今回は、「染錦 扇面短冊文 角徳利」の紹介です。
これは、最近、ネットショップで購入したものです。
私は、原則として、写真だけからの判断では古伊万里を買わないことにしているのですが、最近では、なかなか、骨董市や古美術品交換会で気に入った古伊万里との出会いがないものですから、しびれを切らし、ついつい、ネットショップに目が行き、そこでたまたま気に入ったものに出会いましたので、買ってしまったわけです(~_~;)
それはともかく、この染錦の角徳利は、伊万里の輸出華やかなりし頃の享保(1716~1735)前後に作られたものと思われます。
普通、この手の物は2本揃いで海外に出荷されたようです。しかし、国内の富裕層も好んだようですので、これは、或は国内の富裕層に販売され、国内に伝世したものなのかもしれません。
したがいまして、これが、輸出されたものの里帰り品だとすれば、ヨーロッパの貴族の館のマントルピースの上に飾られたりして、貴族達の目を楽しませてきたものかもしれません(^_^)
また、これが、国内の富裕層に販売されたものだとすれば、桜花爛漫のもとの華麗な花見の席の主役の座に鎮座していたものかもしれません(^-^*)
そんなことを思い浮かべながら眺めていますと、時空を超えたロマンを感じます(^-^*)
正面(仮定)
2種の扇面と短冊を描いた文様を交互に4面に描いています。従いまして、
正面の裏側も同じ様な文様配置となっています。
正面から左に45度回転させた面
正面から左に45度回転させた面の肩部分の拡大
鳳凰(左)と龍(右)が描かれています。
正面から左に45度回転させた面の胴部分の上半部の拡大
扇面には、金彩で、葦雁、舟などを配した海浜図が描かれています。
また、短冊には、金彩で、梅が描かれています。
正面から左に45度回転させた面の胴部分の下半部の拡大
短冊には、金彩で、梅が描かれています。
正面から右に45度回転させた面
正面から右に45度回転させた面の肩部分の拡大
龍(左)と鳳凰(右)が描かれています。
正面から右に45度回転させた面の胴部分の上半部の拡大
短冊には、金彩で、藤が描かれています。
正面から右に45度回転させた面の胴部分の下半部の拡大
扇面には、金彩で、家屋、樹木、舟などを配した山水図が描かれています。
また、短冊には、金彩で、藤と桜が描かれています。
上から見た面
口縁の約半分が欠損していましたが、欠損部分は私が補修しました。欠損したままですと、どうしても、目が欠損した部分に行ってしまい、鑑賞の妨げとなってしまいますけれど、この程度の下手な補修でも、ちょっと離れて見るぶんには、それほど目障りとはならず、十分に鑑賞には耐えられるようです<自画自賛(~_~;)>
底面
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代中期<享保期(1716~1735年)前後>
サ イ ズ : 口径3.7cm 幅;肩部11.0cm、底部10.0cm 高さ26.5cm
容 量 : 口いっぱいに入れると約1.9 ℓ入りますので、1升(1.8 ℓ)徳利として使用されたも のと思われます。
扇面と短冊も大きく、大胆なデザインです。呉須でべったり塗られているので、迫力満点です。
それでいて、金彩で繊細な模様が描かれていて、上手徳利の代表ですね。
西洋でもアルコールをいれたのでしょうか。外人は酒に強い人が多いですから、十分ありですね。
いよいよ、ネット購入全開ですね(^.^)
これを売っていた店主のセールストークには、
「国内でも、海外向けの鮮やかな染錦は、派手好みの富裕層に好まれました。」
とありました。
私は富裕層ではありませんが、これに惹かれたわけですから、派手好みなのかもしれませんね(^_^;
私は、このような、派手で豪快なもの、しかし、その中にも、繊細さも宿しているようなものに惹かれるんです。
でも、口縁に大きな欠損がありましたので、比較的に安く手に入れることができました(^_^)
西洋では何の用途に使ったのでしょうかね、、、?
日本では考えられないような用法に使われていることがありますものね。
アルコールを入れる容器として使ったであろうことは考えられますけれど、案外、インテリアとして使われていたかもしれませんよね。
ネット購入に足を踏み入れますと、出会いが多くなり、資金繰りに苦労しますので、私には、やはり、たまにの参入がいいようです(~_~;)
花や葉は細やかで美しく、紺地に金彩の色紙や短冊で
ぐっと艶やかになった感じがします。
肩の赤絵や染付も凝っていて面白いですね。
全然別なもののようでも、これらが絶妙なバランスを保っているように思います。
口をきれいに直されて不自然なところは見えませんね。
大きくて個性的なので一つあるだけで、他になにも飾らなくて良さそうですね。
良い目の保養をさせて頂きました~(^_-)-☆
口縁に疵がありましたので、比較的に安く手に入りました(^_^)
というか、疵があったからこそ市場に登場することになり、私の所に来てくれるようになったのかもしれません(^-^*)
今では、こんなに大きいと、各家庭で、実際に酒徳利として利用することはないですよね。
インテリアとして、床の間などに置いておくようなものですよね。
ただ、このように賑やかですと、花など入れなくとも、これだけで十分なようですね(^_^)
デザインも含め、元禄期の品のような過剰な派手さがなく、和風の落ち着いた感じがとても魅力的です。
それにしても一升も入るとなると、いっぱいまで入れたらかなり重いですよね
(早く飲んで減らすということでしょうか・・・)
人目を惹きますよね!
この手は、骨董市などでよく見かけますよね。もっとも、その殆どは最近写された物ですけれど、、、。
それだけに、人目を惹き、人気があり、「欲しいな~」と思わせるからでしょうよね。
一般的に言うと、このような手が、「古伊万里」の代表みたいに思われているかもしれませんよね。
これは、その本歌に相当するわけですから、古伊万里コレクターとしては、やはり手元に置くべきだろうと思い、購入しました(^_^)
これだけ装飾的ですと、台所で酒を保管するための容器ではなさそうですね。
国内で使われたとすれば、保管用ではなく、実際に酒器として使われたのではないかと思います。
でも、1升も入りますから、独酌用ではないですよね(^_^)
大人数用に使われたのだろうとは思うのですが、具体的にはどのように使われていたのか、知りたいところです(^-^*)