☆傷は痛々しいがどこ吹く風
いま、ルイはエリザベスカラーをしたままで1日の大半を過ごしている。カラーがまるで「ひょこりひょうたん島」のライオンのタテガミみたいだ。
土曜日の朝に病院へ預けて午後に去勢手術を終え、日曜日の朝、迎えにいって戻ってきた。手術の痕は、男同士として正視できないほど痛々しい。自分がこんな目にあったらたちまち高熱を出して寝込み、少なくとも2、3日は痛みに唸って過ごすだろう。なんせ、男の大切なタマを抜かれ、袋は腫れあがり、縫合の部分は生々しい。
しかし、当のルイはいたって元気である。その部分を舐めないようにとのエリザベスカラーであり、さぞやうっとうしいだろうと同情してしまうが、外へ出すとカラーをつけたままで元気に駆けまわる。カラーがどこかへ引っかかっても強引に突破していく。
上の写真は、家に戻り、ごほうびのおやつに「豚の耳」をもらって食らいついているところである。ふだんは前足で押さえてかじるのだが、カラーがじゃまして短い前足で押さえることができない。しかたなく口だけでかじり、必要に応じてくわえたまま上にかざし、落ちてくるのをたくみにくわえなおし、大きなヤツをまたたくまに平らげてしまった。
☆「去勢なんか関係ないね」?
こんな姿にされてもぜんぜんめげず、前足が使えなくても貪欲に食らいつく姿に感服した。来週の土曜の抜糸まで、ルイは1週間このカラーをしたままで過ごすが、きっといまの逆境にすっかりなじんでしまうだろう。
大昔に観た映画のなかで、フランキー堺扮する遊び人が、「さ、スッパリやっておくなさい。首が落ちても動いてみせまさぁ!」と胸のすくようなタンカを切った場面にルイが重なって見える。去勢したのに「去勢なんか関係ないね」とばかりメス犬を追いかてばかりいるわんこになってしまうような気がしてならないが、ま、それはあるまい。
むろん、ルイがまったくカラーのうっとうしさを感じていないわけではない。散歩のときだけは歩きはじめる寸前にカラーを外し、戻ってくるとすぐに装着するのだが、このとき、激しく抵抗する。やっぱりすごくイヤなのである。
ルイ、土曜日までの辛抱だぞ。