Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

伊万里 金襴手石畳乗馬人物文輪花形小皿

2020年05月26日 15時23分10秒 | 古伊万里

 今回は、「伊万里 金襴手石畳乗馬人物文輪花形小皿」の紹介です。

 ここのところ、小皿の紹介ばかりが続きますが、我が家には小皿のコレクションが多いものですから、いきおいそのようになってしまうようです。ご了承ください。

 もっとも、考えてみれば、現代でも、各家庭で所蔵している陶磁器では、小皿の数が一番多いと思うんですよね。それは、昔の家庭でも同じだったと思うんです。そうであれば、現代まで伝世している陶磁器では、小皿が一番多いということになりますよね。その結果、骨董の市場に登場してくるのも小皿が一番多く、私も、それを買ってくる場合が多いので、結局、我が家のコレクションの中では小皿が一番多いという結果を招いているわけです。

 前置きはそのくらいにして、さっそく、「伊万里 金襴手石畳乗馬人物文輪花形小皿」を紹介します。

 

 

小皿全体の表面

 

 

 これは、「金襴手」と言われるだけあって、金襴緞子を見ているかの如くで、艶やかであり、華やかです。

 でも、海外輸出用のキンキラキンの「金襴手」とは違って、どこか、落ち着きのある艶やかさであり、華やかさです。たぶん、これは、国内の富裕層向けの高級食器だったのでしょう。

 この小皿は、全体的に見ても、艶やかであり、華やかですが、部分的に見ても、艶やかであり、華やかです。

 見込み面に描かれた石畳文も、色彩豊かで、文様もバラエティー豊かで、艶やかであり、華やかです。

 

見込み面に描かれた石畳文の部分

 

 

 周辺には、馬に乗った人物が描かれています。その人物は2個所に描かれていますが、それぞれ、背景の染付文様が異なっています。

 

 

馬に乗った人物文の部分 (その1)

 

 

馬に乗った人物文の部分 (その2)

 

 ところで、ここで、馬に乗った人物を子細に見てみますと、騎馬武者ではないようですね。私は、騎馬武者が描かれているものとばかり思っていましたので、いささか拍子抜けでした(-_-;) 

 よく見ますと、お坊さんのような人物が描かれています。ということは、この小皿は、裕福な、上級武士向けにつくられたものではなく、寺社向けにつくられたものなのでしょうか、、、?

 

 

 周辺には、もう1種類、馬に乗った人物文の他に2個所に花が描かれています。よ~く見てみますと、花は、2種類描かれているようです。1種類目の花は椿とアヤメでしょうか、、、? これまた、金を多用し、絢爛豪華の極みです。

 

椿とアヤメを描いたと思われる部分

 

 

 2種類目の花は、牡丹とアヤメを描いたのでしょうか、、? こちらも、金を多用し、絢爛豪華の極みです。

 

牡丹とアヤメを描いたと思われる部分

 

 

 それに反し、裏面は、無文で、あっさりしています。

 しかし、薄作りで、造形は厳しく、高台内に描かれたクッキリとした二重角福銘は、自信のほどを伺わせます。

 

裏面

 

 

 ただ、残念ながら、口縁に補修の跡が見られます。しかし、その補修跡は、表面からはほとんど見えませんので、鑑賞には支障がないようです。

 

口縁には、何個所か、補修した跡が見られます。

 

 

製作年代: 江戸時代中期

サ イ ズ : 口径:14.5cm  高さ:3.5cm  高台径:7.1cm


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tkgmzt2902)
2020-05-26 18:38:24
見込みの石畳紋がいいですねー。
現代的なあか抜けした模様だと思いました。
高価でしょうが、使ってみたいお皿です。
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tkgmzt2902さんへ (Dr.K)
2020-05-26 19:29:44
これ、全部手描きで描いているんですものね。
大変な手間ですよね。
今じゃ、ここまで手描きでやっていては採算が合いませんよね。もう、このようなものは出来ないということですね。

使ってみたくなりましたか。
このような器を使ってみたくなるということは、tkgmzt2902さんが、相当に富裕な感性の持ち主であることを証明しますね(^-^;
どのような料理が合うでしょうか。
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Dr.kさんへ (遅生)
2020-05-26 21:07:57
輪花の上手皿ですね。
書き込みがハンパではありません。
小皿に、これまでの良いとこデザインをすべてぶちこんで、それだけでは面白くないので、さらに馬にのった人物を描いたのでしょうか(^.^)
盗っ人が、馬で必死に逃げていく様にも見えますが、それではあまりにも意味不明(^^;
馬の躍動感がすごいですね。
とにかく、サービス満点の満天皿(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2020-05-27 09:02:20
よくもまぁ、こんな狭い画面に、ちまちまと、びっしりと描きましたよね。
しかも、手描きですものね。今ならプリントで簡単でしょうけれど、、、。
昔は人件費が安かったんですね、、、(^^;

なるほど。馬に乗った人物は、「盗っ人が、馬で必死に逃げていく様にも見えます」か(笑)。
「火の用心」ならぬ「泥棒用心」の啓発の意味も込められているんでしょうか(^^;
サービス精神旺盛な小皿ですね(笑)。
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Unknown (tkgmzt2902)
2020-05-27 12:50:18
いえいえ(-_-;)(-_-;)(-_-;)(-_-;)
「こんなのが使えたらなぁ・・・」という願望、いや夢想です。
こんな素晴らしい写真があるからこそ、夢がみられるのです!
赤の色も素敵です。
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tkgmzt2902さんへ (Dr.K)
2020-05-27 13:38:25
いえいえ(-_-;)(-_-;)(-_-;)(-_-;)、、、、、、
いえいえ(-_-;)(-_-;)(-_-;)(-_-;)

とんでもありません。そのような豊かな感性があるからこそ、夢想できるんです(^-^;
私も、豊かな感性を磨くよう努力しています。
そのほうが人生楽しいですものね(^-^;
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金襴手でありながら。 (不あがり)
2020-05-27 19:45:24
Dr.K様へ
金襴手でありながら、全く嫌味が無い。美しいと感じます。出来れば欲しいとまで思います(笑)。素晴らしい品物と思います。有難うございます。
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不あがりさんへ (Dr.K)
2020-05-27 20:52:39
これは、金襴手でも、ケバケバした派手さがなく、むすろ、落ち着いた優雅さみたいなものさえ感じさせますよね。
国内の富裕層向けの高級食器だったのかなと思います。
しかも、富裕層といっても、成金趣味の人向けの物ではなかったのでしょうね。
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