つまり、定さんも『お定色ざんげ』を書いた作家も、同じ穴の狢(むじな)だとおっしゃりたいのですか?
そうですよ。50歩100歩ですよ。どっちもどっちですよ。それは時代の流れなんだから、ある意味ではどうにもならない。定さんは名誉毀損だと感じたから訴えたのだろうけれど、仮に出版停止命令が出たところで、あのカストリ文化の中では、すべてのカストリ作家の筆を折る事はできないですよ。
つまり、定さんは泣き寝入りするより他にはないと。。。?
いや、そうじゃなくて、定さんも、頭に来たから訴えた。自分の言い分を、つまり権利を、実行に移して告訴した。でも僕ならカストリ時代をじっくりと見すえて、訴えるような時間の無駄はしませんよ。
デンマンさんが定さんなら、どうします?
僕が定さんなら、自分で『定、色ざんげ』を書いて抵抗し、世間に訴えますよ。
なるほど、デンマンさんらしいですわね。
レンゲさんも、そう思いますか。うへへへへ。。。。
その笑いだけ余計ですけれども。
でもね、このカストリ文化の影響を僕もレンゲさんも受けていますよ。
まさか~
だったら次の文章を読んでくださいよ。

デンマンさんはあたしを差別しています。人種差別です。
ちょっと、ちょっと、。。。レンゲさん、あなたねえええ。。。何を言い出すかと思ったら、人種差別?
そうですよ。デンマンさんは人種差別しています。
何を言ってるんですか?レンゲさんも僕も同じ日本人じゃないですか、その僕がどうしてあなたを差別するのですか?
だって、デンマンさんは、これまでに一度としてあたしにキスしたことがありませんよ。手さえ握ったこともありません。
それわあああ。。。。
なぜですか?
あなたが日本人だからですよ。
だから言ったじゃありませんか?デンマンさんは人種差別していると。。。
それわねええ。。。あなたはどうして僕を唖然とさせるようなことを言うんですか?ジューンさんはカナダ人ですよ。

だから、人種差別だと言っているんです。ジューンさんは白人です。金髪で、とってもきれいな方で、しかもデンマンさん好みの豊胸の持ち主です。あたしは、日本人で、胸もそう大きくないし、鼻も低めですし、見た目もどちらかと言えば平凡で、ジューンさんと比べたら見劣りがします。だからあたしを差別しているんです。ジューンさんにはフレンチキスまでするくせに、あたしに対しては手も握ろうとしない。
それわねええ。。。。
どうしてですか?
人種の違いと言うより習慣の違いですよ。あなたは、ずっとこれまで日本で生活してきた。日本の生活習慣にどっぷりとつかっている。そういう人に対して、僕がキスをすれば、あなたは特別な意味に受け取ってしまう。それこそ不倫が始まってしまいますよ。だから、そんなことはできません。
ジューンさんにはフレンチキスをしてもよいと言うのですか?
そうですよ。ジューンさんは不倫しようとは思っていませんからね。上の記事を見たって、そのようには見えないでしょう?だから、僕はジューンさんに対してはキスをすることができるんですよ。
あたしには、お休みのキスもできないと言うわけですか?
もちろんですよ。そんなことができるはずがないじゃないですか?
どうしてですか?
どうしてですかって、僕はジューンさんとは一緒に暮らしていないんですよ。でもあなたとは、同じマンションでこうして生活しているわけですよ。あなたは現在日本に留学している僕の娘の部屋を使っているんですよ。隣の部屋同士なんですよ。そういうあなたにお休みのキスをしたら、不倫が始まってしまいますよ。
でも、ジューンさんとはフレンチキスを。。。
だから言ったでしょう、あの人は不倫するような人ではないんですよ。
あたしは不倫した前科があるので、お休みのキスもできないと言うのですか?
そうですよ。
つまり、不倫差別ですわね。
『愛とはどのようなものですか?』より
デンマンさん、一体どこにカストリ文化の影響が出ているのですか?
“豊胸”の持ち主が“グラマー美人”と言う事になって、日本文化の中に定着するようになったのは、カストリ時代からなんですよ。
うっそおォ~~
ウソじゃないんですよ。カストリ雑誌の表紙にセミヌードの女性の写真が登場したのは1946年の暮れだった。月刊誌『赤と黒』の表紙を飾った。1947の夏頃までには、ヌードかセミヌードの女性の線画やカラーのイラストが表紙に描かれるのが普通になった。その女性と言うのは、日本人ではなく圧倒的に白人の女性を描いたモノが多かった。つまり、戦後日本人の男たちはアメリカを女性を通して考えるようになっていた。均整のとれた八頭身で豊かな胸を持ち、見ごたえのある腰を持った女性が、理想的な女だと考えるようになっていった。
どうしてでしょうか?
占領軍の若いアメリカ兵士が日本をパンパンと呼ばれた娼婦を通して見ていたように、日本人の男たちも、日本にやってきたアメリカ人の女性を通してアメリカを感じるようになったわけですよ。
そうでしょうか?
レンゲさんは僕の言う事を疑っているようだけれどね、動かしがたい確固とした証拠になる出来事があった。
それはナンですの?
1947年1月15日に2つの象徴的な出来事があったんですよ。一つ目は日本で初めて西洋式の美人コンテストが開かれて“ミス銀座”が選ばれた。優勝した女性は身長が157センチ、体重が50キロ、バストが95センチ、ヒップが88センチだった。それまでの日本美人と言うのは、決して胸が大きくはなかったし、尻もでかくはなかった。“ハトムネデッチリ”と言って、鳩胸のような大きな胸を持つ事、突き出たような大きな尻をしている女は、不格好な女、不美人だと言われたものですよ。それが逆になってしまった。豊胸の持ち主で、尻も小さいよりは大きい方がいいことだ、になってしまった。
それで、二つ目は。。。?
新宿で行われた“額縁ショー”ですよ。大きな額縁に似せた枠の中で、モデルが西洋の有名な絵画のようにじっとしてポーズをとるものだった。


