愛と軽井沢の接点
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私が室生 犀星(むろう さいせい) のことを書いたからって
無理に調べなくって いいのですよ。
私も作品を全部読んだわけでは 無いのです。
長女の室生 朝子さんは やはり子供のころ
軽井沢で過ごしたらしく
細かく 様子が書いてあったのです。
お手伝いさんがいたものの、
洋風かぶれしたのが嫌いな父・犀星に厳しく育てられて、
父(肺癌)を見送るまでの事、
いろんな作家との 交流 が書いてありました。
きっと デンマンさんには 面倒な本ですから
記事で取り上げなくてイイですよ、
室生犀星のことは、いつか書いてみたいと思っていました。
僕にもちょっとした思い出がありますよう。
その事を含めて、万葉集の歴史編の後に書こうと思っています。
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私 今月末と思ったら 10月末 よね。
ネットカフェ・コンコルドであわてて デンマンさんの旅程表を見たから
勘違いしてました。
あと1ヶ月ですね。
まだ1ヶ月以上ありますよう。
でも、1ヶ月なんてすぐに経ってしまいますからね。
僕は1ヶ月分の記事を用意しなければならないので、
この1ヶ月間は大変です。
これ SUBMIT できるかな
何だか お気に入りが減ってるし、マウスはどっか
無くなってるし やりずらいなー
これが 現実の世界ですよ、今日も次男坊と
喧嘩がはじまりそうー。
では 今日も洗たく 掃除...
今から始めます。
では、また。。。
小百合より
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そうですよう。そうですよう。
軽井沢は、小百合さんにとって“今一つの世界”なのですよう。
日常茶飯事から開放されて、小百合さんの“夢とロマンの生活”を軽井沢に求めているのですよう。
つまり、それこそ小百合さんの“女の世界”です。
デンマンの“ロマンポルノ天国”と重なると思うのですよう!
うしししし。。。
行田で元気に再会しましょうね。
“恍惚のハグ”を楽しみにしていますよう!
じゃあね。
by デンマン
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投稿日時: 2008/09/22 07:16 (ロンドン時間)
日本時間: 9月22日 午後3時16分
バンクーバー時間: 9月21日 午後11時16分
『帰省スレッド』より
ロンドンの“ビーバーランド e-XOOPS”
『室生犀星と卑弥子さんと悪徳ブログ (2008年10月1日)』より
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デンマンさん。。。今日は室生犀星のことを語るのでござ~♪~ますか?
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卑弥子さんにも分かりますか?
2月16日にはデンマンさんが“愛の原点”についてお話になりましたから。。。
■ 『愛の接点 (2009年2月16日)』
ほおォ~。。。卑弥子さんにも“愛の原点”が心に留(と)まりましたか?
記事のタイトルは『愛の接点』ですが、“愛の原点”が“母の愛”であるならば、デンマンさんが室生犀星を持ち出すと思いましたわ。
でもねぇ、もし、僕が小百合さんと軽井沢で会わなかったら、室生犀星の事をこれほど記事に書くようなことにはならなかったと思うのですよう。
小百合さんは、室生犀星にハマッているのでござ~♪~ましょうか?
室生犀星と長女の朝子さんの親子関係に小百合さんは心が惹かれているのだと僕は思うのですよう。
それは、なぜでござ~♪~ますか?
だから、小百合さんは自分のお父さんとの関係に、室生犀星・父娘の親子関係を重ねて見ているような印象を僕は受けたのですよう。
洋風かぶれしたのが嫌いな父・犀星に
厳しく育てられて、
父(肺癌)を見送るまでの事…
小百合さんは、このように書いているけれど、小百合もお父さんが亡くなってから、榛名山の中腹のお墓まで遺骨を納めに行きましたからね。
■ 『榛名山の小百合さん (2007年12月20日)』
そう言う訳で小百合さんは、室生犀星・父娘に共感するものを持っているのですよう。
ところで、デンマンさんは、なぜ室生犀星に惹かれるのでござ~♪~ますか?
実は、僕は室生犀星のことをあまりよく知らなかったのですよう。室生犀星が金沢生まれだと言うことは知っていたけれど、まさか軽井沢でも暮らしていたなんて全く知らなかった。
小百合さんと会わなかったら、デンマンさんは、こうして記事に書くことも無かったとおっしゃるのですか?
そうですよう。軽井沢の犀星記念館を訪れ、さらに小百合さんの案内で文学碑を見たことが、さらに僕を犀星に近づけましたよう。
それで、何が一番印象に残ったのでござ~♪~ますか?
なんと言っても文学碑に刻まれた詩ですよう。
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我は張りつめたる氷を愛す
斯る切なき思ひを愛す
我はそれらの輝けるを見たり
斯る花にあらざる花を愛す
我は氷の奥にあるものに同感す
我はつねに狭小なる人生に住めり
その人生の荒涼の中に呻吟せり
さればこそ張りつめたる氷を愛す
斯る切なき思ひを愛す
昭和三十五年十月十八日 室生犀星之建
詩集『鶴』巻頭詩「切なき思ひぞ知る」より
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『思い出の曲とふるさと (2009年1月9日)』に掲載
この詩を読むとねぇ、僕はどう言う訳か背筋がゾクゾクと寒くなってくるのですよう。読む人に温かみが伝わってくる詩ではないのですよう。
そうでござ~♪~ましょうか?それはデンマンさんの極めて個人的な受け留め方ではないかしら。。。?
だったら、卑弥子さんは、上の詩を読んで宝くじに当たったミーちゃんハーちゃんのようにルンルン気分になれますか?
