福音歳時記 2月2日 聖母マリアの清めの祝日
喜びと悲しみの伴侶(とも)聖マリア 蝋燭灯し祝ひまつらむ
2月2日の「聖母の清めの祝日」では(ルカ福音書に基づき)シメオンがキリストを迎えたように、蝋燭を灯して聖母とイエスに祈ります。次々と手渡しされる灯は、闇夜を照らす光ー信仰、希望、愛に導くキリストの象徴でしょう。
この日に聖家族が従ったユダヤ教の儀式は、元来は、出産後の母親を清め、長男を主に捧げるというものでした。ユダヤ人たちは、律法の義務を果たすことで神への敬意を示し、母親たちは謙虚に清めを受け入れていました。
しかし、イエスを救い主と信じるキリスト教徒にとっては、この「清めの日」は、主の「奉献の神秘」という新しい意味を持つようになりました。
この日の様子を描いた西洋の聖画では、天使たちが登場し、驚嘆の念を抱きつつ、神殿がこれまでに目撃した中で最大の出来事であるかのように聖母子を見守っています。
ルカ福音書によれば、誕生したばかりのイエスには十字架の受難が予定されています。そして、聖母マリアの苦しみと悲しみもまた予示されています。主の奉献は「喜びの神秘」に数えられますが、聖母の「悲しみの神秘」でもあります。
聖霊に導かれたシメオンは、その神秘を理解し、マリアもまた理解しました。救い主を初めて目にしたときの喜びの感情が去ると、シメオンは彼らを祝福し、母に向かってこう言いました。「この子は、イスラエルの多くの者の倒れるべき時と復活の時、また、反対されるしるし、彼ら自身の魂が剣で刺し貫かれる時、多くの人の心の中の思いが明らかにされるでしょう」と。
この預言は、マリアが常にイエスの運命と結びついており、イエスと喜びと悲しみを分かち合う伴侶であったことを思い出させます。
この祝日の起源は古く、エルサレム教会が最初にこの祭りを祝い、コンスタンティヌス帝の時代にはバシリカへの行列も行われまたと言う記録があります。アルメニアでは今でも(古い暦にしたがって)2月14日にこの日を祝っており、「神の子の神殿入場」と呼んでいるということです。
In Purificatione Beatae Mariae Virginis - INTROITUS