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[韓国]哀しい流行 スジョ・ビンゴゲームに挑戦(?)してみる

2015-12-28 23:23:14 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)

 一応1つ前の記事の続きです。上の表みたいなものは、この秋頃から韓国で話題の<スジョ・ビンゴゲーム(수저 빙고게임)>です。
 수저(スジョ)とは、숟가락(スッカラク.匙)젓가락(チョッカラク.箸)のことです。したがって、直訳すると<匙&箸ビンゴゲーム>となります。
 5×5=25のマスのそれぞれに記された文の内容が自分の家や家族に合致していればチェックしていって、タテ・ヨコ・ななめのビンゴが何本かできるかどうか・・・というものですが、やっていくうちになんだか哀しくなってきます
 つまり、このヒンゴゲームは、主に若い人たちが自分の生まれ育った家庭がどんなレベルにあるのかを測るものなのです。

 で、なぜ<匙&箸>なのかというと、西洋の「銀の匙をくわえて生まれてきた」という表現を元に、自分の生まれた家庭のレベルを金の匙&箸・銀の匙&箸・銅の匙&箸・土の匙&箸の4段階に分けてランク付けした<スプーン・ビンゴゲーム>と訳しています。)
 それぞれのレベルを分ける数字は次のようなものです。(※大雑把にいえば、ウォンの数字を1ケタ減らすと日本円になる。)
  金の匙&箸=資産20億ウォン以上 または世帯年収2億ウォン以上
  銀の匙&箸=資産10億ウォン以上 または世帯年収1億ウォン以上
  銅の匙&箸=資産5億ウォン以上 または年収5500万ウォン以上
  土の匙&箸=上記に属さない場合
 銅のレベルでも相当高い数字ですが、→コチラの記事(韓国語)によると、金の匙&箸の上にダイヤ匙&箸というランクができたとか。資産30億円以上 または年収3億ウォン以上です。

 しかし、この25の文を見ると、必ずしも資産に直結するものに限らず、生活の「質」に関わるものが多いことに気づきます。カーペットの穴やカビ等に対処するような心の余裕、時間の余裕があるか等々・・・。また、すべてが子供の立場ではどうしようもない、いわば宿命といったものです。
 
 さて、<수저 빙고게임>で韓国サイトを検索してみると、このゲームをやってみた人がそれぞれ自分の結果を画像で公開しています。右はその一例です。こんな画像が30見つかったので、集計してみました。冒頭の画像の25個の枠の右下の赤字の数字です。
 チェックされたマスの数の平均は約15個なので、右の例はわりと少なめですね。ちなみに一番少なかった人が5個。これは抜群。逆に一番多かった人は23個が2人。これは悲惨! ビンゴが1列でもできれば<土の箸&匙>とされるのに、8列も生じています・・・。

 私ヌルボ自身、意味が今ひとつ理解しきれていない文もありますが、留意点や気がついたことを列記します。

・韓国人は日本人のようにほぼ毎日入浴する習慣がないので、浴槽のない家はふつうにある。シャワーはあり、またトイレも同じ所にある。したがって30人中17人が「家に浴槽がない」というのも、決して「驚くべき数字」ではありません。
・アルバイトの略語は韓国語ではバイトではなく、알바(アルバ)。韓国では大学の授業料のことを登録金(등록금)といいますが、その額は日本よりやや低めか、ほぼ同水準。(→コチラ参照。)
 アルバイトをせざるをえず、それでも大変な学生も大勢いて、大きな問題になってします。下画像は人気漫画家カンプルが描いた漫画。アルバイトをしても足りないので学資ローンを借りざるをえないとか。借金の額は約1000万円になる・・・ということが記されています。

<中古ナラ(중고나라)>というサイト(→コチラ)は知りませんでした。電気製品・衣料品・雑貨・本等の他、中古車も扱っているのですね。(日本でも最近アマゾンとかヤフーでやってるか。そういう時代になったんだな・・・。) →10万ウォンでこんな中古車もあります。カワイイのでちょっと見てみて下さい。
 一方、詐欺事件も起こったりしています。(たとえば→コチラ。)
・数が一番少ないのが「テーブルクロスがビニール」というものですが、個々読んでみると、「テーブル(食卓)自体がない」という人も複数いました。1人用のお膳ならまだしも、「食器を床に置いて食べる」とか・・・。
ウォシュレット(←韓国ではふつうビデ(비데)という)については、<韓国の「例の」トイレットペーパー事情>と題した過去記事(→コチラ)のコメント欄でいろんなやりとりがありました。そこで「アパート(←マンションのこと)の場合は2割程度はウォシュレットなのかな?と思います」と書いてしまいましたが、ここでは大体3分の1といったところ。あるからといってすごいリッチというわけでもなく、なくてもプアとはいえないレベルでしょうか。
・家賃について。「保証金が1億ウォン」とはすごく高い印象をうけますが、これは伝貰(전세.チョンセ)という韓国独自の方式で、最初にどかっと高額の保証金を出しておけば、その家を出る時に全額戻してもらえるというもの。その間月々の家賃は不必要で、家主は保証金を運用して別途収入を得るという仕組みです。近年伝貰は運用効果があまり期待できなくなったため減ってきて、ふつうに毎月家賃を払う月貰(월세.ウォルセ)が多くなっているそうです。
・「家にカビ」が約6割か。私ヌルボがしばしば利用している安モーテルの場合もそんな比率かも・・・。あ、実はわが家もそうだったりして・・・。

 ・・・というわけで、1つ前の記事に引き続き私ヌルボ、韓国の厳しい状況についてあらためていろんな事実を知ったわけです。で、なんとなく市立図書館3Fで12月25日付「朝鮮日報」を見ると、「韓国の大学生、3割はクリスマスにアルバイト」という記事が目に入りました。これは日本語版に載ってます。(→コチラ。) 「クリスマスから年末年始にかけての時期は、大学生や就職浪人たちにとって稼ぎ時となる」そうですが、大学院生Sさん(24)もその彼女も「学費や生活費を出すだけで精一杯」なんですと。
 ところが別の面を見ると、でかでかと<青年雇用・非正規職に目をそむけて・・・もらえるものはすべてもらう現代自動車労組>という見出し。(下画像)
 ざっと目を通してみると、平均賃金は9700万円にもなるそうですよ。トヨタ(8351万ウォン)やフォルクスワーゲン(9062万ウォン)をも上回る数字。→コチラの記事(日本語)にその理由・背景等が描かれています。(←「なんだかなー」の記事。) まあたしかに<貴族労組>なんでしょうが、それよりもっと批判すべきところがあるんじゃないのかなー?
 グローバリズムの中で競争に「勝ちぬくために・・・」というが、なんでどこの国でも労働者が生活が脅かされるほどのしわ寄せを被らなければならんのか? 労働基本権についてもきちんとしたグローバルスタンダードが確立されなければ・・・。

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