Lo-D(ローディ=日立ブランド)の往年の名機、パワーアンプHMA-8500をジャンクで手に入れ修理しています。
昔の定価で15万円の中高級品ですが、メイン基板は埃が積もり、ゲルマニウム・ダイオードのガラスは割れ、抵抗は焼けてボロボロです。片方のパワーMOSが交換されて型番が違っていましたから、修理しても直らずに放置されたものと思います。
清掃前のHMA-8500
アメリカのサイトから回路図を入手し、抵抗やダイオードやコンデンサーなどを表にして、町田のパーツ屋さんで買い求めます。古いアンプなのでパーツが揃うわけが無く、足りない分は秋葉原やネットで探します。一番安いパーツで10円からですが、安いからと言って馬鹿に出来ません。
実は、アンプが壊れたときに、初心者心理で真っ先に交換されるのは、終段のパワートランジスタやパワーMOS-FETなのです。今回も高価なパワーMOS-FETが片方交換されていましたね。ところが実際は、このアンプだと保護回路としてヒューズ抵抗がふんだんに使われています。先のボロボロになった抵抗も、ヒューズのように切れる事で回路や他のパーツを守るヒューズ抵抗だったのです。
ヒューズ抵抗は少し高価らしいですが、それでもパワー段のトランジスタやFETとは比べものにならないほど安いです。お殿様を守るための衛兵のようなものです。ヒューズ抵抗が切れている=後ろの回路は安全という図式から、高価なパワーMOSを調べてみたら大丈夫のようです。この石が無事なら、落札価格は優に取り返して、しかも数千円分のプラスがあった事になります。
このように、アンプの故障は大半が小さなパーツの故障から始まります。高々10円程度のパーツが、15万円のアンプの機能をストップさせてしまうのです。しかし、このような機能は、人間社会においても同じ構造を有しているのです。皆さんの中に、仕事がつまらない、あるいは自分の仕事に価値がないと思っている方がいらっしゃるかもしれません。僕も派遣で幾つかの現場を回った経験がありますから、そのような自己卑下の仲間を数多く見てきました。けれど、その自己卑下は間違いだと分かります。
例えば、80円のメール便が届かない事で仕事に差し支えが出る。一束100円の割り箸がないと弁当を食べるときに困る。一本10円の抵抗が焼き切れただけで、コンサートのアンプが使えなくなるのと同じです。仕事のミスは、仕事に誇りを持てない日常、あるいは自己卑下の副産物として、副次的に生まれるのではないか?
僕が作った名言?に「天才は自分の才能に奉仕する」というものがあります。でもこの言葉は、「人は自分が出来る仕事に奉仕する」と言い換える事が出来るのです。今、目の前に与えられた仕事に対して、どういう態度でこなすかを神様は見ているのです。小さな仕事を大切にしない人は、将来的に大きな仕事を神様から与えられるわけがありません。
アンプ修理というのは、分解清掃、シャーシーの錆取り磨き、基板やスイッチの洗浄、パーツ交換、再組み立て、という過程で行われます。回路図の入手やパーツの買い集めからして、全ては経験値と労を惜しまない事で成り立つものです。一本10円の抵抗を大切に出来ない人には、絶対に出来ないワークです。
清掃後のトランスとパーツ交換した基板
健康な人には医者はいらない。完全な人に教会は必要ない。同様に僕は、修理すれば神の仕事が出来る人を集めているのです。それも、他の教会が見捨てたジャンク扱いも含めて、僕になら10円のパーツを生かす事が出来るのかもしれません。捨てられた石には、往々にして価値があるのです。
Sony TA-1500(子会社AIWA製の姉妹機で、日立のパワーICを使用した謎のローコスト品)を使っている読者に、同じ製品でコンデンサーを高級品に交換したものを送ったら、音が柔らかくクリアになったと報告がありました。耳が良いですね。投資額は1000円未満ですが、分解して清掃した甲斐がありました <*`∀´> ホルホルホル。