ただじっとして動かない。今から思えば実につまらないと思うのだけれど、その当時はまだストリップショーなどなかった。初演のショーの題名は「ヴィーナスの誕生」だった。このときのショーの花形は中村笑子と名乗るロシア人の血をひいたハーフの女性だった。彫りの深い均整のとれた肉体の持ち主で、胸と腰に薄布をまとっていた。もう一人のヴィーナスは甲斐美和と言う女性。上半身裸になって名声を得た。この女性は長身で、しかもまれに見る白い肌をしていた。要するに、この時から胸が豊かでヒップもほど良く大きめな女性が美人の新しい規準になったというわけですよ。
デンマンさんは、そう言うわけでジューンさんのような女性が好みなんですね。
だから僕は言ったでしょう。レンゲさんだって、ジューンさんに劣らない豊胸の持ち主なんですよ。上の黒いレオタードの写真では良く分からないけれど、次の水着を身に着けた写真ではレンゲさんが豊かな胸を持っていることが良く分かりますよ。

デンマンさんは、本当にそう思ってくださるのですか?
そうですよ。。。ホラホラぁ~。。。そうやって、ヨダレをたらして喜ばなくてもいいですよ。きれいなおべべが濡れてしまいますよ。
んも~~、あたし、ヨダレなんて、たらしていませんてばああああ。。。
冗談ですよ。。。ちょっとからかったんですよ。。。たまにはいいでしょう?。。。それでね、カストリ雑誌約1600冊を対象にした調査によると、たいていの雑誌を埋めた代表的なイメージが“キス”、それに額縁ショーのあとからはやり出した“ストリップショー”、それと“パンティー”だった。

