ゴミムシは空を飛ばない

2006年06月13日 | サトヤマ,サトヤマ
 よく晴れた日曜日の午前,最近の私にしては珍しいことに自転車での外出は止めて久しぶりに歩いて山の方へと向かった。事前に山行計画を立てるでもなく,基本的には行き当たりばったりの,取りあえず丹沢表尾根方面にでも出掛けるか,歩けるところまで歩いて嫌になったらテキトウニ戻ってこようか,といった気紛れトレッキングであった。フェニックスPhenixのメッシュキャップを被り,背負うザックは最近お気に入りのドイタ . . . 本文を読む

いわゆるサトヤマにおける,いわゆるエコロジストの漫画的動向

2002年05月26日 | サトヤマ,サトヤマ
 少し前の話題になるが,朝,食事をとりながらノンビリと新聞に目を通していると,地方版のページの比較的大きなスペースに『棚田の風景 取り戻そう』,『山あいの荒れ地視察』,『豊かな水辺にイモリ』,『来月から下草刈り』などといったチマチマしたタイトルが目にとまった。記事の内容をよく読んでみれば,そこには概略次のようなことが書かれていた。 ◆ 当市を中心に活動している某NPO法人(自然との付き合い方を . . . 本文を読む

「林道フリーク」の仲間入り?

2000年06月08日 | サトヤマ,サトヤマ
 世間には「林道フリーク」なる妙な人種が存在するようだ。どちらかというと海よりも山の方が好きなんだけれど,いわゆる通常の登山道にはあまり興味を示さず,というか汗水たらして山道を苦労しながら登る気などはサラサラないが,あちこちの林道をクルマやバイクでドカドカ走り抜けるのは大好きさ,という人々である。その一方で,通常の登山愛好者,特にキャリアを積んだウルサガタの登山者においては,概して林道を毛嫌いする . . . 本文を読む

菩提峠への道,そして「名水」に群がるヒトビト

2000年05月20日 | サトヤマ,サトヤマ
 今週の山歩きは,丹沢表尾根の菩提峠(標高約780m)までの道を辿った。  自宅から葛葉川沿いに北西の方角に向かい,途中,山麓の菩提集落を過ぎ,道路の両側の斜面に展開する茶畑や,人家からやや離れたところにポツンと立地する障害児施設園の脇を通り抜けて,青少年野外センター入り口付近で桜沢林道に入る。ここまで,クルマであれば家からほんの10分足らずでなのであるが,歩くとなるとゆうに1時間以上はかかって . . . 本文を読む

サトヤマとリンドー (里山と林道)

2000年05月15日 | サトヤマ,サトヤマ
 この4月から,毎週一回「山歩き」をすることにした。近年とみに衰えの著しい基礎体力の回復・維持,ならびに近い将来,本格的登山を再開する(カモ知レヌ)のに先立ってのウオーム・アップの意味も兼ねての歩行訓練のようなものである。もちろん「山を歩く」という行為自体に対する一種トキメキがその前提にあることは言うまでもないが。  記念すべき第一回目は,我が家の北方に連なる丹沢表尾根の前衛に位置する標高560 . . . 本文を読む

サトヤマ・サトヤマ (媚惑的な呪文) ナマネコ・ナマネコ

1999年12月10日 | サトヤマ,サトヤマ
 『里山再発見。人と自然との豊かなふれあい。忘れかけていた“ふるさと”の原風景。自然と一体化した暮しへの回帰.... 』 日々新聞を眺めていると,社説・コラム・社会面・家庭欄・地方版・投書欄と場所を問わず,そういった同工異曲の歌声が,何ともまぁ節操もなく紙面のあちこちから聞こえてくる。そして,かくのごときノーテンキな主張の数々を見聞するたびに,私は気が滅入り,苦々しい思いで満たされる。里山とともに . . . 本文を読む

バッサーと ヘラ釣りオヤジの せめぎ合い (震生湖)

1999年11月11日 | サトヤマ,サトヤマ
 子供には見せたくない風景,と題して少々屁理屈を述べさせていただく(例によってのブツブツ繰り言ではありますが)。  現在,私ども家族が住まっている土地は神奈川県北西部の山岳地帯の一隅,という言い方はちょっとオオゲサになるが,標高1,673mの蛭ヶ岳を盟主とする丹沢山塊南麓に拡がる金目川水系水無川扇状地が形成した秦野盆地,その開かれた盆地北側を流れる葛葉川河岸段丘の縁あたりに位置している。一方,秦 . . . 本文を読む

「地理オンチ」のクマさんを案じる

1998年09月14日 | サトヤマ,サトヤマ
 夜10時近くに,タカシが通う小学校から連絡網の電話があった。何でも近所の山にクマが出たので,明日の祝日はくれぐれも気をつけるようにとのこと(ヲイヲイ,どこなんだ此処は?)。  電話を置いてから,やおら地図を取り出して広げる。出没したのは弘法山界隈だという。ウチから車でほんの5分程の,山というよりは小高い丘が連なるようなところだ。桜の名所で標高はほんの200m程度,ぐるり周囲の山麓には住宅地が密 . . . 本文を読む

兄さんの渓谷 (ナショナルトラスト第1号地)

1998年06月19日 | サトヤマ,サトヤマ
 ウチのすぐ近くを流れる金目川水系葛葉川の約300~400m下流一帯は「神奈川ナショナル・トラスト」の第1号地に指定された地域で,『葛葉川ふるさと峡谷』なんぞという少々ハズカシゲな名称が冠せられている。そこはいわば市街地のなかの小さなエア・ポケット,丹沢山塊の南東側山麓に広がる緩斜面台地の一角を,葛葉川の清流が標高差15~20m程の小さな河谷を刻みながら鋭い蛇行を繰り返して流下している。河岸段丘崖 . . . 本文を読む

河畔林が みるみるうちに削られてゆく

1997年11月11日 | サトヤマ,サトヤマ
 我家のすぐ近くを流れる葛葉川のほとりで,1ヶ月ほど前から何やら不明朗な工事が行われている。そこは葛葉川左岸一帯に広がる河岸段丘下部の氾濫原に相当する場所で,まだ背丈の低いスギ植林やカシ,クヌギ,コナラ,それからクルミの大木などからなる河畔林で約100mばかりの川沿いの細長い緩衝地である。引っ越してきたばかりの頃,まだ足元も覚束ないタカシとよくその付近を散歩したものだった(段丘斜面を一人で降りら . . . 本文を読む