確認すると、1万円札が5枚入ってます★
『何なんですか、これは』
『はい、示談金として、収めて下さい』
『はあ~?』
《その時、ふと横を見るとB4程の紙が二つ折りになっているのが見えました》
『その書類は何ですか』
『あ、え~と、、、示談書です』
書類を入れていた茶封筒には〇〇法律事務所と書かれています★
《なるほど、この男は最初強気に出ていたのは、弁護士に相談していたんだな》
『弁護士にこうしろと指示されましたね』
『・・・はい、、、』
『そしてお金と示談書を持っていって、私の署名と捺印を取れば、一切の義務を果たしたことになると言われたんですね』
『・・・は、い、、、』
『分かりました、そういうことなら話は変わってきます、示談書を見せていただけますか』
『あ、はい、どうぞ、、、』
『何々、、甲は乙に対して、、示談金5万円で、、、締結後は、、、一切、、、申し立てをしないものとする、、、』
《やはり思った通りの内容でした》
『〇〇さん、これおかしくないですか?』
『と、言いますと、、』
『私は示談の事で具体的に何も示したことは無いですよね、そして、用意周到な書類と現金ですよね、これは明らかに私に対して条件を飲めと言ってるようなものですよ、、、こんな失礼な事がありますか!』
『で、でも、弁護士がこうしろと言ったので、、、』
『弁護士はあなたの代理人で、あなたからお金を貰っている以上、あなたが有利になるように動きますよ、そんなの当たり前です』
『・・・はい、、、』
『ということは、この示談書を、私が受け付けない事はないと踏んでの事ですね』
『・・・は、はい、、、』
『〇〇さん、そちらの弁護士に今回の事件をどういう風に説明したか分かりませんが、これだと私への謝罪がまったくないですね、先程の涙で、一度は私の気は収まりましたが、書類を一方的に押し付けるやり方は納得がいきません、話はご破算です』
『えっ、、それでは困ります』
『何が困るんですか、言ってみて下さい! 本当にあなたは恐ろしい人だ! 危うくあの涙に騙されるところだったよ』
『涙は本当です!本当なんです!信じて下さい!』
『〇〇さん、どうやって信じろと言うんですか、言葉の裏腹で私に対決してるんですよ、分かりませんか?』
『対決なんて滅相もない!信じて下さい!』
《この男は事の流れが何も分からないおバカなんだな》
これ以上何を言っても仕方がないので、私はペンとメモを用意して、この世間知らずの男にスキーム図を書く事を思い付きました★
《何でここまでしてやらなくちゃなんないんだ・・・》
私は結構お人よしなのか(苦笑)★