今回は、再び、「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」の紹介です。
先日(2023年9月21日)も、「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」を紹介したところです。ただ、その瓢簞形小皿は、私が何時も行っている古美術品交換会で手に入れたものなのですが、それは、手に入れようとした時点から、「江戸前期のいわゆる古九谷様式の伊万里と断定するには、ちょっと腑に落ちないところがあるな~」と思ったところではありました。
しかし、最近作られたものではなさそうですし、伊万里には多くの窯があったことでもありますので、典型的な古九谷様式のものからはちょっと外れたような、このような物も作られた可能性があるのかもしれないと判断し、落札に及んだものです。
そのようなことで、その瓢簞形小皿をブログで紹介するに際しては、少々、自信が無かったわけですが、思いきって先日(2023年9月21日)、紹介に踏み切ったところです。
しかしながら、その直後から、やはりというか案の定というか、その瓢簞形小皿は、典型的な古九谷様式のものからはちょっと外れたものなのではないだろうか、という思いが強くなってきたところです。その辺の経緯につきましては、先日(2023年9月21日)に紹介しました「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」の紹介文の「追記(その1)」及び「追記(その2)」に記したとおりです。
それで、その後、ネット上で、典型的な古九谷様式の「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」を探していたのですが、ごく最近になって、やっと、ネットショップでそれを見いだしましたので、早々に購入し、今回、紹介することとしたわけです。
まずは、新たに購入した「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」を紹介する前に、次に、新たに購入した「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」と先日(2023年9月21日)紹介した「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」とを並べて紹介いたします。
左:新たに購入した 瓢簞形小皿の表面 右:先日紹介した瓢簞形小皿の表面
左:新たに購入した 瓢簞形小皿の裏面 右:先日紹介した瓢簞形小皿の裏面
両者を並べて見てみますと、その違いは、なかなか分らないかと思います。その差を見抜くには、古伊万里に相当の造詣がないと分らないかと思います。
両者を手に取って比べてみても、なかなかその違いが分りません。とてもじゃないが、写真からだけでは分かりませんね(~_~;)
でも、両者を手に取ってよく観察してみますと、新たに購入した 瓢簞形小皿よりも、先日紹介した瓢簞形小皿のほうがよく焼き締まっていて、硬い感じをうける気がします。文様については、新たに購入した 瓢簞形小皿のほうが大らかで伸び伸びと描かれていますが、何が描かれているのか分らないのに反し、先日紹介した瓢簞形小皿のほうは、何が描かれているのかは分りますが、小さくこじんまりとまとまっていて迫力がありません。
以上のことからだけでは、どちらが典型的な古九谷様式の「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」と言えるのかの判断は難しいわけですが、長年にわたる古伊万里蒐集から得た研ぎ澄まされた鑑識眼とでもいうのでしょうか、それに照らし合わせて判断しますと、やはり、今度こそ、新たに購入した 瓢簞形小皿こそ、典型的な古九谷様式の「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」と言えるのではないかと思うわけです(^-^*)
それでは、次に、新たに購入した「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」の詳細を紹介いたします。
新たに購入した「色絵 丸散文 草花陽刻 瓢簞形小皿」
表面
口縁に4箇所ソゲがありますが、私が、目障りにならない程度に補修しました。
上半分の拡大
下半分の拡大
側面
裏面
瓢簞の尻側から見た裏面
瓢簞の首側から見た裏面
高台内銘:二重角福
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代前期
サ イ ズ : 口径12.5×12.3cm 高さ2.5cm 底径7.8×7.7cm
しかも、ネットでゲットとは、恐れ入りました。
