佐久市事業仕分けを見学

2010-10-16 23:01:59 | 議会活動

(写真)佐久市事業仕分け会場(臼田総合福祉センター「あいとぴあ臼田」)。

(写真)大勢の市民の方が傍聴に見えていました。

(写真)濃密な議論が交わされます。

(写真)事業仕分け第二会場の様子。

(写真)結果が掲示板に掲載されました。

16日は終日佐久市の事業仕分けを傍聴しました。会場が臼田だったので8時に自宅を出発。佐久まで1区間高速を使い駒場公園を通って佐久市臼田総合福祉センターに着いたのは開会15分前でした。私は以前から事業仕分けを傍聴したいと思っていましたのでとても楽しみにしていました。

今回の事業仕分けでは36の事業を「必要かどうか、誰がやるべきか、改善すべきかどうか」仕分けるもので、16・17日の二日間にわたって行なわれます。仕分けは構想日本のコーディネーターが司会を努めます。まず事業説明者が事業の説明を行い、仕分け人による質疑・議論が行なわれ、それを市民判定人が「不要、民間、国・県・広域、要改善、現状」から選択して仕分けます。1事業あたり30分が目安です。

佐久市の事業仕分けは県下初の取り組みです。会場には大勢の市民の方が傍聴に訪れ、マスコミ各社も取材に来ていました。佐久市以外の自治体からも関係者の方が視察に訪れていました。地元のCATVではインターネット中継も行なっていました。

私は第一会場の最前列で知人と一緒に傍聴しました。始まったのは9時半、終わったのは5時。わずかな休憩と40分ばかりの昼食休憩のほかはすべて濃密な議論が行なわれました。1仕分け30分という短時間であっても的確な質問、鋭い突っ込みがあり緊張感ある議論が続き問題点が明らかにされて行きました。聞いているだけですが疲れました。市民判定人の方もお疲れだったことと思います。

事業仕分けでは事業のすべてが市民の前にさらされ、それを仕分け人という外部の目でチェックされ、事業の必要性が「そもそも必要なのか」という原則に則って議論されます。そこには今までやってきたからとか、制度で決まっているからといった曖昧さはすべて排除されます。

印象的だったことがあります。仕分けの中に生ゴミを堆肥化する「臼田堆肥センター管理運営事業」がありました。担当者は現状どおりやりたいと主張。仕分け人は堆肥センターにとどまることなくゴミ焼却場建設の中で考えるべきであり、生ゴミの堆肥化を全市に拡大したらどうかと提案しました。担当者は「私の所管ではない」と現状の継続に固執されました。

担当者の方も大変だったとは思いますが、残念なのは現状をいかに変えてゆくべきかという積極的な視点が見えなかったことです。すべてを自分の役割の中で考えるのではなく、全市的な視点で考え、必要であれば他部署の知恵も借りるという視野の広さが見えませんでした。職員がみんな居心地のいいタコツボの中で、改革を拒否し前例踏襲で仕事をし、自分の縄張りを守るようでは行政改革は一歩も進みません。

私は以前一般質問で事業仕分けを取り上げたことがあります。これに対する市側からの回答は「魔女狩りをすべきではない」というものでした。事業仕分けは決して「魔女狩り」なのではありません。事業仕分けは職員一人ひとりに自己変革を促す場なのです。いわゆるお役所意識やお役所仕事を捨て、市民益を実現するのはどうしたらいいか考える場ではないでしょうか。

一方市民にとってもこれまで知ることもなかった行政の実態に直接ふれることができます。これまでは市民は行政に対してあれもこれもと要求することが多かったと思います。しかし行政の実態が明らかになる中で、市も苦しいのだからこれは我慢しようという視点が出てきます。こうした経験を通じて市民が行政の単なる客体ではなく、主権者であるという意識が芽生えてきます。これは「協働のまちづくり」を進める意識と共通するものです。ですから事業仕分けはそれに参加した市民にも自己変革を促すものとなっています。

こうした事業仕分けをぜひ東御市でもやりたいものです。

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2 コメント

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議員本来の仕事? (若林幹雄)
2010-10-20 01:10:42
藤井さんお疲れ様でした。ある自治体関係者の方から「これは議員さんのやるべき仕事ではないですか」と言われました。事業仕分けは議員の仕事を奪うものだと言わんばかりでした。信濃毎日新聞紙上で松本市の菅谷市長さんが、実態を知らない外部の方が仕分けるのに対して批判的なコメントを寄せられていました。私は議員にこだわることはないと思いますし、まさに外部の目が必要だと思います。いずれにしてもその必要性を判断する判定人は市民なのです。
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佐久市の事業仕分け (藤井 一夫)
2010-10-17 19:23:18
16日は事業仕分けの傍聴お疲れ様でした。夜の市民討論会もご覧になりましたか。反対派パネラーの井上さんは一緒の勉強仲間です。事業仕分けは、これから行う小諸市と上田市にも参考になったでしょうね。さいたま市の議員さんも傍聴していたようです。若林さんが名刺交換された柳田市長さんは和光市の松本市長さんとも親しい間柄です。
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