おさむのブログ

日常考えていることや、感じた事を書いています!!

解体の現場より

2006年03月10日 00時06分03秒 | Weblog
いま、解体中の現場があります。

いつ建てられたのかも定かでない立派な旧家です。

このたび、道路拡幅による建て替えのため、解体となりました。

付属する納屋、立派な蔵も解体です。

『始まりは大切。終わりはもっと大切』 が私のモットーです。

『地鎮祭は大切。解体祈願はもっと大切』 と考えています。

お供物を供え、大黒柱にしめ縄をまわされたその姿は、無言の威容を誇っています。役割を全うしたものだけが放つ荘厳な雰囲気が漂っています。

祈願が終わり、やがて大きな機械が入場し・・・・・

『バリ・バリ・バリッ!!!!』

解体が始まりました。

家族の歴史が壊されていきます。なんとも、神妙になる瞬間です。臨終の席に立つ心境です。

モノには魂が宿っています。家には、『絆』 という無形の家族の宝が宿っています。

北澤工務店が、公共工事や下請け工事、鉄筋コンクリート住宅やアパート・店舗ではなく、木の 『家づくり』 にこだわるのも、そんな家族の人生に関わることのできるすばらしい仕事であることを知っているからです。

数時間もすると、あの威容を誇った旧家も、形をなくしてしまいました。

残るのは、数枚の写真と、床の間の板、そして家族の記憶だけです。

家づくりってすばらしい。

おさむ
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車のリフォーム(リメイク)

2006年03月07日 20時32分25秒 | Weblog
私の愛車は、平成7年式日産セフィーロで、今日までで235677km走りました。地球約6周です。

よく走ってくれました。

7年前にコミコミ100万円で購入。走行距離55000kmでした。

それといった大きな故障もなく、今でも大変お気に入りの車です。

しかし、現場に行くわけですからこすったりぶつけたり結構やっています。

曲がりなりにも 『北澤工務店代表取締役』 ですから、お客様をお乗せしてご案内をするときにも 『体裁が悪くない』 必要があります。ぶつかったままの車では信用までも揺らいでしまいそうです。

しかし、ビガビガのベンツなんて乗っていたら 『ずいぶん儲けているのね!!』 と思われてしまいますし、貧弱な車では 『大金を預けても大丈夫かしら????』 と思われてしまう。現場にも行きますし、資材も運びます。

ちょうどいいのが今のセフィーロです。

そこで、2年前にもやったのですが、リメイクしてあげることにしました。230000キロメートルも無事に走ってくれているのですから、ご褒美です。

あと3年乗って300000万kmを超えたら大往生を祝って引退させてあげます。まだまだ行けそうです。

どうやらモノにも 『魂』 のようなものがあるようです。大切にしていると必ずそれに応えてくれます。

腕のいい職人ほど道具を大切にしています。例外なく大切にしています。

モノ余りの現代。下取りすればポンコツ扱いのわが愛車ですが、大切に乗り続ける意味と価値を感じる今日です。

10万キロ走ったら 『よく走ったもんだ』 とおもった。
15万キロ走ったら 『まだ走れるかな』 とおもった。
20万キロ走ったら 『もうそろそろいいかな』 とおもった。
23万キロ走ったら かわいくなってきました。 
もしかして、30万キロ走っちゃったりなんかしたら、手放せなくなるかも。

おさむ
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リフォームか、新築か

2006年03月07日 06時35分44秒 | Weblog
『リフォームをしたいんですが、この家、あとどのくらい持ちますか』

こんな問い合わせをいただくことが多くなりました。

子供も巣立ち、定年を迎えた(迎えようとしている)ご夫婦。戻ってくるかどうかわからない子供たちを思案しているよりも、自分たちの人生を楽しもう。ならば、大金のかかる建て替えよりも外回りと水回りをきれいにして、なるべくお金を今後のために残しておこう。

