荒れた庭をみつめて。。。

2013年10月20日 | 日々のアブク
 たとえそれが「猫の額」に過ぎない土地であっても,いちおう庭は庭。台風に直撃されればそれなりにダメージを受けることになる。先日の台風26号のときは大変だった。当地では雨よりも風が特に強烈であった。拙宅のお隣さんでは屋根の一部が暴風に煽られてどこかに飛んでいってしまったくらいだ。我が家については,建物自体は何とか無事であったけれども(細部は未点検なれど),三つの庭がかなりボロボロになった。とりわけ植生豊富な「三角庭」について申せば,そこに生えている無数の植物,という言い方はちょっとオオゲサ過ぎるか,種々雑多なワケノワカラン灌木,低木,草本類があらかたグシャグシャになってしまった。庭の中央に聳えるカツラの高木が何とか持ちこたえることができたのは幸いであった。

 植生の荒廃は当然ながらそこに依存する動物たちにも影響を及ぼす。昨日,仕事場の窓から三角庭のほうを見ていたら,ノラの「白黒ちゃん」がどこからともなくやって来て,いったん庭のなかに入ったもののすぐ外に出てしまった。駄目だコリャ!って顔をしていた。ノラネコ君たちの隠れ場,安らぎの場としての役目も果たせなくなっているようだ。そういえば鳥の声も聞こえてこない。庭の回りをいろんな虫が飛び交うのを見ることも少なくなった。アシナガバチはあいかわらず玄関軒下でじっとしたままだ。その一方で,ここ数日は三角庭からガレージにかけての一帯に大きなクモの巣が目立つようになった。夜明け前のまだ薄暗い時間などにそのあたりを通り過ぎると顔にひっかかって往生することがある(まったく仕事が早いんだから!)。ま,クモの方でも餌が少なくなって必死なのかな。

 そして今日の夜,三角庭に隣接する仕事場玄関から家の中に入ろうとしたら,タイルの三和土にミミズのようなものがうごめいているのが目にとまった。よく見るとそれはミミズではなくヒルだった。正しくはクロイロコウガイビルBipalium fuscatumという種で,これは,外見上はヤマビル(環形動物門ヒル綱)のような感じだが,分類学的に見ると全く異なる動物群に属しており,実際にはプラナリア(扁形動物門ウズムシ綱)の仲間なのである。恐らく三角庭の土中を住処としているのだろうが,私どもがこの家の住人となって20年目にして初めてお目に掛かったような次第である。ああ,君もまた我が家の住人だったのかい。ヨロシクね。彼はナメクジなどを食べてくれる「益虫」なのであるからして,いたずらに邪険にせず大事にしなくてはならない。また,今日の昼間には,ワラジムシが仕事場の窓の隙間から中に入ってきた。それも2匹そろって仲良くだ。そのうちの1匹をちょいと強制拉致して(ゴメンネ)実体顕微鏡下で覗いてみたら,外来種のオビワラジムシPorcellio dilatatusであった。やはり三角庭の住人だったのだろう。ところで,これは珍しい種なのかな? 

 何やら,ちょっとした「ディアスポラ」の様相を呈している身辺近況であります。
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