意外なことだが,最近のタカシは時々無鉄砲なことをする。例えば,道をあるいていて急斜面の石垣に出くわしたりすると,急に攀じ登ろうとする。あるいは,郊外の丘陵地などを散歩中に突然,細い坂道を思いっきりのダッシュで駆け下りる。いずれもいわゆるボーソーゾク感覚の体現であり,そのような行為により得られるラジカルな身体的快感が何ともタマラナイものと想像される。しかし,根は“痛がり屋”のタカシだってぇのに,これはどうしたことか。
振り返れば,3才児のタカシは絶対にこんな子じゃなかった。性格も行動も相共に極めてシャイな子だった。しかるに昨今のかような状況は,恐らくはアキラの日頃の行動に多分に影響されているに相違ない。弟のマネをする兄。弟の行動には,それでもひとつのポリシーめいたものが認められるが,兄の方は単にその行動を追従しているだけで,そこに喜びを見出している。これもひとつの行き方(生き方)ではありましょう。まあ,元気であればそれでよしとするか。
そのうち大きなケガなどしないだろうか,父はそれだけが気掛かりである。
振り返れば,3才児のタカシは絶対にこんな子じゃなかった。性格も行動も相共に極めてシャイな子だった。しかるに昨今のかような状況は,恐らくはアキラの日頃の行動に多分に影響されているに相違ない。弟のマネをする兄。弟の行動には,それでもひとつのポリシーめいたものが認められるが,兄の方は単にその行動を追従しているだけで,そこに喜びを見出している。これもひとつの行き方(生き方)ではありましょう。まあ,元気であればそれでよしとするか。
そのうち大きなケガなどしないだろうか,父はそれだけが気掛かりである。