歴程日誌 ー創造的無と統合的経験ー

Process Diary
Creative Nothingness & Integrative Experience

松本馨さんの「小さき声」復刻のこと

2005-10-16 |  文学 Literature
「小さき声」は、第一期(1962-1986)が276号、第二期(1987-1991)が35号ですから、全部で311号あります。それらを製本したものが、現在の所、二種類知られています。一つは前田先生が、一部ワープロで復刻したものと、原本をコピーしたものとを合わせて製本したもので、ハンセン病図書館に一式納められています。もうひとつは、無教会のキリスト教の今井資料館に、パンフレットそのものを合本製本したものです。

どちらを底本とするか。ハンセン病図書館のワープロで転写されたものと、今井館のものとではレイアウトが異なります。今井館にあった創刊号の原本を画像で表示してみました。また、創刊号を、出来る限り今井館の原本通りに復刻したものを作成してみました。
小さき声Mo.1 (原本の復刻)をご覧下さい。
原本通り復刻するのは少々手数が掛かります。また、原本には、聖書引用などで正確でない箇所や誤植もありますので、そういうところは、前田靖幸先生の編集本を参考にしながら訂正しなければなりません。しかし、復刻本は、レイアウトが原本に近い方が望ましいので、時間は掛かっても、今井館に収蔵されているものを底本にしたいと思っています。

「小さき声」の完全復刻は、出来る限り人の手だけをかけ、お金を掛けぬ事、つまり外部からの金銭的寄付に安易に依存しない、ということにしたいと思っています。

もし、松本さんが、國から賠償金を受け取ったとしたならば、「小さき声」も「零点状況」も簡単に自費出版できたでしょう。そういう安易な道は松本さんはとられなかったのです。松本さんの個人伝道がそうであったように、たとえ少数であっても、人と人との心の繋がりの中で、「小さき声」を共に読みながら、そこから各自が学びつつ、復刻準備会の共同作業として、完全復刻を目指すーこんな事を理想として考えています。

全生園祭りが終わりましたら、志を同じくする方と相談して、定期的に(月に2回くらい)ハンセン病図書館に集合し、「図書館友の会」の作業日とバッティングしないように時間帯に配慮しつつ「小さき声」の復刻のための準備会を開催したいと思っています。

また、復刻準備会には、これまで松本馨さんと深い関わりをもってこられた方々、無教会の信徒の皆様、テープ起しや、ガリ版きり、発送の仕事などでお手伝いされた先達の方々と連絡を取って、お話を聞くことも考えています。
Comments (2)
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