食べ物の恨み（リベンジ）

　食に対する執着心，あるいは，食い物の恨み（リベンジ）なんてぇものについて。

　最近のアキラはイチゴバニラヨーグルトというのがお気に入りだ。一昨日も夕食後に，ひとり勝手に冷蔵庫を開けて中からイチゴバニラヨーグルトを素早く取り出し，やおら食べようとしていた。すると即座に母の方から「今食べちゃダメよ！お風呂から出た後にしなさい！」とキツイ口調で横槍が入った。どうやら食後のデザートとしては，既にゼリーとフルーツを食べてしまったらしい。

　しかしアキラにしてみれば，このヨーグルトの方も何としても今すぐに食べたかったようだ。食べたい，食べたい，食べたい，食べたい！　しばらくのあいだ母に対してウジャウジャとゴネていたが，やがて自らの主張がまったく認められないものと観念したとみえ，取り出したヨーグルトを再び冷蔵庫のなかに戻した。しかし気分はおさまらない。冷蔵庫のドアを思いっ切り強く閉め，さらに加えて床をドンドンドンと足で叩き，まさに地団駄を踏んで悔しがった。ま，いつものアキラらしい怒り方だ。

　その後の経緯については，父は「夜の仕事モード」に入ってしまったためよく分からないのだが，多分は風呂から出たあとに改めて食べたのだと思う。

　ところが翌朝，母が冷蔵庫のなかを見ると，確かあとひとつ残っているはずのイチゴバニラヨーグルトが無くなっているではないか！　ン？オカシイゾ！　まさかと思いながらも一応アキラを問いつめると，「きのう，おフロから出てから２個食べちゃったよ！」と，さらりと言ってのけたそうな。でもカラの容器はなかったけど，それはどうしたの？　ちゃんとプラスチック・ゴミのゴミ箱の方に入れておいたよ！　だって。あれま，怒る気にもなれない。その行動は，6才児としては一応理にかなっている。先の先までシッカリ読んでいるところなど実にアキラの面目躍如である。

　そう，こんなのが座敷ボッコです，じゃなかった，アキラのリベンジです。