ヒラリー・クリントンが大統領選で敗れた際、“ガラスの天井”を打ち破れなかったと言ったが、スージー・クアトロは、ロック界において初めて“ガラスの天井”を打ち破った女性といえる。後に続く少女たちに、私だってロックを歌ってもいい、エレキをかき鳴らしバンドを組んでも構わない、そんな夢と希望を与えた存在なのである。
スージー・クアトロは1970年代に活躍したロックシンガーである。僕は、クールでキュートでありながら、力強くベースを弾きこなし、そしてシャウトする彼女のファンだった。中学の頃の話である。スージーは日本でも大変人気があり日本酒のCMにも出ていた。僕より上の年代の方であれば彼女のことを覚えている方が多いことだろう。そんな彼女の映画、『スージーQ』が公開されたと聞き、僕は早速観に行ってきた。
もっとも、かつてのファンとしての礼儀というか義理で観ることにしただけで、正直、映画の出来にはあまり期待していなかった。が、それはまったくの杞憂に過ぎず、『スージーQ』はスージーのファンは勿論、彼女を知らない人が観ても十分楽しめる、ちょっといい映画だった。誰もが、自分を信じ、自ら道を切り開いて行く彼女の姿に励まされるに違いない。
スージーは、アメリカのデトロイト出身であるが、アメリカではチャンスに恵まれず、イギリスに渡ってデビューした。若干の下積みはあったものの、1973年、2枚目のシングル “Can The Can” がイギリスをはじめ欧州やオーストラリア、そして日本で大ヒットし、彼女はスターへの道を歩み出した。70年代の彼女は本当に輝いていた。ただ、なぜか本国アメリカでは彼女の曲はまったくヒットしなかった。
これはスージー・ファンの常識であるが、この映画を観て、彼女のデビューに至る経緯、家族との葛藤、ヒットから遠ざかった後の彼女の活動(なんと70才を過ぎた今でも現役で活動!)について初めて知ることが出来た。アメリカのTVドラマに女優として出演していたこと、ミュージカル『アニーよ銃をとれ』で主演を務めたこと、ラジオパーソナリティとして活躍していること、今でも(注:2019年)ツアーやレコーディングを続けていること等々、いずれも僕は初耳だった。過去の人かと思いきや、バリバリの現役、相変わらずキュートでエネルギッシュなスージーである。
また、ジョーン・ジェット(ザ・ランナウェイズ)がスージーを崇拝していたなど、1970年代後半以降に活躍した女性ロッカーの多くが、スージーのおかげで今の自分達がいると語っていたのも僕にとっては新鮮な驚きだった。
映画でスージーの曲のさわりをいくつか聴くことができるが、僕のおすすめは次の3曲(いずれもYouTubeで聴くことが出来る)。① Can The Can(彼女を一躍スターに押し上げた記念すべき一曲)、② Your Mama Won’t Like Me(スージー最高のロック)、③ Cat Size(スージーには珍しいバラード)
もしスージーの曲が気に入ったら、いや、たとえ気に入らなかったとしても、この映画『スージーQ』は絶対おすすめです!
スージー・クアトロは1970年代に活躍したロックシンガーである。僕は、クールでキュートでありながら、力強くベースを弾きこなし、そしてシャウトする彼女のファンだった。中学の頃の話である。スージーは日本でも大変人気があり日本酒のCMにも出ていた。僕より上の年代の方であれば彼女のことを覚えている方が多いことだろう。そんな彼女の映画、『スージーQ』が公開されたと聞き、僕は早速観に行ってきた。
もっとも、かつてのファンとしての礼儀というか義理で観ることにしただけで、正直、映画の出来にはあまり期待していなかった。が、それはまったくの杞憂に過ぎず、『スージーQ』はスージーのファンは勿論、彼女を知らない人が観ても十分楽しめる、ちょっといい映画だった。誰もが、自分を信じ、自ら道を切り開いて行く彼女の姿に励まされるに違いない。
スージーは、アメリカのデトロイト出身であるが、アメリカではチャンスに恵まれず、イギリスに渡ってデビューした。若干の下積みはあったものの、1973年、2枚目のシングル “Can The Can” がイギリスをはじめ欧州やオーストラリア、そして日本で大ヒットし、彼女はスターへの道を歩み出した。70年代の彼女は本当に輝いていた。ただ、なぜか本国アメリカでは彼女の曲はまったくヒットしなかった。
これはスージー・ファンの常識であるが、この映画を観て、彼女のデビューに至る経緯、家族との葛藤、ヒットから遠ざかった後の彼女の活動(なんと70才を過ぎた今でも現役で活動!)について初めて知ることが出来た。アメリカのTVドラマに女優として出演していたこと、ミュージカル『アニーよ銃をとれ』で主演を務めたこと、ラジオパーソナリティとして活躍していること、今でも(注:2019年)ツアーやレコーディングを続けていること等々、いずれも僕は初耳だった。過去の人かと思いきや、バリバリの現役、相変わらずキュートでエネルギッシュなスージーである。
また、ジョーン・ジェット(ザ・ランナウェイズ)がスージーを崇拝していたなど、1970年代後半以降に活躍した女性ロッカーの多くが、スージーのおかげで今の自分達がいると語っていたのも僕にとっては新鮮な驚きだった。
映画でスージーの曲のさわりをいくつか聴くことができるが、僕のおすすめは次の3曲(いずれもYouTubeで聴くことが出来る)。① Can The Can(彼女を一躍スターに押し上げた記念すべき一曲)、② Your Mama Won’t Like Me(スージー最高のロック)、③ Cat Size(スージーには珍しいバラード)
もしスージーの曲が気に入ったら、いや、たとえ気に入らなかったとしても、この映画『スージーQ』は絶対おすすめです!