60億の愛

父はどんな風景を毎日をみていくのかな~?
と思い、墓石のうしろにまわり正面をみました。
何もさまたげる物もなく180度いっぱい
大地と空だけでした。
大地なんておおげさで 普段使わない言葉です。
榛名山の裾のように広がる だだっ広い高原です。
子供達も「ここに納骨するの?」と寂しそうでした。
父の好きだった、ビールや どらやき りんご 赤飯
手ずくりしたクッキー、すはま(ピンクのもち)を備えて
しばらく一緒に冷たい風の中にいたのです。

『榛名山の小百合さん (2007年12月20日)』より

小百合さんが佐野から館林にある実家の仏壇にお父さんの遺骨を迎えにゆき、それから榛名山の中腹のお墓まで行って納骨する。榛名山の中腹のお墓のイメージがまるで見たように僕の脳裏に焼きついているのですよう。

それ程、上のシーンがデンマンさんにとって印象的なのでござ~♪~ますか?
そうですよう。この時、小百合さんが榛名山の中腹に立って、冷たい風の中でだだっ広い裾野を見渡している姿。。。僕はその時の小百合さんのイメージを年上の憧れの女性を慕うような少年の心で思い浮かべているのですよう。

これがデンマンさんのオツムの中の小百合さんのイメージでござ~♪~ますか?
そうですよう。。。うしししし。。。
うしししじゃござ~♪~ませんわ。デンマンさんは、何が何でも小百合さんのことをロマンチックにイメージしようと思っているのでござ~♪~ますわ。
そういう訳ではありませんよう。妄想している訳ではありません。僕はこれまでの小百合さんのメールや投稿。。。それに、小百合さんと会って、いろいろと話したこと。。。そのような事を思い出しながら、“新盆”の意味を考えた時に、また小百合さんの懐かしい姿が僕のオツムのスクリーンに映し出されるのですよう。
それは、どのようなイメージなのでござ~♪~ますか?
僕は“新盆”という意味が分からなかった。だから初めて読んだ時、次のシーンは取り分け僕の興味を引かなかった。

雷の後 とても 気持ちの良い風が入ってきて、
そう 私が使っていた 2階の部屋はとても
風通しがいいのです。
何だか 帰るのが おっくうになり うたた寝 してしまい、
南の方で花火の音がしていたような、どこだろう?
朝方 下の台所で音が聞こえたけど だれもイナイ。
まだ 父と母が暮らしていて 私たちの為に おにぎりでも
作ってくれてる 錯覚をします。
『さまざまな愛 (2008年8月20日)』より
でも、“新盆”の意味を調べて、改めてこの場面を読むと、映画になるような素晴しいシーンなのですよう。
そうでしょうか?
お父さんが亡くなって初めて迎えたお盆に、小百合さんは実家の自分が使っていた部屋に居るのですよう。うたた寝している。どこかで花火の音がしているようだ。

お父さんとお母さんがまだ元気だった頃の映像が心に浮かんでくる。。。どうですか?。。。小百合さんの優しい心。。。小百合さんの子供の頃の、ほのぼのとした両親との心の触れ合い。。。なんだか名画を見るような気持ちになりませんか?
なりませんわ。
ん。。。?卑弥子さんは、名画を見るよな気持ちにならないの?。。。どうして。。。?
どうしても、こうしても、ござ~♪~ませんわ。このような些細な事でも、小百合さんの事となるとデンマンさんはロマンチックにしてしまうのでござ~♪~ますわ。ところが。。。、ところが、あたくしとはロマンチックな気分になるべきなのに、デンマンさんは、そうはならないのでござ~♪~ますう!
ヨガの秘法 - 「鶴の舞」

