今回は、先日(11月15日)、我が家の近くの骨董市と「一言主神社」境内の骨董市から買ってきた、①今年の8月29日にこのブログで紹介したことのある「伊万里 色絵 牡丹文小碗」に似た小碗2個、②印判の蛸唐草文のそば猪口、③蛸唐草文の灰吹き(灰落し)について紹介いたします。
①今年の8月29日にこのブログで紹介したことのある「伊万里 色絵 牡丹文小碗」に似た小碗(「伊万里 色絵 カキツバタ文小碗」)2個について
これは、我が家の近くの骨董市で見つけたものです。
骨董市会場内をぶらぶらしていましたら、ガラクタの山の中にこれらがあるではないですか! 今年の8月29日にこのブログで紹介したことのある「伊万里 色絵 牡丹文小碗」に非常に似ています。いわゆる古九谷様式の古伊万里です! こんなものが、ガラクタの山の中にあるわけがありません。店主が、ガラクタの山の中に間違って入れ忘れているのかもしれません。
それで、おそるおそる、値段を聞いてみました。そうしましたら、私の予想に反し、ガラクタの値段の返答です。そこで、若干の傷があることを指摘し、二つまとめて買うので更に少し値引きしてもらえないかと打診し、若干の値引きをしてもらって手に入れたものです。結局、ガラクタの値段よりも更に値引きした値段で手に入れたものです(笑)。
ところで、今年の8月29日にこのブログで紹介したことのある「伊万里 色絵 牡丹文小碗」というものの写真を、次に、1枚だけ、ここで再度紹介いたします。再度、もっと詳しくご覧になりたい方は、今年の8月29日のブログ記事の「伊万里 色絵 牡丹文小碗」をご覧ください。
前置きが長くなりましたが、その「伊万里 色絵 カキツバタ文小碗」2個というものは、次のようなものです。
伊万里 色絵 カキツバタ文小碗
左:小碗A 右:小碗B
左:小碗Aの裏面 右:小碗Bの裏面
小碗Aの正面(仮定)
小碗Aの正面から右に120度回転させた面
小碗Aの見込み面
小碗Aの裏面
小碗Bの正面(仮定)
小碗Bの正面から右に120度回転させた面
小碗Bの見込み面
小碗Bの裏面
今年の8月29日にこのブログで紹介したことのある「伊万里 色絵 牡丹文小碗」の写真とこれらの小碗A・Bの写真を対比していただければ分かるんですが、今年の8月29日にこのブログで紹介したことのある「伊万里 色絵 牡丹文小碗」とこれらの小碗A・Bとは非常に似ています。
形は勿論ですが、見込み面及び裏面の圏線の引き方、見込みに描かれた文様、高台内の銘など、大変に似ています。従いまして、これら小碗A・Bの製作年代及び製作場所は、今年の8月29日にこのブログで紹介したことのある「伊万里 色絵 牡丹文小碗」と同じであろうと思われます。
製作場所: 有田皿山
製作年代: 江戸時代前期(1650~1660年代)
サ イ ズ : 小碗A・・・口径;9.9cm 高さ;5.3cm 高台径;4.0cm
小碗B・・・口径;9.5cm 高さ;5.2cm 高台径;3.9cm
②印判の蛸唐草文のそば猪口(「伊万里 染付 印判手蛸唐草文そば猪口」)について
このそば猪口も、我が家の近くの骨董市で手に入れたものです。
「伊万里 色絵 カキツバタ文小碗」2個をゲットした後も、なお、骨董市会場をぶらぶらしていましたら、今度は、蛸唐草文のそば猪口に目が留まりました。先月も、この会場で「伊万里 染付 蛸唐草文灰吹き(灰落し)」を買ったばかりです。どうも、最近、蛸唐草が気になるようです(~_~;)
近寄って、よく見ましたら、蛸唐草文の部分が印判になっているんですよね!
