愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

ルイのほうがはるかに寂しい思いをしていたのだろう

2012-02-17 22:29:18 | 残されて

すでにシェラとルイはかけがえのない家族になっていた

☆はじめて迎えに出てくれたルイ
 家の玄関の扉を開けるとそこにルイがいた。ぼくが扉の解錠する音で飛んできたのだろう。昨日夕方の、はじめてのルイの出迎えだった。
 去年の7月までは、むぎが玄関の前に張り込んでいて、ぼくの帰りを待っていてくれたものだ。ドアの外に立っただけで吠えはじめ、鍵を開けて玄関に入るとぼくの顔を見ながらさらに吠え、そのままリビングにいるシェラに知らせに走っていった。むぎがぼくに冷たかったのではなく、どうやらこれは犬社会の当たり前の行動らしい。

 むぎが旅立ってしまい、出迎えてくれるわんこがいなくなったのはなんとも寂しかった。すでに耳が遠くなっていたシェラに出迎えを望むわけにはいかない。
 それだけに、昨日のルイの出迎えのうれしさはひとしおだった。むぎとちがってルイは吠えない。喜んでぴょんぴょんと跳びついてくるだけである。服に毛がつくので、さすがに着替えを終えるまでは抱いてやれないが、頭、首、背中をなでてやる。それで服についてしまったルイの毛はあとでブラシで拭えばいい。

 ぼくが着替えている間もルイはつきまとい、シャツやズボンなどの普段着のひとつひとつを噛んで引っ張りぼくを遊びに誘いこもうとする。それを笑顔で制しながら着替えていく。幸せを実感するひとときである。

 シェラが生前中は、身体が弱っていたシェラに配慮して家にいるほとんどの時間、ルイをケージに閉じこめていた。「ルイ、ごめんな」と詫びながら……。シェラが寝室のほうへいってくれたときだけ、廊下へ通じるリビングのドアを閉め、ルイをケージから出してやる。飛び出していたルイはリビングのなかで全力疾走を繰り返し、ぼくたちをヒヤヒヤさせた。
 狂ったように猛ダッシュして日ごろのうっぷんを晴らしているルイの姿が痛々しいほど哀しかった。


さて、これだけのドライフードを食べてくれるだろうか?

☆なぜ、破壊獣と化したのか?
 先週の月曜日、シェラがいなくなったあと、ケージから解放されたルイは、最初、どうしたらいいのか戸惑っていた。ダッシュさえしなかった。もうすぐにケージに入れられないのをわかっていたようだ。シェラの姿を探していたのか、それとも単に好奇心からなのか、あっちこっちとのぞいてまわり、ただうろついているだけだった。

 日を追って本来のいたずら小僧の様相を鮮明にしてきた。とにかく手当たり次第、そこにあるものを噛んだり、落としたり、くわえて運んでいったりするようになる。いっときもじっとしていないで、ただひたすらいたずらを繰り返して家人を悩ませ、怒らせ、恐れさせていった。

 一方で、相変わらず自分のご飯を食べようとしなかった。明らかにシェラが消えてしまったショックなのだろうが、そのやんちゃぶりが激化するだけに、ほんとうに心に闇を宿してしまったのか疑わしくなってくる。
 だが、何かの拍子に、ときおり、ふと見せる暗い顔にぼくはルイの寂しさを感じることができる。噛み癖をはじめ、異様なほどにヒートアップする「破壊獣」の様相の裏側にルイのいたたまれないほどの喪失感、寂しさがないとだれがいえるだろうか。


ぼくの手からだとちゃんと食べてくれる

☆ようやく食べてくれる気配が見えた
 昨夜もルイは夜のご飯を全部食べなかったという。活発な分、家人ではないが、「お腹が空かないのかしら?」と不安になる。この二週間足らずでドライフードも新たに二種類変えて、これで三種類めだが、結果は同じである。
 昨夜は、三分の一くらいしか食べていないというので、ぼくが自分の食事のあとに残りの分を新たに用意して昨夜につづいて直接食べさせてみた。

 食事に向かうときにルイは、以前のような溌剌とした顔をしていない。苦渋に耐えるような暗い表情にぼくのほうがたじろいだ。
 それでも、前夜よりスムーズに、殊勝な態度で食べてくれた。後半の三分の一はほとんどプレートから直接食べた。その間もぼくはずっとほめつづけ、身体をなでたりしながらはげましてやった。

