ICS(内輪差症候群)について

2009年01月14日 | 自転車ぐらし
 国道や県道・市道のような幹線道路ではなく住宅街を通じるごくあたりまえの生活道路,それほど道幅は広くない,いわゆる裏通りと呼ばれるような道を自転車で走っているときに注意すべき事項について,とりわけ遭遇する車両との対応についての個人的心構えなんぞを一寸述べさせていただく。 (またクルマの話題かよ!と申すなかれ)

 私が日々自転車で走行する市街地およびその周辺地域の生活道路には,当然ながらその道路に繋がる脇道(裏道,細道,路地等々)が少なからず存在しているわけだが,それらの脇道(非優先道路)から急に現れる車両の飛び出しには絶えず気を配っておかねばならない。こちらが優先道路だからといって決して気を抜いてはならない。子供自転車の元気いっぱいの無鉄砲な飛び出し,オートバイのセカセカした飛び出し(特に新聞配達,郵便配達,出前配達等の配達系バイクが危ない),四輪自動車のズボラな飛び出し(こちらは配達グルマよりも一時停止という交通法規を基本的に理解していない年配者自家用ドライバーが危ない),などなどが常に出現する可能性を秘めているのである。そうそう,つい先日も郵便局,それも本局のすぐ近くで,路地から急に飛び出してきた郵便配達バイクとニアミスした。先方は「あ,スイマセン」とか言って一応謝ったが,スイマセンで済んでりゃ世話ないでしょーが! そのような次第で,それら危険車両ドライバーに対する自転車ライダーたる私の対応としては,脇道に対する当方のブラインド・レベル(死角割合)に応じたスピード制御,ルート選択をいつも心掛けている。ま,要するに裏道はゆっくりのんびりと気をつけて走っていればいいわけですがね。

 さらに加えて,対向車の動態にも常に注意を払っておかねばならない。

 例えば前方から私の自転車に向かって接近してくる対向車両がウィンカーを点滅させて当方のすぐ手前で脇道へと左折しようとするとき(いや,中にはウィンカーを出さずに曲がる輩もいるけれども),こちらは相手方運転手の年齢性別および当該車両の微妙な走行ラインをしっかりと直視しておく必要がある。相手ドライバーが中年オバサンないし老年ジジババの場合などは特に気をつけなければイケナイ。 (またジジババの話かよ!と申すなかれ)

 彼ら彼女らは総じて,左折の際に不必要に右側に大きく膨らんで曲がろうとする。その際,対向する自転車のことなどほとんど眼中にない。自転車の走行スピードを把握していないし,自転車は道端に寄って徐行ないし一時停止するのが当然だと思っているし,それよりも何よりも,オノレのクルマを傷つけてはならじと,そちらの方に運転意識が集中してもう必死なのだ。もしコーナーで車体を擦ったりした場合,クルマの修繕費はばかにならないし,自動車保険のノンフリート等級が下がってしまったら大変だし,ダンナあるいはムスコ・ムスメにドヤされるかも知れないし。。。  いやいや,それらは概して大層なクルマではなく,軽自動車だったり,せいぜいがヴィッツやらマーチやらのコンパクトカー程度のシロモノだったりするものだから,まったくイヤになってしまう。これを要するに,「貧民の枷」における《内輪差症候群》(インナー・サークル・シンドローム=ICS)とでも称すべき分類群(タクサ)に属する高齢者がいかに多いことか! いや,ICSってのは私の勝手な命名なのでありますけれども。 あるいは,ターン・メソッド・ボンデージ・シンドローム,略して《タメボ症候群》なんて呼び名は,どーだろーか? そんなのダメボ,ってか?

 下らんことを縷々述べているようだが,実は昨日,もう少しでICSドライバーにぶつけられそうになったのであります。瞬時,左壁面に自転車の車体を擦るようにして避けて何とか衝突を免れることができたが,かなり危ういヒヤリ体験であった。クルマは国産コンパクトカー(車種は特に秘す),ドライバーは当地区の長老(氏名は特に秘す)であった。そしてその長老グルマは,そのまま何事もなかったように左折して走り去っていったのでありました。車両運転における危機意識の欠如,社会性の欠如,そして人間性の欠如。現代クルマ社会のロウシュウ(陋習or老醜)ここに極まれり。

 ああ,まったくもって,クルマという邪悪なる移動装置はジジババには相応しくない。

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