この「鶴の舞」はスートラ・ヨガの秘法なのでござ~♪~ますわ。
古代インドのヨガ呼吸法の奥義や、宇宙エネルギーとの合一の秘法から編み出された型なのですわ。
呼吸を整えながら10分間、上のように静止した姿勢で居ることは、奥義の域に到達した者でない限りできないものなのでござ~♪~ます。
あたくしは10年間修行を積んで、やっとこの秘法を会得(えとく)したのでござ~♪~ますわ。
しかも、この「鶴の舞」を殿方にご覧に入れれば、その方の心を引き寄せてしまうと、言い伝えがある秘伝の奥義なのですわぁ。
『ルート66のフライと小百合さん』より
(2007年11月28日)
あたくしがせっかく「鶴の舞」をデンマンさんにご覧に入れたのに、デンマンさんは無感動どころか、その後で、あたくしを無視しようとなさったのですわ。
卑弥子さんを僕が無視したと。。。?
そうでござ~♪~ますわア。この「鶴の舞」を好きな殿方にご覧に入れれば、その方の心を引き寄せてしまうという言い伝えのある取って置きの秘法でござ~♪~ますわ。ところが、その晩、あたくしがデンマンさんとお布団を並べて寝物語をしようとしたら、デンマンさんはあたくしのお布団とデンマンさんのお布団の間に“ついたて”を立ててしまったのでござ~♪~ますわ。
また。。。、また、卑弥子さんは、その話を持ち出すのですかぁ~?
だってぇ~、ヨガの秘法も効き目がなかったのでござ~♪~ますわア。。。あたくしは清水(きよみず)の舞台から飛び降りるつもりで。。。決死の覚悟をしてデンマンさんに、あたくしのむき出しの姿をお目にかけたのでござ~♪~ますわア。ところが。。。、ところが、アンナさんのヌードにはデンマンさんが呆れるほどのこだわりを示したのにィ~、あたくしの“おヌード”には拒絶反応を示したのでござ~♪~ますわア。これは。。。これは。。。デンマンさんの上の理論に従うのであれば、あたくしの「鶴の舞」を“はしたない姿”だと見下して目をそむけたのでござ~♪~ますわ。醜い姿、もう二度と見たくない醜態(しゅうたい)だと思ったのでござ~♪~ますわね?
やだなあああぁ~。。。もうずいぶん前の事ですよう。
アンナさんの事は20年も前の事ですわ。それから比べれば箱根の事は、つい最近の出来事でござ~♪~ますう。。。んもお~~ あたくしは、女として。。。アンナさんと変わらぬ女としてデンマンさんに侮辱されたような気がいたしますわ。
あのねぇ~、卑弥子さんは、かなりオーバーに反応してしまっていますよう。。。。それも。。。それも。。。卑弥子さんの誤解ですよう。
誤解ではありませんってばあああぁ~。。。んもお~♪~!
『衝撃の角度 (2008年6月1日)』より

卑弥子さんは。。。、卑弥子さんは、また箱根の出来事を持ち出すのですか?

だって、そうでしょう!あたくしと、とってもロマンチックな夜になるという時に、デンマンさんはあたくしのロマンをぶち壊してしまったのでござ~♪~ますわ。繊細な女心をズタズタに切り裂いてしまったのでござ~♪~ますわア。
あのねぇ~。。。卑弥子さんはロマンと言うけれど、そのロマンも過激なものになったら、ロマンではなくなってしまうのですよう。
つまり。。。、つまり。。。、あたくしがあまりにも過激だったとデンマンさんはおっしゃるのでござ~♪~ますか?
そうですよう。これ以上過激なロマンは無いと言うほどに、衝撃的で過激だったのですよう。
そうでしょうか?
そうですよう。卑弥子さんは清水の舞台から飛び降りるつもりで。。。決死の覚悟をして僕にむき出しの姿を見せたのですよう。。。そうでしょう?。。。僕は度肝を抜かれてしまったのですよう。。。本当にびっくりしましたよう。
それで、もう、あたくしを愛しては下さらないのでござ~♪~ますわね?
愛してますよう。だからこうして『小百合物語』を卑弥子さんと二人で進めているのではないですかぁ~。もし。。。、もしも、あの箱根の夜、僕の愛が冷めたなら、現在こうして卑弥子さんと一緒にやってませんよう。
そうでしょうか?
さまざまな愛
まさに、この言葉につきるのですよう。
この言葉がどうだとおっしゃるのでござ~♪~ますか?
つまり、愛にはさまざまな愛があるのですよう。小百合さんとお父さんのほのぼのとした父と娘の愛。。。小百合さんが子供たちに示すさりげない愛。。。そんな小百合さんに寄せる僕の少年のような憧れの愛。。。
。。。んで、んで。。。あのォ~。。。デンマンさんのあたくしに寄せる愛も、まだ冷めてないとォ~。。。?
そうですよう。。。もちろんですよう。。。“ついたて”を立てるのも、間違いなく一つの愛の表現なのですよう。
そのような事をあたくしに信じろ、とデンマンさんはおっしゃるのですか?
あのねぇ~、衝撃的で過激なロマンはロマンとは言えないのですよう。。。それは狂気ですゥ。。。だから、僕は“ついたて”を立てて、卑弥子さんが冷静で繊細な心を取り戻して欲しいと願ったのですよう。。。分かるでしょう?
そうだったのでござ~♪~ますか?
もちろんですよう。うへへへへ。。。
あたくしは一昨日、デンマンさんのそのような理屈に危うく騙されそうになりましたわ。
ん。。。?僕が卑弥子さんを騙そうとしたと。。。?
そうでござ~♪~ますわ。デンマンさんは気が多いのですわ。ちょっと魅力的な女性を見ると、すぐに“愛している”を連発し始めるのでござ~♪~ますわ。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる

