☆深夜の散歩が定着
昼からの結婚披露宴に出席し、夕方近くになって帰ると、家人がすれ違いで出かけていった。7時過ぎに近所の蕎麦屋へ夕食に出かける。シェラが一緒にいきたいとばかりアピールしながら玄関まで出てきた。吠えはしないが、目で必死に訴えている。
むろん、「あとでな……」と言い聞かせてひとりで出た。外は雨になっていた。
このところ、毎晩のようにシェラとふたりで深夜の散歩に出かけている。
昨日と一昨日はシェラが「いきたい」と呼びにくる前にぼくがシェラに声をかけて10時くらいに出ている。午前1時、2時に連れ出されるよりは、早めにすませてくれたほうがいいという思惑もあるが、一昨日からの散歩は、それよりも迷惑千万な深夜の散歩でさえあとどのくらいやれるかなという焦燥感からだった。
やはり、シェラの腫瘍にナーバスになってしまった。ついつい最悪のことを考えてしまう。それならば、いま、一緒に夜中に出かけることができるときに一緒に散歩をしておきたいという願望こそが理由である。
たとえ、腫瘍のことがなかったとしても、間もなく17歳を迎えるシェラと時間外れの散歩ができる回数などタカが知れている。だから、シェラが歩けるうちに歩いておきたい。
☆親指の根元の傷
シェラに呼ばれる前に連れ出しても、たっぷりとオシッコがでる。たいてい、大きいほうの排泄もすませてくれる。だから、朝の大きい排泄は、二度が一度になった。
朝はルイも連れているので一度のほうが好ましい。ルイがちょっと目を離した隙に何を口にくわえるかわからないからだ。
小石、タバコのフィルター、木片、枯れた花……目の前にあるものをまずはくわえてみる。下手をすると飲み込んでしまう。
今朝はそれを取り上げようとして、逆らうルイの歯がぼくの右親指の付根の皮膚を破いて血が流れた。それがルイの口の白い毛について、近所のわんこ仲間の方が「どうかしましたか?」とルイを心配してくださったほどだ。
シェラが子犬のときも散歩中になんでもかんでも口にくわえて閉口した。だが、ルイのように激しく逆らったという記憶はない。口を開いてくわえた異物を回収するのはもっと楽だった。
むぎはさらに楽だった。滅多に何かをくわえたりはしなかったが、やったとしても叱ればすぐに吐き出した。
頼んだ蕎麦が出てくるまで、親指の根元に残った小さな傷を見ながらシェラやむぎの昔を思い出していた。
家に戻るとシェラが、「さあ、いきましょう」とばかり急かしにきた。しかし、これは散歩の催促ではない。家人の姿がないので、そこへいこうという注文である。外は雨だし、「散歩はまだあとでだ」といって聞かせるとすぐにおとなしくなって、ぼくの足下にうずくまった。
雨の様子を見ながら、むろん、これからシェラとの散歩にいくつもりである。
昼からの結婚披露宴に出席し、夕方近くになって帰ると、家人がすれ違いで出かけていった。7時過ぎに近所の蕎麦屋へ夕食に出かける。シェラが一緒にいきたいとばかりアピールしながら玄関まで出てきた。吠えはしないが、目で必死に訴えている。
むろん、「あとでな……」と言い聞かせてひとりで出た。外は雨になっていた。
このところ、毎晩のようにシェラとふたりで深夜の散歩に出かけている。
昨日と一昨日はシェラが「いきたい」と呼びにくる前にぼくがシェラに声をかけて10時くらいに出ている。午前1時、2時に連れ出されるよりは、早めにすませてくれたほうがいいという思惑もあるが、一昨日からの散歩は、それよりも迷惑千万な深夜の散歩でさえあとどのくらいやれるかなという焦燥感からだった。
やはり、シェラの腫瘍にナーバスになってしまった。ついつい最悪のことを考えてしまう。それならば、いま、一緒に夜中に出かけることができるときに一緒に散歩をしておきたいという願望こそが理由である。
たとえ、腫瘍のことがなかったとしても、間もなく17歳を迎えるシェラと時間外れの散歩ができる回数などタカが知れている。だから、シェラが歩けるうちに歩いておきたい。
☆親指の根元の傷
シェラに呼ばれる前に連れ出しても、たっぷりとオシッコがでる。たいてい、大きいほうの排泄もすませてくれる。だから、朝の大きい排泄は、二度が一度になった。
朝はルイも連れているので一度のほうが好ましい。ルイがちょっと目を離した隙に何を口にくわえるかわからないからだ。
小石、タバコのフィルター、木片、枯れた花……目の前にあるものをまずはくわえてみる。下手をすると飲み込んでしまう。
今朝はそれを取り上げようとして、逆らうルイの歯がぼくの右親指の付根の皮膚を破いて血が流れた。それがルイの口の白い毛について、近所のわんこ仲間の方が「どうかしましたか?」とルイを心配してくださったほどだ。
シェラが子犬のときも散歩中になんでもかんでも口にくわえて閉口した。だが、ルイのように激しく逆らったという記憶はない。口を開いてくわえた異物を回収するのはもっと楽だった。
むぎはさらに楽だった。滅多に何かをくわえたりはしなかったが、やったとしても叱ればすぐに吐き出した。
頼んだ蕎麦が出てくるまで、親指の根元に残った小さな傷を見ながらシェラやむぎの昔を思い出していた。
家に戻るとシェラが、「さあ、いきましょう」とばかり急かしにきた。しかし、これは散歩の催促ではない。家人の姿がないので、そこへいこうという注文である。外は雨だし、「散歩はまだあとでだ」といって聞かせるとすぐにおとなしくなって、ぼくの足下にうずくまった。
雨の様子を見ながら、むろん、これからシェラとの散歩にいくつもりである。
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