「あれっ! 蛸唐草のそば猪口に印判というものがあったかな~?」と気になりました。
私は、そば猪口にはあまり興味がありませんので、これまで、そば猪口をよく観察していなかったものですから、よくは分かりませんが、これまで見たことがないような気がしてきました。
そうなりますと、「珍品」ということになりますよね。「珍品」という文言にコレクターは弱いんです(__;)
それで、それほど高くもない値段だったものですから、買ってみることに、、、。
その写真は、次のようなものです。
伊万里 染付 印判手蛸唐草文そば猪口
正面(仮定)
蛸唐草文部分のみが印判。その他の口縁内部の文様、腰部の文様、見込みの文様、高台内の銘などは手描き
正面から右へ90度回転させた面
印判の合わせ目が見られます。
なお、口縁の左側に傷と1.5cmほどのニューがあります。それは、買った後、自宅で気付きました(~_~;)
正面から左へ90度回転させた面
印判の合わせ目が見られます。
見込み面
底面
面白いのは、この銘です。「成 明 化 年」となっています。正式には「大明成化年製」の6文字ですが、普通、
それを省略して「成化 年製」の4文字にしている場合が多いですよね。ところが、ここでは、「成 明 化 年」
の4文字になっているんです。「大明成化年製」の6文字から、適当に4文字を選んできて書いているんですね。
それでは全く、文字としての意味を成しませんよね(笑)。文字等知らない当時の陶工が、年号という意識がなく、
単に、文様として描いている証拠ですね(^_^)
製作年代: 江戸時代後期 明治時代 (padaさん及び越前屋平太さんのコメントにより訂正)
サ イ ズ: 口径;8.0cm 高さ;6.4cm 高台径;4.1cm
<追記>(令和2年11月19日)
この記事を、インスタグラムに投稿しましたところ、まず、padaさんから、次のようなコメントが寄せられました。
「この印判は、銅版転写による印判と思われます。また、銅版転写は日本の場合、明治になってから導入されたと思われます。ところが、この器体の製作年代が江戸後期となっていますので、時代的な矛盾を感じます。」
次に、その件に関連しまして、そば猪口コレクターの大家であられる越前屋平太さんから、次のようなコメントが寄せられました。
「この器形の物で明治20年代の紀年銘入り時代箱に収まった猪口を見たことがあります。銅版転写との時代も合致しており、明治の作と見てよいと思います。
しかし、この銅版転写による蛸唐草文は初見です。珍しい物だと思います。 」
ということで、疑問が解決いたしました(^_^)
矛盾点をご指摘くだされたpadaさん、疑問を解決してくれた越前屋平太さん、ありがとうございました(^_^)
③蛸唐草の灰吹き(灰落し)(「伊万里 染付 蛸唐草文灰吹き(灰落し)」について
これは、「一言主神社」の境内で行われていた骨董市で買ったものです。
これまで、蛸唐草は殆ど買わなかったんですが、最近、蛸唐草が安くなったこともあって、ちょっと気になりだしました。先月も「伊万里 染付 蛸唐草文灰吹き(灰落し)」を買ったばかりです。
ところが、あろうことか、ここでも、また、「伊万里 染付 蛸唐草文灰吹き(灰落し)」が売られているではないですか。しかも、先月買ったものよりも上手です!
こうなりゃ、買うしかないですよね! 特に「灰吹き(灰落し)」コレクターを目指しているわけではないんですが、、、(~_~;) 成り行きというやつですね。
もっとも、売主は、これは、「東大寺の大僧正が使っていた湯呑みですよ。滅多に出てこないものですよ。珍品ですよ」との触れ込みでした(笑)。だいたいにおいて、こんな能書きは信用できないんですよね(~_~;) でもそんなやりとりが面白いのも骨董市ならではですね(^_^)
私は、これは「灰吹き(灰落し)」である、との確信のものに買いました(^_^)
ということで買った「伊万里 染付 蛸唐草文灰吹き(灰落し)」というものは、次のようなものです。
伊万里 染付 蛸唐草文灰吹き(灰落し)
立面
蓋を開けたところ
底面と蓋裏
蓋表 蓋裏
摘まみの根元部分にも文様があります。なかなか気を使っています。
製作年代: 江戸時代後期
サ イ ズ: 口径;6.2cm 高さ(蓋共);9.9cm 底径;6.0cm
頬が緩みっぱなしでしょうが、そこは店主にさとられぬよう、グッとこらえて・・・・私にも、そういう経験があることはあります。が、大半はその逆のケース(^^;
印判の蛸唐草は大珍品ですね。
たどたどしいのは、わざとでしょうか。底銘も、珍にして妙。
やはり、図録の発行が待たれます(^.^)
高い金額を出して、それ相応の物を買っても面白くないですものね。
私は、案外、掘り出しに恵まれているようです(^_^)
きっと、古伊万里の神様が助けてくれているのでしょう(^-^*)
印判の蛸唐草の底銘には笑っちゃいました(笑)。
何だこりゃ、の感じですよね!