でも、地震が気になるし、床下は湿気も多い。雨漏れをしているところもあるし・・・・。

この家に何百万円もかけてしまっていいのだろうか・・・・。

このようなお問い合わせが、実に多いのです。

選択肢は広いと思います。

① 耐震工事やシロアリ・防湿工事を含めたリフォーム工事をする

② 建て替えをする

③ 中古住宅を購入する

④ 高齢者配慮型マンション、中古マンション、リゾートマンション、田舎暮らし、海外居住・・・・・・。

でも、なかなか生活環境を変えるというのは勇気が要ります。人間関係もゼロから出発ですから、相当なエネルギーを必要とするでしょう。

やはり、迷います。

明らかに言えることは、昭和56年以前に建てられた建物は、現代建築と比較して地震に対する法律的整備がされておらず、何らかの補強工事が必要である場合が多いということです。

また、昭和56年以降の建築であっても、新しい工法や技術が開発されたものの、正しく施工されてない場合が多いです。断熱材が裏表逆に使われていたり、鉄筋の結束の仕方の誤り、筋交いの方向がばらばらであることなどは、多くの現場で散見するところです。

やはり迷います。

皆さんならどうしますか。

ひとつ、提案です。

耐震診断を受けてください。しっかりとした裏付けを持って診断書を作成します。それも工務店がやるとなんとなくいやらしいので、専門家をご紹介します。一件3万円から5万円です。その価値は充分にあります。

客観的データーがあると判断材料ができます。是非お勧めです。

おさむ
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確かな情報博覧会 報告

2006年03月05日 03時47分52秒 | Weblog
昨日は、先にお伝えしたように、つくばの国際会議場にて 『確かな情報博覧会』 が開催されました。

今は亡き、佐藤宣良さんという一人の男の理想が、行政やマスコミ交えた多くの関係者を巻き込み、日本中でも類を見ない家づくりの情報提供の場となりました。

500組の来場者を目標とした本企画。結果としては140組という残念な数字となりましたが、内容がすばらしく、間際になって牽引車の佐藤さんを亡くしながらも実現を果たしたスタッフの方々に、心から敬意を表したいと思います。

今回の企画の中で 『ミニセミナー』ということで、出展者がプレゼンテーションをする、という場面が設定されました。

北澤工務店代表の私は、15時から15時30分の30分間に、家づくりに対する思いやポイントを伝えさせていただくことになりました。

ポイントは

① いったい何のために、命がけの家づくりをしたいのですか。そこを明確にしないと、数多ある工法や構造、ゴシップに振り回されてしまいますよ!!

② もし、全国展開するハウスメーカーではなく工務店で、しかも自然素材で家を建てたいと思うならば、その特性ゆえ、理屈を超えた 『寛容さ』 の中に成功の秘訣があります!!

③ 工務店選びの最重要ポイントは、『社長に会うこと』 『いつも近くにいる存在であること』 です。

④ 『古汚くなる家』 ではなく、『古美る家』 をつくりましょう!!

⑤ 結婚と家づくりは、非常に似ています!!

そんなことを、思い浮かぶままにお話させていただきました。

中でも ⑤ は、実に面白い比喩だと思っています。

結婚の証拠は 『婚姻届け』 に判を押すことです。それしかありません。施主様と工務店の信頼の証も 『契約書』 に判を押すことなのです。

結婚して生まれてくるのが子供であるならば、家づくりで言う 『上棟』 がその瞬間といえるでしょう。

その子供がいかに育つかは、夫婦関係で決まると思うのです。

しかし、結婚前はいいこと言うわけです。『あばたもえくぼ』 なわけです。『幸せになりたい』 『幸せにしたい』 気持ちは一緒のはずなのですが、具体的な形として見えない。

やがて現実の生活が始まると 『こんなはずじゃなかった』 『言ったことが違う』 なんてことはざらに起きてしまうわけです。

家づくりも同じです。契約までは私も含めて、いいこというんです。耐震性が、耐火性が、アフターサービスが、健康住宅が、自然素材が、防犯性が、高気密高断熱が、新工法が、ローコストが、技術がうんぬんと・・・・。