エフライム工房 平御幸
昔の定価で15万円の中高級品ですが、メイン基板は埃が積もり、ゲルマニウム・ダイオードのガラスは割れ、抵抗は焼けてボロボロです。片方のパワーMOSが交換されて型番が違っていましたから、修理しても直らずに放置されたものと思います。
清掃前のHMA-8500
アメリカのサイトから回路図を入手し、抵抗やダイオードやコンデンサーなどを表にして、町田のパーツ屋さんで買い求めます。古いアンプなのでパーツが揃うわけが無く、足りない分は秋葉原やネットで探します。一番安いパーツで10円からですが、安いからと言って馬鹿に出来ません。
実は、アンプが壊れたときに、初心者心理で真っ先に交換されるのは、終段のパワートランジスタやパワーMOS-FETなのです。今回も高価なパワーMOS-FETが片方交換されていましたね。ところが実際は、このアンプだと保護回路としてヒューズ抵抗がふんだんに使われています。先のボロボロになった抵抗も、ヒューズのように切れる事で回路や他のパーツを守るヒューズ抵抗だったのです。
ヒューズ抵抗は少し高価らしいですが、それでもパワー段のトランジスタやFETとは比べものにならないほど安いです。お殿様を守るための衛兵のようなものです。ヒューズ抵抗が切れている=後ろの回路は安全という図式から、高価なパワーMOSを調べてみたら大丈夫のようです。この石が無事なら、落札価格は優に取り返して、しかも数千円分のプラスがあった事になります。
このように、アンプの故障は大半が小さなパーツの故障から始まります。高々10円程度のパーツが、15万円のアンプの機能をストップさせてしまうのです。しかし、このような機能は、人間社会においても同じ構造を有しているのです。皆さんの中に、仕事がつまらない、あるいは自分の仕事に価値がないと思っている方がいらっしゃるかもしれません。僕も派遣で幾つかの現場を回った経験がありますから、そのような自己卑下の仲間を数多く見てきました。けれど、その自己卑下は間違いだと分かります。
例えば、80円のメール便が届かない事で仕事に差し支えが出る。一束100円の割り箸がないと弁当を食べるときに困る。一本10円の抵抗が焼き切れただけで、コンサートのアンプが使えなくなるのと同じです。仕事のミスは、仕事に誇りを持てない日常、あるいは自己卑下の副産物として、副次的に生まれるのではないか?
僕が作った名言?に「天才は自分の才能に奉仕する」というものがあります。でもこの言葉は、「人は自分が出来る仕事に奉仕する」と言い換える事が出来るのです。今、目の前に与えられた仕事に対して、どういう態度でこなすかを神様は見ているのです。小さな仕事を大切にしない人は、将来的に大きな仕事を神様から与えられるわけがありません。
アンプ修理というのは、分解清掃、シャーシーの錆取り磨き、基板やスイッチの洗浄、パーツ交換、再組み立て、という過程で行われます。回路図の入手やパーツの買い集めからして、全ては経験値と労を惜しまない事で成り立つものです。一本10円の抵抗を大切に出来ない人には、絶対に出来ないワークです。
清掃後のトランスとパーツ交換した基板
健康な人には医者はいらない。完全な人に教会は必要ない。同様に僕は、修理すれば神の仕事が出来る人を集めているのです。それも、他の教会が見捨てたジャンク扱いも含めて、僕になら10円のパーツを生かす事が出来るのかもしれません。捨てられた石には、往々にして価値があるのです。
Sony TA-1500(子会社AIWA製の姉妹機で、日立のパワーICを使用した謎のローコスト品)を使っている読者に、同じ製品でコンデンサーを高級品に交換したものを送ったら、音が柔らかくクリアになったと報告がありました。耳が良いですね。投資額は1000円未満ですが、分解して清掃した甲斐がありました <*`∀´> ホルホルホル。
エフライム工房 平御幸