縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
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アホとバカの境目 ~ 言葉の不思議

2006-09-17 23:58:00 | 最近思うこと
 昨日テレビで沖縄の方が、「沖縄には古い日本の言葉が沢山残っている。例えば、2月をにごち(にぐゎち?)、3月をさんごち(さんぐゎち?)とか、枕草子の言葉と同じだ。」と言っているのを聞いた。古くから独自の文化を作り上げてきた沖縄。多少大げさかもしれないが、沖縄の言葉が、外界と隔てられたガラパゴスやマダガスカルで独自の進化を遂げた動植物のように、古いまま残っていたり、派生して変化していても不思議はない。沖縄は、日本に加え中国の影響もあったのだろうが、明治までは独立した国だったのである。

 沖縄は少し特殊なケースかもしれないが、京都の言葉が同心円を描くように地方へ広がったとする「方言周囲論」という考え方がある。とすると、地方に行けば行くほど古い言葉が使われている、九州や東北・北海道の言葉は古く、京都の言葉が最先端ということになる。全国ネットのテレビが当たり前の今の世の中には当てはまらないかもしれないが、昔の日本、テレビもラジオも、それに飛行機や鉄道がなかった時代には十分あり得る話だろう。
 僕は北海道の出身だが、北海道では“とうもろこし”のことを“とうきび”と言う。確か、九州の一部でも“とうきび”と言うらしい。ともに古い言葉が残っているのだろうか。

 この言葉の話、関心を持ったのは「探偵!ナイトスクープ」というテレビ番組がきっかけだった。この番組、ご存知の方も多いと思うが、大阪・朝日放送の人気番組で、視聴者からの疑問・質問に(大抵ばかばかしい質問だが)まじめに調べて回答するという番組である。
 あるとき、「アホとバカの境界はどこか」という質問があった。調べたところ、ちょうど関が原あたりが境目のようだ。そこから西がアホで東がバカ。さすが天下分け目の関が原、アホとバカもここで分かれるんだ。と、ここで一件落着かと思いきや、九州もバカと言います、の一言。ということは境目は西にもある?ここから本格的な調査が始まることになった。この経緯は『全国アホ・バカ分布考』(新潮文庫)という本になっているので、興味のある方はお読み頂きたい。
 
 北海道は明治以降に東北から渡った人間が多いので、元々は東北の言葉に近かったのだと思う。それが、他の地域からの入植者も増え、又、北海道で生まれ育った人間が増えるとともに、次第に標準語に近づいて行ったのだろう。北海道の言葉は、“捨てる”を“なげる”、“疲れた”を“こわい”というなどの違いはあるが、東北、九州などの言葉よりはずっと標準語に近い。その他の違いといえば、全体に言葉が、良く言えば素朴、悪く言えば汚い、話すスピードが遅いといった点がある。
 が、もしかすると、東北・九州や北海道の人は昔の京の都に行けば、違和感なく話ができるのかもしれない。「方言周囲論」が正しければあり得る話だ。今の京都の人より、我ら田舎者の方が昔の貴族に近い?話すのが遅いのも優美さの名残りか?

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3 コメント

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それぞれの地域それぞれの言葉 (東西線)
2006-09-23 13:33:26
学生時代を経て就職、その間、北海道出身の人物がいませんでしたし、現在もそうです。ですから何となく北海道では隅から隅まで、標準語であろうとタカをくくっていたのですが、鈴木宗男議員の発言で方言があることを知りました。

おそらく広い道内のそれぞれの地域で、独自の言い回しがあるのでしょう。



それはそうと管理人さんによる「関が原を境に」というご指摘ですが、私も共感いたします。ちなみに私自身は西日本の出身ですが、「アホ」よりも「バカ」が馴染み深い言い回しです。



この「バカ」と言う言葉ですが、秋田県と宮城県の一部地域では「モノモライ」を意味するのだそうです。おもしろいですね。
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狭いようで (えんちゃん)
2006-09-24 23:03:20
日本ってやっぱり広いですね。

あと、東北・北海道では「ハンカクサイ」や「ホンジナシ」、中部では「タワケ」というのもあるようです。
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Unknown (わかば)
2006-10-21 00:10:37
拙ブログにコメントありがとうございました。

私は出雲弁が使われる地域に住んでいますが、出雲弁もゆっくりのんびりした言葉です。語彙そのものも相当古いものが残っているようで、「我ら田舎者の方が昔の貴族に近い」説に力強く賛同させていただきます!
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