『いい家をつくりたい』 気持ちは一緒のはずですが、形のない思いを形にしていく家づくりのプロセスで 『こんなはずじゃなかった』 『言ったことが違う』 ということは、多かれ少なかれ必ず発生します。

そのときに最も重要なのは、理屈を超えて 『信じ切ること』 『努力すること』 でしょう。それができなくなったら 『破談』 です。結婚と同じく最悪の結果が待っています。

ジョークを交えながら、そうならないためのポイントなどもあわせて伝えさせていただきました。なかなか笑ってもらえませんでしたが・・・・。

30分はあっという間に過ぎ去りました。ご清聴いただきました皆様はどんな感想をもたれたのか、気になるところです。

午前3時から書き始めているのですが、相変わらずとりとめのない文面となりました。ではまた。

おさむ
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呆れてものも言えません・・・。

2006年03月03日 04時00分10秒 | Weblog
建築業界に対する生活者からみたイメージは、最近では姉歯事件、少し前だと悪質な訪問販売、手抜き工事や欠陥住宅、公共工事談合等など、世間様をお騒がせすることが多く、クリーンなイメージやさわやかな業界の印象はあまり感じないのが現状だと思います。

書店に並ぶ華やかな 『夢のマイホーム』 『憧れのリフォーム』 とは全くかけ離れた現実も存在するのが現状といえるでしょう。

昨日はそんな思いを彷彿とさせる、とても嫌な体験をしました。

あるお客様のリフォーム工事で、『屋根が心配だから見て欲しい』 との依頼を受けました。

30年経つお客様のお住まいは、当時流行ったセメント瓦で、セメントで成型した和型状の瓦に防水性を保つために塗装を施しているものでした。

早速自分で屋根に上がり点検をしてみました。

私は100kgも体重があるので、踏み場所を間違えたり勢いをつけたりすると私が瓦を割ってしまうという 『ミイラ取りがミイラになる』 状態となってしまいます。

慎重に周囲を見回すと写真のような現状を発見しました。

なんと、瓦が割れた後をガムテープで貼っていたのです!!

この瓦を割った人は、その事実に確実に気づいており、その事実を隠蔽しかつ、ガムテープで処置をして逃げ去ったわけです。

お客様に確認すると 『ここ数年は誰も屋根に上がっていない』 とのこと。

北側であったからか、ガムテープでも持ってしまったんですね。

更に、1階部分の屋根はそのとき塗装したと思われますが、2階の屋根は塗装されていないんです。狭い住宅地なので、お客様が工事を確認することはできなかったのです。

詐欺行為に匹敵する手抜き工事・デタラメ工事です。

こういうことを体験すると、がっかりします。

何でこんなことが起こりうるのか。なんという業界なのだ!!!と。

その要因のひとつは 『誰でも簡単に事業を始められる』 ことにあると思います。

複雑な手続きや、その道のプロフェッショナルではなくとも、『手配師』 として、誰でも業務を行うことができるのです。職人の手配能力さえあれば、誰でもリフォーム会社を起業することができるのです。

そうであるならば、お客様がガードを固めていくのは至極当然のこと。

そこに前記の様な事件が相次ぐものですから、ますます不信は募るばかり。

そして実際、私共でもあることですが、『形のないものを共に現場で作り上げていく』 という建築工事は、形になるにつれて 『イメージと違う』 『言ったことと違う』 ことが残念ながら多かれ少なかれ、必ず発生するものです。不安が募ります。

見積書を見ても専門的なところは理解できない。他社と比較しても 『高ければ不満・安ければ不安』 です。

では一体どうすればいいのか・・・・。

何度も同じことをこのブログで書くようですが、『地元の工務店』 を選んでください。社長に会って価値観に共鳴できたなら、それが一番だと思います。

またまたそんなことを感じてしまった昨日の出来事でした。

おさむ
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湿式と乾式

2006年03月02日 19時39分09秒 | Weblog
今の世相全般に言えることなのかもしれませんが、湿式よりも乾式全盛期という感じがします。ウエットよりもドライという感じです。