確かに、スキップしたくなるような詩ではござ~♪~ませんわ。
そうでしょう?僕だって、ルンルン気分でスキップしたくなるような気分にはなれませんよう。
そう言えば、デンマンさんは、上の詩を読んで犀星さんの人生哲学を読むようだとおっしゃっていましたよね?
そうですよう。悪く言えば「井の中の蛙人生」。。。よく言えば、「孤独を愛した孤高の人生」ですよう。。。僕は、上の詩を読んで、そのように感じ取ったのですよう。
でも、“井の中の蛙人生”と決め付けるのは、かなり言い過ぎではござ~♪~ませんか?
しかし、犀星自身が“我はつねに狭小なる人生に住めり”と言っていますよう。
でも、“狭小なる人生”は“井の中の蛙人生”とはニュアンスが異なると思いますわ。
どのように違うのですか?
犀星さんが言おうとしているのは、狭小かもしれないけれど、自分の世界を深く深く掘り下げていって、氷のように冷たいかもしれないけれど、自分の世界の真実を見届けようとする姿勢を詩に詠んだと、あたくしには思えるのでござ~♪~ますわ。
ほおォ~。。。さすがに京都の女子大学で「日本文学と源氏物語」を講義している准教授の卑弥子さんの良識が見えるような意見ですねぇ~
このような時に、また、あたくしの職業を持ち出さないでくださいましなア。
しかし、なぜ、犀星の世界の真実は、氷のように冷たくなければならないのですか?その冷たい人生の荒涼の中で、なぜ呻吟しなければならないのですか?。。。卑弥子さんは考えてみた事がありますか?
だから、真実に直面するという事は、冷たい現実に真正面から向き合う事だからですわ。
でも、現実が冷たいとは限らないでしょう。ほっかほっかの現実だってあると思うのですよう。それなのに、どうして犀星の詩には冷たい、鋭い、痛々しいモノが詠まれているのですか?。。。卑弥子さんは考えてみた事がありますか?
なぜでしょうか?
僕は次の句に、その答えが秘められていると思いますよう。
『犀星発句集』(1943年)に見える次の句は50歳を過ぎた後も、犀星がこのダブルバインドを引きずっていたことを示している。
夏の日の匹婦の腹に生まれけり
この句がどうだとおっしゃるのでござ~♪~ますか?
卑弥子さん!。。。とぼけないでくださいよう。卑弥子さんは京都の女子大学で「日本文化と源氏物語」を講義しているのですよう。分からないはずがないでしょう!
京都の女子大学とは関係ござ~♪~ませんわ。
あのねぇ~、日本語が母国語でないジューンさんだって次のように言っているのですよう。
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こんにちは。ジューンです。
夏の日の匹婦の腹に生まれけり
なんとなく意味は分かりますよね。
でも、わたしは“匹婦”という言葉を
初めて見たのでした。
“匹”は動物を数えるときに使いますよね。
“婦”は成人女性のことです。
だから、“動物的な女性”だろうと
わたしは直感的に意味を考え出したのです。
念のために辞書を引いてみました。
ひっぷ 【匹婦】
身分の低い女。
また、道理をわきまえない卑しい女。
【用例】
「欲にのみふける匹婦の情/人情本・梅児誉美(後)」
三省堂「大辞林 第二版」より
なるほどね~。
男性の場合は“匹夫”です。
ところで、“匹”は何をかたちどって
出来た漢字だと思いますか?
なんと、馬のお尻だそうです。
そう言われてみれば、
馬のお尻のようにも見えますよね。(爆笑)
では、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。
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『室生犀星を旅する (2008年12月28日)』より
つまり、犀星さんは自分の産みの母親を“身分の低い、道理をわきまえない卑しい女”だと俳句の中で詠んだのでござ~♪~ますわね?
そうですよう。
それでデンマンさんは「犀星の詩には冷たい、鋭い、痛々しいモノが詠まれている」とおっしゃるのでござ~♪~ますか?
そうですよう。犀星は自分の出生について50歳を過ぎた後でも、心の底に重くわだかまっているものを感じないでは居られなかったのですよう。
。。。んで、“ダブルバインド”と書いてありますけれど、それって、一体どう言う事なのでござ~♪~ますか?
それは犀星の生い立ちを見れば分かりますよう。
室生 犀星 (むろう さいせい)
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本名: 室生 照道(てるみち)
1889年(明治22年)8月1日に生まれる
1962年(昭和37年)3月26日に肺ガンのために亡くなる。
石川県金沢市生まれの詩人・小説家。
1889年、加賀藩の足軽頭だった小畠家の小畠弥左衛門吉種とハルという名の女性の間に私生児として生まれた。
生後まもなく、生家近くの、真言宗寺院雨宝院住職室生真乗の内縁の妻赤井ハツに引き取られ、その妻の私生児として照道の名で戸籍に登録された。
住職の室生家に養子として入ったのは7歳のときであり、この際室生照道を名乗ることになった。
私生児として生まれ、実の両親の顔を見ることもなく、生まれてすぐに養子に出されたことは犀星の生い立ちと文学に深い影響を与えた。
「お前はオカンボ(妾を意味する金沢の方言)の子だ」と揶揄された犀星は、生みの母親についてのダブルバインド(二重束縛)を背負っていた。
『犀星発句集』(1943年)に見える次の句は50歳を過ぎた後も、犀星がこのダブルバインドを引きずっていたことを示している。
夏の日の匹婦の腹に生まれけり
抒情小曲集の次の詩句が有名である。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
この句の通り、文壇に名を轟かすようになった後も金沢にはほとんど戻ることがなく、そのかわり犀川の写真を貼っていたという。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』