縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

感動再び 

2007-01-04 23:59:00 | おいしいもの食べ隊
 新年最初の話題はカニ。

 我が家ではマカオ料理がちょっとしたブーム。香港に行ったついでに日帰りでマカオに行き、マカオの、そしてマカオ料理の魅力に魅せられてしまった(『中国の”ヨーロッパ”』参照)。その後、泊まりで2度マカオを訪れた。
 マカオ料理はポルトガル料理がベースだが、ポルトガルからマカオに至るまでの、各地の素材、香辛料、料理法等々がミックスされた料理である。魚介類を使った素朴なポルトガル料理に、スパイシーな香辛料のエッセンスが加えられている。

 何軒か有名な(有名とおぼしき?)レストランに行ったが、中でもお気に入りはHenri’s Galley(ヘンリーズ・ギャレー)。galley というくらいだから、オーナーが船乗りだったのか、海や航海への思い入れが強い方なのであろう。シーフード料理がウリの店である。場所はマカオ半島の南西、西湾湖に面している。媽閣廟(マコウミュウ。中国風の寺院)やペンニャ教会を見た後で立ち寄るのにちょうど良い場所である。

 この店で食べたのは、マカオ料理では定番のアフリカン・チキン(様々なスパイスをまぶして鶏肉を煮込んだもの)、バカラウ・ボール(タラのすり身のコロッケ)、あと名前を忘れてしまったが、カニの甲羅揚げである。ハマグリ炒め(ハマグリをトマト、玉ねぎ、ニンニク等と一緒に炒めたものらしい)を食べたかったが、残念ながらハマグリはなかった。
 バカラウ・ボールはからっと、さくさくに揚げられており、大変美味。さくっとした歯ごたえのあとに来る、タラとマッシュポテトのハーモニーが堪らない。アフリカン・チキンのスパイスもおいしかった。が、何より感動したのはカニの甲羅揚げである。カニの甲羅の中にカニの身が、これでもかというほど詰まっている。身が少ししかなくグラタンにして誤魔化すような、そんじょそこらの甲羅揚げとは訳が違う。カニ好きの方にはたまらない一品だ。

 ん、この甲羅揚げ、どこか懐かしい感じが。そう、あれは今は無き『箱館城』の甲羅揚げと同じだ。カニの種類は違うが、甲羅の中にたっぷりとカニの身。そう、あれと同じだ。
 もう7、8年前だろうか、僕の両親と僕達夫婦とで函館を旅した。そこでガイドブックを見て入った店が『箱館城』。たまたま連休中で近くに開いている店がなかったこともあるが、あまり期待せずに入った。他に客はいなかった。しかし、これが大当たりだった。大感動のカニの甲羅揚げ。カニ(毛蟹)の身たっぷりというか、カニの身しか入っていないと言っても過言ではない。両親も僕も北海道生まれの北海道育ちだが、こんな甲羅揚げは初めてだった。大将にそう言うと、ファンが多く、止めるわけに行かないから、もう商売度外視でやっていると、うれしそうに、そしてちょっと恥ずかしそうに大将が答えた。青森からわざわざ甲羅揚げを食べに来る人もいるとのことだ。

 それから2、3年して、また函館を訪れた。真っ先に向かったのが『箱館城』。が、見つからない。確かこの辺りだったのに。どうやらつぶれてしまったようだ。ああ、あの甲羅揚げには二度と会うこができないのだろうか。そう思っていたところに、Henri’s Galley の甲羅揚げに出会った。あの感動が蘇った。僕と同じ『箱館城』ファンの皆さん、いざマカオへ行かん。
(まあ、マカオに行く暇とお金があったら、自分で毛蟹をしこたま買い込んで食べた方が良い気も・・・・)

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