平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

リンゴの着彩(水彩)

2013-06-29 06:32:57 | 芸術
 リンゴは美術系大学の入試では一般的な課題で、芸大の日本画でも着彩かデッサンのどちらかで出てきます。しかし、予備校の参考作品に見られる入試用のリンゴの着彩は、いわゆる厚塗りで、色彩に透明感がありません。

 一般に、入試でも透明水彩が使われるのですが、下地が見える透明水彩は使い方が難しく、重ね塗りの過程でミスがあれば、そのミスが最期まで尾を引く事になります。それで、透明水彩を厚塗りすることで、あるいは不透明なホワイトを混ぜることで、少々の失敗を取り返せるような技法が好まれるのです。だから、予備校の参考作品には輝きがなく、鈍重で色彩のデリカシーのないものばかりとなっているのです。

 僕もホワイトは使いますが、それは明るいけど彩度が低い部分や、意図的に濁った色を用いる場合に限られます。ホワイトを薄く使うと引っ込む。この習性を知っていれば、空間や立体感の表現に幅が出るのです。

 ということで、まずは鉛筆でデッサンですが、あとで色を塗ることを考慮して、鉛筆でのトーンは必要最小限にとどめています。この段階で鉛筆で描き込み過ぎると、鉛筆を消すための厚塗りとなり、輝かしい色彩は望めなくなるからです。


今回は眠かったこともあり、少し大きくなった orz
でも縮小コピーがあるからケンチャナヨ


 鉛筆デッサンが出来たら、最初にレモンイエローで明るい部分の下塗りをします。透明水彩の赤系統は、下地がイエローなら鮮やかな赤になるのです。ただ、イエローが強すぎると、消防車や消火器のような真っ赤になりますから、濃度には注意が必要です。



 次に、リンゴの芯の周辺などの緑色を少し塗り、影や遠くの部分などの彩度の低い所に、紫を少々塗っておきます。先に塗ったイエローと紫が重なると、いわゆる補色同士の組み合わせなので濁ります。これを効果的に使うにはデッサン力が必要です。なお、紫と緑を混ぜると黒っぽくなるので、これを陰影に効果的に使うと上品になります。白い花の花脈などに効果的です。



 下塗りが乾いたら、ヴァーミリアンやローズマダーや、クリムゾンレーキなどでトーンや模様などを少しずつ描いて行きます。この時に、塗る感じではなく、絵の具を置くように、あるいは絵の具でデッサンをする感じが掴めれば大きな破綻はありません。続く。




スキャナーで取り込んだもの(他の画像はビデオカメラでの写真モード)

 なお、画像をアップしてから驚いたのですが、gooのプログラムのせいか、実物とは全く違うドギツイ色彩になってしまいました。本物(右)は色の濃さは画像の1/3くらいです↓。それでも微妙な色彩は全部飛んでいますが。↑黒枠を付けると勝手な画像処理は行われない模様。色の薄い画像は濃くするみたい。余計ニダwww。



 ということで、エフライム工房に画像を置きました→こちら
http://www.geocities.jp/atelier_efraym/ringo-01.jpg

    エフライム工房 平御幸
コメント (9)
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