正月の俳句
去年暮れより妻共々にインフルエンザに罹患して
九度八分躰震はす寝正月
有難き梅干し粥の二日かな
三日には病床で聴くレクイエム
妻も倒れ炊事洗濯、四日なり
病床で「福音歳時記」書き続くーいささか物狂ひめきて
使命あるものの如くや初仕事
一碗の底にイエスの息吹く春
(写真は3年前に陶芸家の椿巌三さんから頂戴した茶碗です)
正月の俳句
去年暮れより妻共々にインフルエンザに罹患して
九度八分躰震はす寝正月
有難き梅干し粥の二日かな
三日には病床で聴くレクイエム
妻も倒れ炊事洗濯、四日なり
病床で「福音歳時記」書き続くーいささか物狂ひめきて
使命あるものの如くや初仕事
一碗の底にイエスの息吹く春
(写真は3年前に陶芸家の椿巌三さんから頂戴した茶碗です)
福音歳時記 エジプトの聖母子
難民となりし聖母子エジプトに憩わず目指す夢の父祖の地
「主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしは告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探しだして殺そうとしている。」ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしはエジプトから私の子を呼び出した」と、主が預言者を通じて言われていたことが実現するためであった。」(マタイによる福音書2:13-15)
エジプトはギリシャやローマ帝国よりも遙か昔から存在した豊かな文明国。創世記にはファラオの夢を解いたヨセフの物語があり、出エジプト記には、自由を目指すユダヤ人同胞を叱咤激励して約束の地に向かうモーゼの物語がある。マタイは、預言者ホセアの言葉を引用し、イエスが「新しいイスラエル」として神に呼び出されていること、彼こそが約束されたメシアであることを暗示している。
一月一日 イエスの奉献の日
嬰児抱くシメオン賛歌あらたしき年始まりぬ主の奉献日
キリスト教歳時記では、降誕の日から八日後は「イエスの奉献」の日である。昔のローマ教会では、この日をクリスマスの期間の最後として「オクターブ」の典礼を行っていた。16世紀以降この日を西暦の新年のはじめの日とするようになったらしい。「初めて生まれた男子は皆、主のために聖別される」という律法に従い、山鳩ひとつがいか家鳩の雛二羽をもって、ヨゼフとマリアはイエスを奉献するために神殿に連れて行った。そこで彼等は、聖霊に導かれたシメオンという老人に出会い、賛美と祝福、そして預言のことばを受ける。ルカによる福音書2:29-35 の「シメオンの賛歌と預言」は、カトリック教会では5世紀頃から「終課」のなかで朗唱され、日本の「教会の祈り」でも「寝る前の祈り」のなかで唱えられている。また、「ロザリオの黙想」の信心行、「喜びの神秘の黙想」の第4番目の主題の一つでもある。
シメオンの賛歌
「主よ、今こそあなたは、お言葉の通り、この僕を安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目であなたの救いを見たからです。これは万民のために整えて下さった救いで、異邦人を照らす啓示の光、あなたの民イスラエルのほまれです。
シメオンの預言
「ご覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。ーあなた自身も剣で心を刺し貫かれますー多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」
(『キリストの神殿奉献』シモン・ヴーエ ルーブル美術館蔵、1640-1641年頃の作では、聖母マリアとヨセフにシメオン老人が賛歌と預言の言葉を告げているところが描かれている)