だいたいにおいて、「太明」だって「大明」の意味を知らないで書いているんでしょうけど、「成 明 化 年」にはまいりました(笑)。
元々の「大明成化年製」というものを知らなければ、何のことかサッパリ分かりませんものね(~_~;)
最初の品物などは、業者さん自体が、この時代の物を知らないのだと思います。私も実物を見た事が無いので見逃すと思います。これは目が利いているから手に入れられる物と思います。それにしても、鬼の値切りですね(笑)。容赦無しですね(笑)。
蛸唐草の印判に手書き文様は珍しい品物と思います。これも見えなければ分かりません。
そして灰吹きですが。東大寺の大僧正って、嘘が大きすぎます。もうちょっとマシな話をしろよと言いたいですが。言いたい気持ちも分かります。良い品物と私は思います。今回の三点大当たりでしたね。有難うございます。
その点は、私のほうが上を行っていたかもしれません(^_^)
何せ、長いこと、伊万里ばっかり追いかけていますから、、、(笑)。
「鬼の値切り」(笑)の件ですが、値段を聞いた際、こちらが安さにびっくりして「ええっ、そんなに安いの!」などと言おうものなら、売主が逆に驚いて、「これは良い物なのかもしれない!」と思い直し、「お客さん、すみません、それは、置く場所を間違えました。それは安くは売れないんです」とか「それは非売品なんです」などと言いかねません。
それで、そんなことを予想し、更に値切るんです。そうすれば、先方は、安心して安く売ってくれるわけです。
これも、長くやっていて身に付けた駆け引きの一端ですね(笑)。何とか手に入れるための手段なんです。けっして、「鬼の値切り」ではないんです(笑)。
蛸唐草の印判については、padaさんから、印判は明治の銅板転写なのに、ボデーは江戸後期では矛盾する旨のコメントがありました。
この件については、越前屋平太さんが、このようなものは明治にも作られていたとのコメントがありました。
明治の作なようですね。
それにつきましては、追記しました。
灰吹きですが、骨董市では、よく聞く話です。ホラが大きすぎて真実味な薄れるんですよね。
でも、まだ、これは可愛いくらいです(^_^)
豊臣秀吉愛用の品とか徳川家康愛用の品など、わんさか出てきますから、、、(爆)。
でも、この灰吹き、蛸唐でも出来に良い灰吹きですから、以前は高かったんですよね。
底に古いラベルが貼ってあり、そこに46,000円と書いてありました。
そんなラベルも見ないで、右から左に動かしているだけなんでしょうかね。
この印判の蛸唐草の文様ですが。以前、ヤフオクでこれのくらわんかナマス皿を見ております。それが高かったのです。印判の蛸唐草は珍しいとの事で。それに絵付けは手描きでありましたから。併用です。落そうかずっと悩みました。当時24000円だか5000円でした。くらわんかにこの価格は厳しいと諦めました。暫くすると。価格が8000円となり。これで落そうかと考えたのですが。三分の一に一気に下がったので。これがネックで落す事を諦めました。この印判の絵付けは良いのです。今回の絵付けと同じだと考えております。いつのまにか消えました。ウォッチリストに入れておりましたので売れてはいない筈です。有難うございます。
骨董は、その時の状況で、相場が上下しますものね。なかなか買うタイミングが難しいですよね(~_~;)
私は、この猪口を、いわゆるコンニャク印判の猪口と思って買ったんです。
ところが、この猪口をインスタグラムで紹介しましたら、padaさんから、これは銅版転写の印判であろうとのコメントをいただいたわけです。
私は、印判のことをよく知らないんですが、言われてみれば、確かに、銅版転写の印判なのかな~と思いました。
そうすると、銅版転写は明治から始められているわけですから、このそば猪口の器体の製作年代を江戸時代後期ということにすると、時代的に矛盾するわけですね。
そこに、越前屋平太さんから、この手のそば猪口は明治20年頃にも作られていたとのコメントがあったわけで、このそば猪口の器体も明治とすれば、銅版転写とも一致することになったわけですね(^_^)
今回、たいした金額の出費でもありませんでしたし、出費以上に勉強になりましたので、padaさんと越前屋平太さんには感謝しております(^-^*)