今回は、「染錦 福壽字草花文 小壺」の紹介です。
なお、この「染錦 福壽字草花文 小壺」につきましても、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中で、既に紹介しているところです。
そこで、次に、その際の紹介文を再度掲載することをもちまして、この「染錦 福壽字草花文 小壺」の紹介とさせていただきます。
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<古伊万里への誘い>
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*古伊万里ギャラリー244 伊万里染錦福壽字草花文小壺 (平成30年9月1日登載)
正面(仮定)
正面から右に約120度回転させた面
正面から左に約120度回転させた面
壺の内面
ピントが合っていないので見ずらいが、かなりの墨跡が見られる。
底面
うっすらと墨跡が残っている。
小さい割りには手抜きなくきちんと作られている。
そこそこ上手と言える。
元々は「茶入」として作られたのかもしれないが、底面や内面に墨跡があることから、前所有者は「文房具」として使っていたものと思われる。
小さいながら、肩はぐっと張り、底の方に向かってはギュッと引き締まっていて、なかなかに魅力的なボデイラインである。
何故か身近に置いて時々は手に取って愛玩したくなるような存在であり、また、ボデーに「福」と「壽」の文字が描かれているためか、手に取って愛玩していると、何か良いことが起きそうな予感を与えてくれそうな存在でもある。
前所有者がこの小壺を身近に置き、時々手に取って愛玩したいがために「文房具」として使用したのであろ気持ちを伺い知ることが出来る。
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代中期
サ イ ズ : 口径;2.9cm 胴径;5.9cm 底径;2.5cm 高さ;5.0cm
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*古伊万里バカ日誌172 古伊万里との対話(福壽字文の小壺)(平成30年9月1日登載)(平成30年8月筆)
登場人物
主 人 (田舎の平凡なご隠居さん)
福 壽 (伊万里染錦福壽字草花文小壺)
・・・・・プロローグ・・・・・
主人は、今回は、例によって、主人のところにやってきた古伊万里の順番に従って対話をしようと考えたようで、該当する古伊万里を押入れから引っ張り出してきて対話を始めた。
主人: お前は、何時見ても相変わらず小さいな!
福壽: それはそうですよ。私は、生まれつき小さく作られたんです。それに、私たち陶磁器は、人間と違って成長しませからね。生まれた時からそのように運命付けられているんです。
主人: 生れによって運命付けられているか・・・・・。何やら、封建制下の身分制みたいだな。
お前には、「福」と「壽」の文字が描かれているが、そうすると、永遠におめでたいようにとの意味を込めて作られたわけかな。
福壽: そうです。私は、永遠におめでたいように作られたんです。ですから、私を可愛がり、永遠に所蔵してくれれば、ご主人も、永遠におめでたく過ごすことが出来るんです(^-^;
主人:: こいつ、我が家から追い出されないためにゴマを擂る気か!
福壽: ・・・・・・・。
主人: ところで、お前は、何を入れるために作られたんだろうね。用途は何だったのかね・・・・・。
福壽: 「茶入」でしょうか。
主人: 「茶入」ね~~~。なるほど。日用雑器ではなさそうだね。小さいくせに、それなりにキチント作られていて、そこそこ上手だものね~。
ただ、よく観察してみると、底部や内側に墨の跡があるんだよ。前の所有者は文房具として使っていたのかな。
もっとも、「茶入」にしろ「文房具」にしろ、日用雑器ではないやね。お前が、それなりに上手の生れだったことを証明しているかな。
福壽: 私は、染付の他に赤と金彩のみで絵付けされていますよね。染付の他に赤と金彩だけを使って絵付けしたものの方が、その他の緑や黄、紫といった色も使って絵付けしたものよりも古いと聞いたことがあるんですが、本当ですか。
主人: うん。真偽のほどは分からないが、よくそんなことが言われているね。
それはともかく、今、思い付いたんだけど、染付の他に赤と金彩だけを使って絵付けをするということには、合理的な理由があったんだと思う。
というのは、華やかさを演出するには「赤」が一番だね。それにゴージャスさを加えるとすれば「金」を付加すればいいわけだ。「赤」と「金」だけで十分にゴージャスな華やかさを演出することが出来るわけだ。「赤」と「金」だけで十分にゴージャスな華やかさを演出出来るなら、最小の手段で最大の効果を上げることが出来るわけで、製作コストもそれなりに低くおさえられる。そんなわけで、染付の他に「赤」と「金」の二色のみを使った染錦がまず第一に登場してきたのではないかと考えることが出来るよね。
ただ、消費者のほうは、だんだんとそれに慣れてきてしまって、より豪華で華やかなものを求めるようになり、それに応えて、赤と金の他に緑や黄や紫といった色も追加されるようになってきたのではないかと考えることが出来るわけだ。
福壽: なるほどです。そう考えれば、染付の他に赤と金の二色のみを使ったものの方が、染付の他に赤と金のみならず緑や黄や紫といった色も使ったものよりも古いということの説明理由になりますね。
主人: まっ、ね。でもね、これは、たった今、思い付いた「思い付き」にすぎないから、あまり信用しないほうがいいよ。
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いかにも、「壺」という感じがしますものね(^-^*)
座辺にあると、豊かな気分にしてくれます(^-^*)
なるほど、つや姫さんならは、これを筆立てにするのですね(^_^)
やはり、文房具として使用したいと思うわけですね(^-^*)
形がしっかりしているのに惹かれますね。
側にあれば
気分が上がる壷ですね。
私はこの壷に乾燥した筆を立てておきたくなります。大筆や小筆 数本ですね。♪
それに、「福」と「壽」の文字が描いてありますので、身近に置いて愛玩していますと、なんとなく「福」や「壽」がやってきそうな感じになりますので気に入ってます(^_^)
>こういう品をもっている人は、昔も今も、万巻の書を読み、万里を行く・・・文人です(^.^)
このようなことを知性の泉のような方に言われ、舞い上がって万里を行きそうです、、、(^_^)
思わず手にとってみたくなります。
色使い、絵と字のバランスも良し。
こういう品をもっている人は、昔も今も、万巻の書を読み、万里を行く・・・文人です(^.^)