平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

近代美術館展

2013-01-09 06:07:05 | Weblog
 竹橋の東京国立近代美術館で、12日まで「日本近代美術の100年」という企画展をやっています。試聴会に来てくれた健康食品(干しイチジク)の方からチケットを頂いたので行って来ました。原爆や戦争を出口に持ってきている左翼企画なので、これは観ずに入り口から出ました。

 4階から順に下りながら回る部屋割りですが、日本画の部屋は暗くて色が分かりません。保護のための照度低下は無意味だと思います。直射日光や紫外線を当てなかったら明るくても大丈夫なはずで、元々はオイルショックの時に減照させた行政指導が独り歩きしたものです。阿呆な美術館に言いたいことはもうひとつ。それは、離れて観なくては良さが理解できない作品を、小さいという理由だけで小部屋に押し込んで居る無神経さです。ここには本当のプロがいないんですね。

 飾られた296点の内、僕がちゃんと観たのは100点ほど。大半は以前に観たことのある作品です。その中でも、4F展示室1の「村上華岳 日高河清姫図」、展示室2の「松本竣介 建物」、2F展示室13の「ジョルジュ・ブラック 女のトルソ」、同じくその隣部屋の「パウル・クレー 花ひらく木をめぐる抽象」は秀逸です。

 「ジョルジュ・ブラック 女のトルソ」は、ソニー創業者の盛田昭夫氏の妻・盛田良子氏のコレクションで、オークションで同館が落札したものです。僕が挙げた中で、清姫以外は最低でも3m近くは離れて鑑賞したい作品です。離れて観ないと空間の広がりが感じられません。小品ですが大作なのです。

 何だか抽象画ばかりになってしまいましたが、抽象画は不必要なものを極限まで取り除いたピュアなものなので、良い作品は、これ以上手を入れることが困難な世界を持っています。調和を醸し出しているのですから、長い時間の観賞でも疲れません。

 開催が残り少ないせいか結構混んでいましたが、作品を選んで見る分には悪くありません。松本竣介は東京生まれですが盛岡で育ち、盛岡中学(盛岡一高)を退学しているので僕の先輩でもあります。2012年は生誕100年でした。生まれが渋谷で高校の先輩。僕が上京して最初に住んだのが渋谷の円山町でしたから、意外に呼ばれたのかもしれませんね。迂闊にも、こんな良い絵を描く人だとは思っていませんでした。

 松本竣介と盛岡中学の同期が彫刻の舟越保武ですが、芸大教授の晩年に僕が入学したので一度だけ会ったことがあります。作品も人間も余り好きではないので、どういう過程で会ったのかさえ覚えていませんが、根暗だと感じた記憶があります。岩手や盛岡は基本的に根暗で、僕も錆落としには苦労しましたね。

 なお、写真では色が全く再現されないので、こればかりは本物を見てもらうしかありません。特に、クレーの作品は絶望的に劣化しています。本物は綺麗です。

    エフライム工房 平御幸
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