先日、故玩館館主の遅生さんが、蜀山人の狂歌を紹介されていました。
それを拝見し、「あれっ!」と思いました。
と言いますのは、我が家には書画は少ないのですが、それでも、どういうわけか、蜀山人のものを1点だけ所持しているからです。もっとも、どういうわけかと言いましても、それは、何時の間にか我が家に紛れ込んでいたということではなく、私が買ってきたものです。私が、古美術品交換会で競り落としてきたものなんです。
何年前に幾らで競り落としてきたのかはすっかり忘れてしまいましたが、蜀山人は教科書にも出てくるような有名人ですから、蜀山人の物を1点くらいは所持していてもいいかな~などという、全くの気紛れで競り落としてきたものなんです。
そんな調子で競り落としてきた物なものですから、「蜀山人のものを買った!」「蜀山人のものを手に入れた!」ということだけで満足し、それが本物なのかどうか、そこに何と書かれているのかを調べることもなく(もっとも私が調べても何と書かれているのかは分かりませんが(><))、間もなく、押入れの中に仕舞い込んでしまいました。
そのようなことなものですから、今回、遅生さんが蜀山人のものを紹介されましたので、それに便乗し、あわよくば、遅生さんに、何と書かれているのかを読んでいただければな~との厚かましさも手伝い、紹介しようと思った次第です(~_~;)
ところで、その蜀山人のものと言うものは、扇面に文字が書かれているもので、その扇面を掛軸に仕立て直したものです。
なお、その扇面に文字が書かれているものの真贋ですが、遅生さんが、蜀山人の狂歌の紹介のところで詳しく解説されていますが、それに依りますと、これも、代筆でしょうか(^_^)
蜀山人の扇面書
扇面部分の写真
扇面部分の右半分の写真
扇面部分の左半分の写真
扇面部分の落款部分の写真
追 記 (令和6年11月7日)
この記事をアップしてから、さっそく、故玩館館主の遅生さんが、この扇面に書かれた文字の解読をしてくれました(^-^*)
その内容は、次のようなこととのことです。遅生さん、ありがとうございました(^-^*)
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- これは、中国の故事の「南泉斬猫」という逸話を書いたものです。「南泉」とは中国の故事に出てくる高僧の名前です。彼は、仔猫に仏性があるかを言い争っていた僧たちに、その結論を迫ったが答えられなかったため、仔猫を一刀両断にしたということです。その逸話が「南泉斬猫」です。
- 扇面には、
『 南泉斬猫
東西で
あらそふ
とても
きる事ハ
よしなん
せんか
猫の
めい
わく
蜀山人 』
と書かれています。
- 『 南泉斬猫
- 東西で争うとても斬る事は
よしなんせんか猫の迷惑 - 蜀山人 』
ということですね。
- 注:よしなんせん=よしなさい?
注:なんせんと南泉をかけています。