建築の工法も様々に発展してきているのですが、よりドライな工法が多く見受けられます。

その代表が、ビニールクロスであり、外壁サイディングです。

これまでの工法が職人の熟練を要するため、あるいは素材特有のワレ・ムラ・ソリなどを排除するために、合理性を追求して開発されたものです。

これらの登場が、技術者の衰退・画一的な建築・無味乾燥なデザインを生む背景となりました。

北澤工務店は、あえてそこにチャレンジしています。乾式よりも湿式を多用しています。

例えばドイツの自然素材壁紙ルナファザー、シラスでできた中霧島壁やそとん壁、グラスウールや石油系断熱材ではなく新聞古紙のセルロースファイバー、塩ビシートの新建材ではなく無垢材にオイルフィニッシュ仕上げ・・・・。

既製品をなるべく使わない北澤工務店の家づくりは大工さん、塗装屋さん、左官屋さんの仕事が多いんです。職人の 『手のあと』 が残る家づくりなんです。

湿式の家づくりです。

生命財産に匹敵する家づくり。唯一無二の家族の幸せの城ですから、合理性とドライな関係だけでは 『納得がいかない』 のが北澤工務店です。

実は、北澤工務店は人間関係も 『ドライな関係』 ではなく 『ウエットな関係』 にこだわっているんですよ!

『カタロ活動』 がその象徴です。

次回はその 『ウエットな』 カタロ活動をご紹介します。ではまた。

おさむ

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確かな情報博覧会

2006年03月01日 03時36分50秒 | Weblog
もう、3月になってしまいました。つい最近 『明けましておめでとうございます』 といっていたのに、早1年の6分の1が過ぎたのですね。

今週末は 『確かな情報博覧会』 が開催されます。
http://www.karakunet.jp/

この企画、『佐藤宣良さん』 という一人の男の理想によってはじまりました。

『しゃちょー、こんにちはー。』 という、親しげな声でいつも私をかわいがってくださいました。

そのご縁は5年ほど前からになります。カタロ通信やカタロ活動に対し深く共鳴していただいたのがご縁です。

旧公団(現UR都市機構)出身の彼は、住宅地の造成に長く携わり、建築の専門家ではないものの、別の視点から現状の住宅建設業界に対し、ものすごい違和感を抱いていた一人です。

その佐藤さんのすばらしさは 『行動力』 に尽きます。とにかく思い立ったら行動する。わからないことはどんどん聞く。休みだろうが正月だろうがバンバン電話がかかってきました。

そしていつも聞かされたことは、『社長、いまの住宅業界は泥仕合だよ。このままじゃお客は迷うばかりだし、本当にいい家づくりをしているのはどこかなんてさっぱりわからない。私のこれまでのネットワークを生かして、混沌とした住宅業界に風穴を開けたい』 ということでした。

そして、積水ハウスをはじめとするハウスメーカーや、地元の有力工務店をまとめ上げ、『家楽暮ねっと』と立ち上げたのでした。

昨年開催した第1回目の 『情報博覧会』 は、想定をはるかに上回る来場者でにぎわいました。マスコミにもたくさん取り上げられました。

佐藤さんのリーダーシップは留まるところを知らず、どんどん次なる課題を私たちに投げかけてきます。その姿は 『理想と夢の実現に燃える男』 そのものでした。

その佐藤さん、志半ばにして本年正月、癌により他界されました。

どなたからも聞かれる言葉は、『宣良は、自由闊達に生きた』 とうものでした。最後の最後まで理想を追い続け、亡くなる直前まで 『しゃちょー、こんにちわー』 とあの親しげな声で夢を語り続けていたのです。

その理想は引き継がれ、今回の開催となりました。

是非、皆様お越しください。佐藤さんの家づくりの理想を感じていただけると思います。

おさむ
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