今日は、私にとって、月に一度の、骨董市の日でした。
朝、出発の時点では曇りで、ギラギラとした太陽は照りつけていませんでしたから、比較的に涼しかったのですが、会場に着いた頃は、晴れとなり、また暑くなってきてしまいました(~_~;)
まもなくお彼岸を迎えますので、そろそろ暑さも和らいでくれてもよさそうなものですが、今年のお天気様はまだまだ頑張っているようです(笑)。でも、暑さ寒さも彼岸までといわれますから、まもなく涼しくなるのでしょう、、、。
そんなことで、汗をふきふきの会場内の散策とは相成りなりました。
でも、皆さん、暑さをものともせず、熱心に会場内を見て回っています。私も、負けずと見て回ります(^_^)
私のお目当ての古伊万里も、何点か展示されていましたが、やはり、良い物は高く表示されています。まっ、それは当然なので、本来は、良い物を高く買うべきなんです。でも、私にとっては、それでは、つまらないんですよね(~_~;) 私にとっては、それは、骨董市の醍醐味ではないんです(~_~;)
私にとっては、良い物を安く掘り出すというところに骨董市の醍醐味があるんです(笑)。それで、それらはパスして、帰宅することにしました。
でも、せっかく来たことでもあるので、何か1点なりとも連れ帰りたいものだなと思い、もう一回りしてから帰宅することにしました。
それで、何かないかなとぶらぶらしていましたら、ガラクタの山の中に「うん、、!?」というものに遭遇です。
一見すると古そう、でも、良く見ると新しそう(><) でも、値段は激安です(^-^*)
それで、店主に、「これください」と言いましたところ、店主は、「実はそれは傷物なんです。良くみてください。それで安くしているんです。それでもよかったらどうぞ」との返答でした。
それで、改めて良く見直したのですが、どうも、傷らしいものは見当たらないのですよね。私としては、傷があったとしても安いと思ったものですから、それでもいいかと思い、連れ帰った次第です。
でもね~、連れ帰り、よく洗って綺麗にし、再度、傷の有無を点検したのですが、傷はないんですよね。
店主は、何処を見て疵物と言ったのか、いまだに私には分かりません(~_~;) 店主には見えて、私には見えない傷なのでしょうか、、、。
それはともかく、そのようなことで、今日、連れ帰ったのは、次のようなものです。ただ、なんか、新しいような古いような、自信のもてないものですが、当面は、古いものとして紹介したいと思います。その後の皆様方からのご意見などを参考にして、訂正したいと思います。
色絵 牡丹・文字文 文字様文 小碗
正面(仮定)
色絵ということなんですが、青一色なんです(この裏側に赤の文字はありますが)。
輪郭線を黒で描き、その中を青の色絵具で塗っています。
正面の一部の拡大
輪郭線を黒で描き、その中を青の色絵具で塗っていることが分かります。
黒の輪郭線はかなり剥げ落ちてしまっています。
輪郭線を黒で描き、その中を青の色絵具で塗っている伊万里は江戸前期の古い手によくみられますので、この点から、この小碗の製作年代は江戸前期かなと思った次第です。
正面から右に90度回転させた面
正面から左に90度回転させた面
赤で文字のようなものが書かれています。
正面から左に90度回転させた面から更に左に45度回転させた面
赤で文字のようなものが書かれています。
正面の裏側
(正面から左に90度回転させた面から更に左に45度回転させた面を更に左に45度回転させた面)
赤で文字のようなものが書かれています。
上の3枚の画像から分かりますように、正面の裏側付近には赤で文字のようなものが書かれています。もっとも、私には、何と書かれているのか分かりませんが、、、(~_~;)
伊万里の場合、このように赤で文字が書かれているものは江戸後期に多く登場するように思います。そうしますと、正面側の文様は、輪郭線を黒で描き、その中を青の色絵具で塗るという江戸前期によく登場する手法なわけですが、裏面側の文様は、江戸後期に登場する手法なわけですね。
そんなことを考えますと、いったい、この小碗の製作年代は何時なのかと疑問に感じてしまうわけです(~_~;) 古いのかな~、新しいのかな~、と(><)
見込み面
口縁に緑色の絵具が少し付着しています(時計の針の6時の方角)
よく、傷を隠すためにこのようなことをする場合がありますが、この場合は、
単に、作業の段階で、誤って緑の絵具が付着したものと思われます。
底面(その1)
青絵の部分側
底面(その2)
赤い文字のような物が書かれた部分側
高台部分の拡大
高台内には、一部、釉薬が掛かってない所があり、そこから生地が見えるのですが、生地が真っ白であることが分かります。
伊万里にしては、生地が良過ぎるのではないかと思ってしまいます(~_~;)
また、そのように疑問を感じますと、高台造りにしても、高台側面に釉薬が分厚く残っていたり、畳付き部分にまで釉薬が掛けられていたりで、ちょっと伊万里とは違うのかな~とか思ってしまうわけです。更には、良く観察しますと、口縁部分の釉薬が拭き取られて焼かれたのかもしれない(口縁部分を指でなぞりますと、ザラザラします)、極端に言うと、伏せ焼きされたのかもしれないとの疑問も生ずるわけです。
それで、以上のことから、この小碗の生産地と製作年代については自信の持てないところですが、一応、「生産地:肥前・有田」、「製作年代:江戸時代前期」として紹介いたします。
生 産 地 : 肥前・有田 中国・景徳鎮窯 中国・徳化窯
製作年代: 江戸時代前期 中国・清朝後期
サ イ ズ : 口径8.7cm 高さ5.0cm 底径3.4cm
追 記:令和5年9月23日
この小碗を紹介してから、何人かの方からコメントが寄せられました。
それらのコメントでは、やはり、この小碗は、
①「伏焼」されていると思われること
② 高台処理が伊万里とは思えないこと
③ 胎土が、伊万里の胎土に比して白過ぎ、かつ、胎土に透明感があること
④ 黒で輪郭線を描き、その中を色釉で塗り埋める手法は中国でもおこなわれていること。否、むしろ、中国のほうが本家と思われること
⑤ 赤で文字のようなものが描かれているが、それは、文字ではなく、符牒のような、何かの記号(?)のようなものかもしれないこと
等から、中国産ではないだろうかとの意見が多くを占めました。
したがいまして、この小碗の生産地を「肥前・有田」から「中国・景徳鎮窯」に訂正したいと思います。
なお、製作年代についても、それに連動して訂正する必要があるわけですが、何時作られたのかはよく分かりませんので、一応、「江戸時代前期」を「中国・清朝後期」と訂正いたします。
また、この小碗の名称も、「色絵 牡丹・文字文 小碗」から「色絵 牡丹・文字様文 小碗」に訂正したいと思います(それに関連し、「文字」を「文字のようなもの」にも訂正いたします)。
コメントを寄せてくださった方に御礼申し上げます。ありがとうございました(^-^*)
追 記2:令和5年10月9日
古之人という方から、これは、福建省の徳化窯で量産され、文政期に煎茶茶碗として多く舶載されたものですとのコメントをいただきました(^_^)
したがいまして、この小碗の生産地を「中国・景徳鎮窯」から「中国・徳化窯」に訂正いたします。
古之人さん、貴重なコメントをありがとうございました(^-^*)