マッシーの日本寸評

「日本を少しでもいい国に、住みやすい社会に」との思いから政治、経済、時事問題を感性の赴くまま自由に批評します。

カシオの電子辞書開発中止に思う

2025-02-15 19:46:07 | 経済
カシオ計算機が24年4月~12月期の決算発表(いずれも前年同期比で売上高3%減、営業利益5%減、純利益57%減)したが決算内容と同時に電子辞書新規開発の中止をも併せ発表していた。
その背景に教育現場でのPC、タブレットの導入が進んだことを示唆していた。
うーん、教育現場の動向が大きかったんだねぇ。
そういえばカシオの主要製品は電卓といい、カメラといい、時計といい、ほぼ今のスマホに取り込まれてしまっているではないか。
カシオはたしか携帯電話機も事業化していたからこれも今ではスマホに包含されてしまった。
これほどスマホに大きく浸食された、というか事業基盤を奪われた企業はあまりないのではないか。
その割にはまだ厳然と生き残っているわけだからなかなかたくましい会社である。
さてこれからカシオは何を事業の柱に「ニュー・カシオ」を再構築していくのだろうか。
あらためて思うのだが「コンティンジェンシー・プラン」って大事だねぇ。

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(政府の)従業員向け自社株無償提供の容認姿勢に思う

2025-02-11 19:54:48 | 経済
企業が従業員に対し自社株を無償提供する光景が今後あちこちで見られることになりそうだ。

その昔「ストック・オプション」という名のもと、企業が役員に対して自社株をインセンティブ材料として提供していた。
当時筆者は役員のみならず一般従業員に対しても(株数の多寡はともかくとして)自社株提供を何故実施しないのか、と思ったものだ。(笑)
役員・従業員に対する自社株提供は従業員の忠誠心向上やモチベーションに繋がるだろうしそれにもまして従業員が自社株を持つことで経営者マインドを持つことが大きいからねぇ。
それに自社株提供は賃上げなどと違って現預金を直接流出させるわけではない。
言ってみれば従業員に対する自社株の無償譲渡は従業員対策、人材確保策としていいことづくめなのである。

法相が昨日の法制審議会に自社株の無償提供解禁を含む会社法の見直しを諮問していた。
むしろ遅すぎるくらいのものだ。
この法改正は「貯蓄から投資へ」の動きとも連動し企業組織の活性化に大きく寄与するものだろう。


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企業行動と株価の奇妙な動きに思う

2025-02-08 17:45:54 | 経済
最近株価の奇妙な動きが気になっている。

先日パナソニックの社長が記者会見において「構造改革を進めていく中でテレビ事業を切り離す覚悟もある」と発言していた。
何とその日に同社の株価は14%近く上昇したのである。
テレビ事業のないパナソニックってなかなかイメージできない、・・・随分思い切った強い意志を感じ取ったものだがこの時点で何ら財務諸表の数値が改善されたわけではない。
無論ROIもRBRもRBS も何一つ変わっていない。
なのに株価がこれだけ反応するって何なんだろう?
ただ構造改革プランを公表しただけなのに・・・。
話は変わるがホンダとの統合話が破談になったその日に日産株が6%前後上昇した。
統合話が纏まって、あるいは明るみに出て株価が上昇するのなら理解できるが破談になって上昇するとはねぇ。
新たな救済者が現れるとみているのか? あるいは自主路線で立ち直るとみているのだろうか? ・・・あの日に株価が上がることがどうにも信じられない。
そういえば不祥事で絶望視されているフジHD ですら騒動の最中に株価上昇していた。
 
株価の急騰は企業業績の向上や画期的な新製品の開発など明確な実績がその必要条件だ、と思っていたが最近では必ずしもそうではない、いやはや。
企業行動が変に時価総額に影響を与えているのである。


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ホンダ・日産両社は災い転じて福と為せ

2025-02-07 10:16:57 | 経済
ホンダ・日産両社が進めてきた統合協議が白紙に戻ったようだ。
筆者は12月28日のこのブログで両者の統合協議開始を取り上げホンダの主導権を見通したところだが日産側にはどうにも受け入れられなかったんだねぇ。
ということでこの統合話は立ち消えになったが両者の窮状、とりわけ日産にとっては厳しい経営環境が続く。
しかしこの統合がに日産にとって望ましいものになったかどうか、の判断は難しい。
かのカルロス・ゴーン氏も「今回の統合は日産にとって何のメリットもない」と否定的だった。
今さら彼が出てくる話ではないが・・・。(笑)
いずれにせよ日産は今後大規模リストラといういばらの道を歩むことになるだろう。
その際従業員だけにしわ寄せがいくのではなく経営者の応分の責任を負うべきだ。
なに、かっての苦境脱出を思えばできないことはない。
ホンダに頼らず、生まれ変わったつもりで一から出直したらいい。
さてホンダとても決して安閑としておれないと思う。
大きな課題はEV化、自動運転への取り組みだ。
しかしホンダにはプライべ-トジェット機まで事業化した進取の風土がある。
ホンダこそ日産に頼ることはない。
今回の統合協議破談は残念な出来事だが「災い転じて福と為す」という諺もある。
日本の自動車産業はトヨタだけではなくホンダ、日産にも大きく懸っているのだからね。

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ニデック・牧野フライスのTOBを巡る交渉に思う

2025-02-04 11:26:28 | 経済
ニデックが牧野フライスに対し提案しているTOB (株式公開買い付け)関し両社の間で質問状、要望書類が交換されているようである。
本件に関し両者が真摯に意見を取り交わし納得がいくまで協議を重ねるのはいいことだ。
従来TOBといえば敵対的な動きばかりが目立っていたが双方が十分話し合ってそれぞれの企業価値向上を確認したうえでM&Aが実現するのであれば理想的ではないか。
ニデックはいつからこんな手法に転換したのだろうか・・・。(笑)
あくまで一般論だが今後我が国の経済界ではTOBもM&Aも増えていくだろう。
そんな中で敵対的なケースばかりが増えていくのはあまり喜ばしいことではない。
ということで今回のニデックのやり方が一つのモデルになればそれはそれで結構なことだ。
一部に被買収会社の資産目当てにM&A仲介会社等が暗躍するケースが散見されるがこれらは決して許されるべきではない。
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