ここのところ、酒田の人さんや古民家ミュージアム故玩館をオープンしている遅生さんが、相次いで、古伊万里の染付文字文皿を紹介しています。
確か、我が家にも、このようなものがあったな~と思い出し、探し出してきて紹介することにしました。
さながら、古伊万里の染付文字文皿合戦の様相を呈してきましたね(笑)。
ところで、文字文には、「是」の文字を描いた「是字文」、「武」の文字を描いた「武字文」、「是」なのか「武」なのか分からない「是武字文」、なんという漢字なのか分からない「文字様文」などがあるようです。
では、我が家の古伊万里の染付文字文皿というものはどのようなものなのかといいますと、次のようなものです。
伊万里 染付是字文小皿 表面
これは、ダジャレではないですが、「是」という文字であることがはっきりと分かる「是字文」であることが分かります。
しかも、なかなか、スッキリとし、シャープで、文字もお洒落にデザイン化され、周辺を薄い瑠璃釉で塗り埋めるなど、上品な仕上がりですよね(←自画自賛)。
酒田の人さんのところのものは、「是」という文字なのか「武」という文字なのかがはっきりしない、「是武字文」というところですね。
また、古民家ミュージアム故玩館をオープンしている遅生さんのところのものは、なんという漢字を描いたのかが分からない「文字様文」というところでしょうか。
次にこの小皿の裏面ですが、裏面は次のようになっています。
伊万里 染付是字文小皿 裏面
しかし、裏面を見ますと、ちょっと古格を感じさせませんね(-_-;) 江戸前期を通り過ぎ、江戸中期にさしかかるのではないかと感じさせます(><)
その点、古民家ミュージアム故玩館をオープンしている遅生さんのところのものは、明確に初期伊万里に属するものですから、江戸前期もその初めの頃に作られたことが分かります。
また、酒田の人さんのところのものは、初期伊万里に続く、古九谷様式に属する時代のものであることが分かります。
それにひきかえ、我が家のものは漢字の文字は一番ハッキリとしているものの、時代が足りません(-_-;) 裏面からは、古九谷様式も通り過ぎ、次なる古伊万里様式の様相を呈します。江戸時代も前期から中期へとさしかかりますね(-_-;)
結局、順位を付けるとすれば、骨董は時代が命ですから、第1位は古民家ミュージアム故玩館をオープンしている遅生さんのところのもの、第2位は酒田の人さんのところのもの、第3位は我が家のものということになるでしょうか、、、。
製作年代: 江戸時代前期末~中期
サ イ ズ : 口径:14.1cm 高さ:2.4cm 高台径:9.1cm
それにしても、時代を経るに従い、描き様が精緻になってくるのは不思議ですね。
酒田の人さんがおっしゃっていたように、この模様のオリジンは梵字かも知れませんね。それがだんだん漢字のような形に変化した(^.^)
それから、「是」の字ですが、ずいぶんデザイン化されて、「是」さんが、「これ~~」といって化けて出ているようにも見えますね(^.^)
これで『是』と読むのですね。私は人が座っている姿と思いました。確かに仰られる通り『是』になりますね。瑠璃釉の縁周りに見込みに大胆に『是』置く事により皿の絵柄が引き締まりますね。見事です。有難うございます。
草創期の伊万里の皿で、見込み中央部に「三」という文字を描いた古染付の皿を写したものがありますね。
元々は、そのような中国物に描かれた文字をそのまま写したのが始まりなのかもしれませんね。
それをだんだんと和様化させていった結果、元々の漢字の意味を失い、文様化していったのかもしれませんね。
その過程で、だんだんと描き様が精緻になり、デザイン化されていったのかもしれませんね。
<追記です>
「是」については、「是」という文字を描いたものではないですが、「是」という文字を陽刻した皿があることを思い出しました。
それで、近いうちに、「是」さんが、また、「これ~~」といって化けて出るかもしれません(笑)。
どういうわけか、藍九谷様式の頃に、「是」という文字や「武」という文字を描いたものを文様とした皿が多く存在するんですよね。
そして、これまた、どういうわけか、その後は存在しなくなるんですよね。
その意味では、金銀彩と同じく、時代判定が容易になりますよね。
この皿など、その意味では、最後の頃のものなのでしょうね。「是」の文字など、デザイン化され、文様のようになっていますものね。
確かに裏面を見ると様式化された唐草繋ぎですので、表を一見した印象である「寛文期」とは微妙に違ってはいますよね
とはいえ、見込み周囲を薄濃みで塗りつぶしたシンプルなデザインは魅力的で
ワタシが文字文様で最初にイメージするのがこのようんばタイプの品ですので
そういった意味では「This is 文字文様」といった品かも知れません。
でも、裏をみると、「ん?!」となりますね。
それで、改めて表を見直しますと、小粋に、小奇麗にデザイン化されていることが分かりますね。
それはそれでいいんですが、やはり、オリジナルには力強さがありますよね。
この皿の原形となる、典型的な寛文期のものも欲しくなります(^^;
コメント欄であーだコーダ意見を述べ合えるって素敵ですね。
本当に楽しいコメント欄です。♪
書かれている文字が是
その当時は愛 とか 誠 はないんですね。(笑)
好きなモノのことについて「あーだコーダ意見を述べ合えるって」いうのは楽しいです(^-^;
この皿に描かれているのは、「是」だけです。
これは これで これなんですか、なんてダジャレも入ります(^-^;
そうですね、上杉謙信の家臣の直江兼続が活躍した時代でしたら「愛」でしょうけれど、この皿は、ちょっと、その後に生まれています。
そして、新選組の活躍した時代なら「誠」なんでしょうけれど、これまた、この皿は、それよりもず~と前に生まれています。
そんなことから、この皿には「愛」や「誠」がないんです(笑)。