上海で「変臉(bian lian)」を見た。変臉とは、四川省の伝統芸能、川劇(せんげき)を代表するパフォーマンスである。日本では「臉」という字が一般的でないため「面」の字が充てられ、「変面(へんめん)」として知られている。
この「変面」という言葉は、パフォーマンスの内容をうまく表している。と言っても、変な面、顔をするのではない。コメディではない。これは一種のマジックである。なんと、顔が瞬時に変わるのである。ネットで「変面」と検索すれば、Youtubeなどで動画が見られる。百聞は一見に如かず、是非一度ご覧あれ。
僕は上海の「巴国布衣風味酒楼」という四川料理のレストランで変面を見た。ここは四川省政府のやっているレストランらしく、地元から変面の役者さんを連れて来ているとのこと。僕が見たのは中山公園近くの店であったが、浦東にも支店があり、そこでも変面を見ることができるようだ。
店に着き、注文を終えたところ、気が付けば、ステージの下や階段を目指す人の動きが。遅れを取ってはいけない。僕らも即座に席を立ち、階段の上、まずまずの場所を確保した。あとはショーが始まるのを待つばかりだ。
と、そこに、軽快な音楽(勇ましい中国音楽というか、昔流行った「ジンギスカン」のような感じ?)に乗って、京劇の隈取りのような面をした役者さんが現れた。黒いマントに黒い帽子。切れ味の良い動きで踊っている。おそらく正義の味方なのであろう。
突然、顔が変わった。隈取りをした仮面が、あっという間に別の仮面に早変わり。それも一度ならず、何度も何度も変わった。じっと顔を見ていても、変わる瞬間がわからない。なぜ? いつ? どうやって? 本当に疑問の尽きない、不思議な、しかし、見て、ただ単純に楽しめるパフォーマンスである。
引田天功やプリンセス天功のイリュージョンとは規模も金の掛け方も違うが、変面も立派なイリュージョンの世界である。いや、雰囲気的には、イリュージョン プラス 仮面ライダー・ショー といった趣きである。
ところで、この変面、もとい「変臉」、中国では国家の二級機密の扱いになっているらしい。変臉は、四川省では代々自らの息子にしか伝えない、秘伝の技なのである。もっとも最近は女性の役者さんもいるし、変臉を演じる外国人までいるとのこと。一時、中国ではそれが大問題になったようだ。金に目が眩んで、変臉の秘密を他に漏らした、と。
中国政府の報復は怖いが(?)、僕なりに変臉の秘密を考えてみたい。
まず、薄い布の仮面を何枚も被っていることは間違いない。それをヒモか何かで引っ張って順に外しているのである。あれだけ瞬時に変わるということは、ゴムかバネを使っているのだと思う。留め金を外すと一気に飛んで行く仕掛けではないか。それに大きな帽子が怪しい。外した仮面は、帽子で隠しながら衣装の中にしまっているのだろう。
が、しかし、たとえ理屈がわかったところで、この技、技術が素晴らしいことに変わりはない。
四川省は遠いが、上海は近い。5月からは万博も始まる。上海に行かれた際は、騙されたと思って、一度変臉をご覧になっては如何か。
ついでに、あのレストランの四川料理がおいしいかどうか確かめて来て欲しい。僕らは冷めた料理しか食べられず、料理の良し悪しがよくわからなかったので。というのは、ショーは19時45分頃から30分弱で、僕らが店に着いたのが19時半。ひとしきり注文し、少し料理が来たところでショーが始まった。そして、悲しいかな、無人のテーブルにどんどん料理が運ばれて行ったのであった・・・・。
教訓、「巴国布衣風味酒楼」には18時過ぎには行きましょう。で、料理を食べ終わった後で、ゆっくりと変臉を鑑賞しましょう。
この「変面」という言葉は、パフォーマンスの内容をうまく表している。と言っても、変な面、顔をするのではない。コメディではない。これは一種のマジックである。なんと、顔が瞬時に変わるのである。ネットで「変面」と検索すれば、Youtubeなどで動画が見られる。百聞は一見に如かず、是非一度ご覧あれ。
僕は上海の「巴国布衣風味酒楼」という四川料理のレストランで変面を見た。ここは四川省政府のやっているレストランらしく、地元から変面の役者さんを連れて来ているとのこと。僕が見たのは中山公園近くの店であったが、浦東にも支店があり、そこでも変面を見ることができるようだ。
店に着き、注文を終えたところ、気が付けば、ステージの下や階段を目指す人の動きが。遅れを取ってはいけない。僕らも即座に席を立ち、階段の上、まずまずの場所を確保した。あとはショーが始まるのを待つばかりだ。
と、そこに、軽快な音楽(勇ましい中国音楽というか、昔流行った「ジンギスカン」のような感じ?)に乗って、京劇の隈取りのような面をした役者さんが現れた。黒いマントに黒い帽子。切れ味の良い動きで踊っている。おそらく正義の味方なのであろう。
突然、顔が変わった。隈取りをした仮面が、あっという間に別の仮面に早変わり。それも一度ならず、何度も何度も変わった。じっと顔を見ていても、変わる瞬間がわからない。なぜ? いつ? どうやって? 本当に疑問の尽きない、不思議な、しかし、見て、ただ単純に楽しめるパフォーマンスである。
引田天功やプリンセス天功のイリュージョンとは規模も金の掛け方も違うが、変面も立派なイリュージョンの世界である。いや、雰囲気的には、イリュージョン プラス 仮面ライダー・ショー といった趣きである。
ところで、この変面、もとい「変臉」、中国では国家の二級機密の扱いになっているらしい。変臉は、四川省では代々自らの息子にしか伝えない、秘伝の技なのである。もっとも最近は女性の役者さんもいるし、変臉を演じる外国人までいるとのこと。一時、中国ではそれが大問題になったようだ。金に目が眩んで、変臉の秘密を他に漏らした、と。
中国政府の報復は怖いが(?)、僕なりに変臉の秘密を考えてみたい。
まず、薄い布の仮面を何枚も被っていることは間違いない。それをヒモか何かで引っ張って順に外しているのである。あれだけ瞬時に変わるということは、ゴムかバネを使っているのだと思う。留め金を外すと一気に飛んで行く仕掛けではないか。それに大きな帽子が怪しい。外した仮面は、帽子で隠しながら衣装の中にしまっているのだろう。
が、しかし、たとえ理屈がわかったところで、この技、技術が素晴らしいことに変わりはない。
四川省は遠いが、上海は近い。5月からは万博も始まる。上海に行かれた際は、騙されたと思って、一度変臉をご覧になっては如何か。
ついでに、あのレストランの四川料理がおいしいかどうか確かめて来て欲しい。僕らは冷めた料理しか食べられず、料理の良し悪しがよくわからなかったので。というのは、ショーは19時45分頃から30分弱で、僕らが店に着いたのが19時半。ひとしきり注文し、少し料理が来たところでショーが始まった。そして、悲しいかな、無人のテーブルにどんどん料理が運ばれて行ったのであった・・・・。
教訓、「巴国布衣風味酒楼」には18時過ぎには行きましょう。で、料理を食べ終わった後で、ゆっくりと変臉を鑑賞しましょう。