 食べ終わると、プレートをしきりになめてもっとほしいといわんばかりだった。黙って見ていると、今度はプレートをくわえて家人のほうへアピールしにいった。どうやらおやつが目的だったらしい。このあと、ボール投げの相手をえんえんとさせられてしまったのには閉口したが……。


今度はおやつをねだりにいった

☆ルイに心の安らぎを与えたまえ
 夜の出迎えを憶えるより早く、朝の見送りが習慣になっている。
 「お父さんもルイを連れて会社へいきたいよ」
 まるでもう一度散歩にいこうというかのように、玄関で待ちかまえているルイに声をかけ、家人に託してぼくは出勤する。天真爛漫、文字どおりの無邪気なルイに癒されて駅に向かう。
 
 そして、今夜、家に帰り、玄関のドアを開けるとルイはいなかった。玄関の前に立ったとき奥のほうからルイの吠える声が聞こえていたのでおおよその察しはついていた。はたして、リビングから廊下へのドアが閉まっていて、出られなかったのである。
 喜んでくれる姿はいつもと変わらなかった。家に帰ってきて癒される瞬間である。 

 もし、ルイがいなかったら、どんな気持ちでこの冬のにびいろの空を見上げているのだろうか? 想像さえできない。こうしてぼくたちが救われているのに、ルイだけにつらさを背負いこませてしまっているとしたら、あまりにもかわいそうである。
 この週末、シェラやむぎに劣らないほどの愛情でつつんでやろうと思う。きっと、それがシェラとむぎの遺志でもあるはずだ。


いま、ぼくの横で安心して眠っているルイ

 ぼくたちの気持が通じてくれたのだろう、今朝からルイの食欲が戻った。いま、これを書いているぼくのかたわらで、ルイは爆睡している。上の写真がそれである。


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2 コメント

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食欲が戻ってよかったですね♪ (ノエママ)
2012-02-18 02:06:52
Hiroさん、こんばんわ。

ルイちゃん、少しずつ食欲が戻ってきたようでよかったですね♪

思い出しましたが、サムはもともと食が細いし、ウェンディは大食漢なので参考にはなりませんが、ノエルが子犬の頃食にムラがありました。
一時期、食欲が落ち食べなくなりかなり心配したこと思い出しました。
無知だった私は何とかして食べさせたくて、無理やり口に放り込んだりしたものでした。
この行為は「投げ込み」と言って犬を早死にさせるから止めるようにトレーニングでお世話になっている訓練士さんに注意されました。
ショードッグを太らせたくてよくやる方法だそうです。
今のノエルは卑しい位、食に執着あります(笑)

勿論、Hiroさんはそんなことされていませんが、食べたくない時期が子犬にはあるようなのでそのうちコンスタントに食べてくれるようになりますよ!!
それにフードの袋に表記されている量は私は多すぎる気もします。
うちは太らせたくなくて、その7割位で昔から維持してきました。
だから規定量食べないからと言って心配ないと思います!

あまり心配されると犬にそれが伝わるから長い目でみてあげられたら如何でしょうか?(笑)
生意気言ってすみません。

それからもう一つ・・・先日から読んでいてどうしても気になったことがあります。
食事の前後約2時間はあまり過激に遊ばない方がいいと思います。
お仕事があり、朝夕とあまりお時間が取れないHiroさんにこんなこと申し上げてすみません。
せめて食後は絶対に止めた方がいいです。
ルイちゃんは中型犬ですからリスクは低いですけど、胃捻転やる可能性あります。
胃捻転で亡くなってしまった子を知ってますので尚更気になってしまいました。

生意気なことを申し上げてしまい、重ね重ね申し訳ございません。

いよいよ週末!!
ルイちゃんと沢山、遊んで下さいねぇ~!!

きっとむぎちゃんとシェラちゃんも笑顔で空からみてますよ♪
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ノエママさん、ありがとうございました。 (Hiro)
2012-02-21 23:18:31
重ねがさねの貴重なコメントをいただき、ありがとうございます。
少なからず冷汗ものでした。
幸い、「投げ込み」にならないうちにルイの食欲は戻ってくれたようです。

食餌の量ですが、やっぱり指定量は多いですよね。
ショップでも指摘されていました。
ルイもそろそろ成長が落ち着いてきましたし、ノエママさんのように7割りくらいにさせるつもりです。

それと、食後の運動の件、ありがとうございました。
これもどっと冷汗でした。
ただ、わたしのほうが長時間遊んでやれないので、なんとか無事にここまで漕ぎ着けました。
過激な運動は控えるようにいたします。
ありがとうございました。

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