それまでは“パンティー”とは呼ばなかった。
そうなんですか?。。。で、何と言っていたのですか?
“ズロース”と言っていたんですよ。英語のdrawersがなまって、日本ではズロースになってしまった。それが、戦後パンティーと呼ばれるようになった。カストリ文化の影響と言うよりも“パンティー”という響きが“ナウい”印象を与えたんでしょうね。“ズロース”は死語になってしまった。響きがダサイですよね。最近ではズロースと言う女性はまず居ないでしょう?
でも、“パンティー”と言う人もそれほど多くありまんよ。
それで、レンゲさんはなんと呼ぶのですか?
あたしは、“パンツ”と言いますけれど。。。
そうではないでしょう?
そうではないでしょう。。。って、あたしがパンツだと言っているんやわああああ。。。。
違うでしょう?
違いませんてばあああ。。。あたしはパンツと言っているんです。デンマンさんは、どうしてあたしの言う事を否定なさるのですか?
パンツではなく、ファンディーでしょう。うへへへ。。。。
それって、またファンディーを持ち出してあたしをコケにするのでしょう?
僕はレンゲさんを馬鹿にするつもりではありませんよ。心配しているんですよ。
デンマンさんが、心配なさる事は何もありませんわ。
ありますよ。夕べ、また夜桜見物に出かけたでしょう?
あらっ。。。どうして。。。どうして、デンマンさんは、ご存知なんですの?
レンゲさんは僕には一言も言わないけれど、清水君が直美に話したそうですよ。今朝、直美から電話があって、そう言っていましたよ。
ファンディーをはいていた事も洋ちゃんは話したのですか?
ほらああああ。。。。やっぱり、はいて出かけたんですねぇ~~?
あらっ、あたし。。。余計な事まで言ってしまったのかしら。。。うふふ。。。
うふふ、じゃないよ、レンゲさん。。。。ファンディーをはいて出かけたという事は、またパンツの中でつながったままドライブしたという事ですよね。
でも、。。。でも、。。。。
でも、ナンですか?
あたしたち、ドライブしている最中はしませんでした。
しませんでしたって、。。。パンツの中でつながっているんですよ。しているじゃありませんか。

“パンツの中で
つながったまま、
カップルが
80キロで走行中に
エッチに夢中になって
ガードレールに激突、
そのまま昇天!”
こんな事になったら目も当てられませんよ!
だから、ドライブしている時には、夢中にはならないようにしているんです。
つまり、なんですか。。。つながってはいるけれども、荒川の堤に着くまで我慢しているというわけですか?
(聞こえないくらいの小さな声で)。。。そうです。
それで、夜桜を眺めてから、花咲く桜の木の下でゆっくりと愛し合ったわけですか?
(うつむくようにしてレンゲさんはうなづきました。)

夜桜の下で愛し合うなんて風流で、うらやましいと思うけれどさ、それって、やっぱりエログロナンセンスだと思うなあ~~。
いけませんか?
ファンディーをはいてドライブする必要はないでしょう?荒川の堤に着いてからゆっくりとつながればいいじゃないですか?
デンマンさんはあたしたちの気持ちを、ちっとも理解していないんですわ。あたしも洋ちゃんも、いつでも愛し合っていたいんです。
でも、ドライブしている時ぐらい離れていたっていいじゃないですか?人生は長いんだから。。。
それって、絶対にあたしたちをコケにしていますよねぇ?
違いますよ。レンゲさんのことを僕は心配しているんですよ。
いいえ、。。。デンマンさんは、またこの記事の中であたしを可笑しな女にしているんですわああああああああ~~
【ここだけの話しですけれどね、今日もダメだったですね。。。格調高く終わらせようとしたのですけれど。。。へへへへ。。。でもね、レンゲさんの話の続きは、ますます面白くなりますよ。どうか期待して待っていてくださいね。もっとレンゲさんのことが知りたいのなら、下にリンクを貼っておきましたからぜひ読んでくださいね。】

レンゲさんの愉快で面白い、そして悩み多い日々は
次のリンクをクリックして読んでください。
■ 『レンゲさんのこれまでの話を読みたい人のために。。。』
■ 『レンゲさんの愛と心のエデン』

レンゲさんをもっと知りたい人は。。。。
■ 『女探偵ふじこが試みたレンゲさんの素行調査』
■ 『“愛の正体” と “レンゲのテーマ”』
■ 『不倫の悦びと苦悩』
■ 『レンゲさんのように苦境から立ち上がった女 ー グロリア・スタイナム』
レンゲさんの写真を見たい人は。。。
■ 『レンゲさん、あなたは実はメチャ美人なんですよ!』