夕刊フジは団塊の世代が社会人になり日本経済が上昇気流にのりかかった1969年に創刊され(ライバル紙である日刊ゲンダイとともに)通勤途上の一大メディアとして業界に君臨した。
中味と言えばサラリーマンが関心を持ちそうな話題をド派手に(センセーショナルに)持ち込み、まさに隆盛を誇ったものだ。
しかし時代の流れは怖いものである。
スマホが世に出てその普及率が向上するにつれタブロイド紙の役割はとって代わられるようになってきた。
スマホであれば毎日毎日小銭を出して購入することもないしそれより何よりニュースの鮮度が違う。
この時点ですでに勝負はあったのだ。
後はいつこの日が来るか? だけだったねぇ。
そうそう、たった一つだけ気がかりなことがある。
かって評論家の大宅壮一氏がテレビの出現を称して「一億総白痴化」との警鐘を発したことがある。
情報に対してあまりに受け身で画一的な姿勢を危惧したのだろう。
スマホは黙っていても情報が飛び込んでくる。
新聞のように情報をセレクトしたりじっくり思料する機会は少ないように思う。
紙メディアも全く捨てたものではない、と思う今日この頃である。