つまり、ちょっと魅力的な女性を見ると僕は、その女性にモテようとして心にもない“愛している”を連発すると言うのですか?
そうでござ~♪~ますわ。なんだか、あたくしにはそのように見えるのでござ~♪~ますわ。デンマンさんは、めれんげさんに対しても熱烈な短歌で答えていますわ。それに、小百合さんに対しても“愛している”と告白なさっていますわ。しかも、ジューンさんとはホテルのお部屋の前でフレンチキッスまでして、あわよくば、そのままお部屋に入って濡れ濡れに、萌え萌えになろうとなさったのでござ~♪~ますわ。しかも、レンゲさんとは、かつてデンマンさんが帰省した時に成田から行田市の実家へ行く道すがら大宮のラブホテルに立ち寄ったりしたのでござ~♪~ますわ。んも~~
■ 『デンマンさんがレンゲさんと大宮のラブホテルに入るお話』
(心の言葉を見つけたい…2006年12月6日)
やだなあああぁ~。。。そういう事を卑弥子さんが口走ると、誤解する人が出てきますよう。お願いだから、ヤバい事を言わないでくださいよう。確かにレンゲさんとラブホテルへ行ったけれど、そのとき卑弥子さんが期待しているようなエッチな事は何もなかったのですからね。ジューンさんとだって、僕はあくまでも紳士的に振る舞い、その晩ジューンさんの部屋には行きませんでしたよう。言論の自由があるから、卑弥子さんが何を言ってもよいけれど、僕が誤解されるような事だけは言わないでくださいよね。
■ 『デンマンさんがジューンさんにフレンチキスをするお話』
(不倫したあなたを差別していませんよ! 2005年8月20日)
でも、そうゆう、きわどい事があったのは事実なのでござ~♪~ますわ。
あのねぇ~。。。僕は女性だからといって誰でもかまわずに、目くらめっぽうに“愛している”を連発している訳ではないのですよう。
つまり、人を選んでいると。。。?
もちろんですよう。この世には60億の人間が居るのですよう。人それぞれに、みな違います。みな個性を持っている。AさんとBさんが違うようにAさんに対する愛とBさんに対する愛は、当然のように違うものですよう。
つまり、60億の人間は、それぞれお互いに違う愛で愛し合っているとおっしゃるのでござ~♪~ますか?
当然ですよう。男と女の愛と一口に言っても、それは友愛に近いものであったり、プラトニックなものであったり、同志的なものであったり、旅人同士のようなものであったり。。。、実にさまざまですよう。
デンマンさんが小百合さんに感じる愛は、めれんげさんに寄せる愛とも違う、ジューンさんに対する愛とも違う。。。その愛は、小百合さんがユニークな個性を持っているように、愛そのものも他の愛とは違うとおっしゃりたいのでござ~♪~ますか?
そうですよう。

“ハイ、分かりました。
デンマンさんのロマンポルノ第3部は
たぶん、とってもヤ~らしいと思うけれど、
私のために一生懸命に
書いてくれているのだから
楽しみにしていますう。
でも、あんまり、ヤ~らしくしないでね。
うふふふふ。。。”
『森林浴@軽井沢 (2008年8月16日)』より
でもデンマンさんは、どうして小百合さんに「ロマンポルノ」を書くのですか?
あのねぇ~、不真面目なように、ふざけているように聞こえるかもしれないけれど、人はそれぞれ違うやり方である人に対してアプローチする。早い話が卑弥子さんは、マジで清水の舞台から飛び降りるつもりでヨガの秘法の「鶴の舞」を僕に見せたのですよう。そうでしょう?