のカトリックの教義から、親などが望まず生まれた婚外子が養子として出されるとか、もちろん孤児に対する慈善といった意味合いのものもあります。
※参考<カトリックの教説から見る中絶問題> →
http://www.ritsumei-arsvi.org/publications/read/id/68
※ニュースになった赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」を設けたが熊本市の慈恵病院もカトリック系の病院です。
国際養子について肯定的に書かれた事例として次のような記事もあります。→
http://globe.asahi.com/feature/111106/03_1.html
韓国ドラマでも、成長し成功した「入養児」が実の親探しに韓国へ来て、という設定のものがあったような・・・。
しかし、私が思うに、成功したからこそニュースで取り上げられたりドラマにもなったりする
わけで、虐待といったような「陰」の部分もあるに違いないと思います。
下のブログ記事では、「近年国際養子が減少しているのはユニセフのせいだ」と批判しているカトリックと、対するユニセフの立場を説明しています。 →
http://azuki0405.exblog.jp/19670357/
「冬の小鳥」は韓国→ベルギーの国際養子でした。「はちみつ色のユン」は韓国→フランスです。
「あなたを抱きしめる日まで」はアイルランド→アメリカです。
これらの国々のカトリックの比率は、ベルギーが75%、フランスは約7割、アイルランドは85%以上でカトリックが大多数です。アメリカはカトリックが約2割、韓国は約1割ですが、それぞれに伝統もあり社会的影響力も強いものがあります。
つまり、カトリック系の団体が国のワクを越えて大きな役割を果たしていることがわかります。
こうしてみると、この国際養子問題にも各国の社会状況、宗教や倫理観、歴史的背景等々、実にさまざまな要素が絡み合っているということが見てとれます。
私の記憶があいまいなのかもしれませんが、確か「east boy」だったろうと思いますが違っていたようです。日本に帰って調べましたら服屋のサイトしか見当たりませんでした。
確かに若い男の子(アジア系)が背の小さな小太りの男に抱かれ、その男の背が見えているポスターでしたから、教えていただいたものだと思います。東欧ですね。
キアヌ・リーブスと菊池凛子の『47RONIN』のポスターも色々な所に在りました。真田宏之や浅野忠信は名前だけでした。
フランスの内閣では韓国系の女性の大臣もいるようですから、あまり色眼鏡で見るのはいけないかもしれません。勉強になりました。
http://en.wikipedia.org/wiki/Eastern_Boys
http://www.imdb.com/title/tt2991092/combined
トロント映画祭やヴェネツィア映画祭で上映され、後者ではHorizons賞を受賞したようです。監督・脚本は「パリ20区、僕たちのクラス」の脚本等で知られるロバン・カンピヨです。
ちなみにEastern Boysの「East」は(はっきりは分りませんが)、主人公の若き男娼がウクライナ出身だったり、彼が属するグループのボスがロシア出身という設定のようですので、東アジアというよりロシアやウクライナなど、西欧から見た「東」を指すのではないかと思われます。
遭難事故、若い命が沢山失われた事に何とも言いようがありません。祈るのみです。
養子問題ですが、3月にアビニョンに行き、帰りの電車で30代いや40代かと思われる白人系のフランス人夫婦と東洋系の男の子(自由奔放にふるまって、幸せそうでした)の親子と乗り合わせました。男の子はもちろんフランス語を喋っていましたが。今でも養子問題というのはありなのでしょうか。メトロの駅には「east boy」という映画のポスターもあり、日本に帰ってそんな映画があるのか検索しましたが判りませんでした。ヨーロッパのオリエンタリズムというのを感じたと言っては大袈裟でしょうか。男の子(多分韓国人?)の幸せを祈りたいです。