正直、私には両者の違いがよくわかりませんでしたが、色絵の描き方にかなりの違いがあることはわかりました。
やはり、時代を遡る方がおおらかなのですね。
陽刻模様はどうでしょうか。
これも両者で異なるようにみえるのですが。
私も、以前紹介した細長瓢箪形色絵皿の絵違いを最近ゲットしましたので、近くアップします。これも後出しジャンケン?(^^;
今回のは素地の釉はうすく青みがかかって見え、裏側なんかもトロッとした感じが古格と雰囲気を感じました。
やはり裏側の染付け模様や高台の皿の形に合わせたくびれなんかを比べると素人ながら今回の方は特に分かり易いように感じました。
かといって以前のものが決して悪いものだとは思えないのですが。。。
ただこれは二つを並べで比べることで感じることができるもので、目の前にヒョイっと安価で飛び出してこようものなら私はどちらでもすぐ飛びついてしまうと思います笑
すごく為になる検証比較でありがたいです。とても贅沢ですね!(^^)
私の現在の行動範囲は狭いものですから、結局はネットで見つけました。
やはり、色絵の使い方が違うようですね。時代を遡る方がおおらかなようですね。
陽刻文様も、典型的な瓢簞形小皿のほうが、彫りが深く鋭いようです。
以前に紹介した細長瓢箪形色絵皿の絵違いを最近ゲットしたのですか。遅生さんも、着々とコレクションを充実されていますね(^_^)
是非、ご紹介ください(^-^*)
やはり、特に裏側などのトロッとした感じ、古格、雰囲気というようなものが決め手になるかもしれませんね。
確かに、前の物が大聖寺伊万里のようなものではないと思います。それなりに時代はあると思います。ただ、どの辺の時代に位置付けるかが問題ですね。
前の物も、かなり年季の入ったプロの方が手放したもので、それほど悪い物ではないと思います。ただ、ちょっと、典型的な古九谷様式からは少し外れるということでしょうか、、、。
ほんと、相当に明るい人でも、それが「目の前にヒョイっと安価で飛び出してこようものなら・・どちらでもすぐ飛びついてしまうと思います」ね。
でも、一度、本歌を手に入れれば大丈夫ですよ(^-^*)
左の新たに購入した方は完璧に「古九谷」ですよね!。
陽刻の出方も見事ですし、釉薬感、土の感じ、裏面の染付
このような見事な古色は本物にしか持ちえないオーラがあります。
ワタシにとっては未だに憧れの品ですが、いつの日かゲットしたいものです。
素人の質問ですがこの瓢箪型小皿は おかずを取り分けるほどの大きさに見えますが
当時はこれを食事どき あるいは来客に出すお茶菓子などを盛り
生活の一部として使っていたものですか?
それとも飾って愛でるために作られたものですか?
口縁の色付けを 口紅の呼び方がすてきですね。
それに対して、以前に購入したほうは、後期古九谷様式とでもいうのでしょうか。
やはり、盛期のものの方には、オーラのようなものを感じますよね。
盛期を過ぎたものには、きれいはきれいなのですが、ややパターン化し、こじんまりとまとまっていて、力の無さというか、迫力のようなものを感じられないように思います。
私も、以前から欲しいと思っていたのですが、高くて買えませんでした(><)
このところ、古伊万里全般が安くなってきていますので、疵物ではありますが、やっと買うことができました。
酒田の人さんも、いずれ、ゲットできることでしょう(^-^*)
私のような一般庶民には、終生、見ることも無かったようなものだったと思います。
従って、私には、見たこともありませんので、どのように使用されたものなのか分りません(笑)。
それは冗談交じりの話ですが、実際にも、これらが、当時、どのような目的に使用されたのかについて詳しく書かれてはいないようです。
口縁に鉄釉を塗ることを、口紅を塗るとか口紅を施すとか言ってます。昔の人は、なかなか面白い表現をしますよね(^-^*)
それと高台の釉切れ部分が今回の皿の方が直線的で、より鋭く処置されているみたいで生がけがより分かりやすいような気がします。そうなると古九谷の特徴が
今回の方がより出ている様な・・・
よくわかりませんが、その様な感じに見えます。
でも、二つ並べてみますと、微妙に違うことがわかってきます(^_^)
その違いは、まさに、padaさんの言われているようなところですね(^_^)
それで、新たに買った小皿が本物の古九谷で、以前買った小皿が偽物の古九谷ということにされてしまうのかもしれません(~_~;)
でも、新たに買った小皿は盛期の古九谷ということになるわけでしょうけれど、以前買った小皿も偽物ということではなく、盛期の古九谷のリバイバルの後期古九谷というようなものではないかと思うようになってきています。
古伊万里の研究も、もう少し細やかな区分なり、時代の位置付けするべきではないかと思っています。
大まかな区分なりの研究は完成してきましたので、今後は、もう少し細分化する研究がなされるべきではないかと考えているわけです。